2019年12月15日公開
今年の秋はアッと言う間に終わりを告げ、心も体も準備が出来ていない内に冬が来た。例年、この時期にスタートを切るのがヤリイカ。最盛期は年を越してからだが、開幕直後は今シーズンを占う重要な時期。これから一潮(約半月)毎にサイズも大きくなる。今シーズンは開幕と共に数も出ていて良いシーズンになりそうな予感。千葉県・勝山港『利八丸』に出掛けた。
今だからこそ行こう!鋸南町!!
勝山港は、アクアラインを使えば都内からのアクセスもよく私自身も頻繁に訪れる港だが、今回の訪問は台風15号被害後初めて。実際行ってみるとまだブルーシートをかぶった家も多く、被害の大きさを感じる事となった。しかし、迎えてくれた港はいつも通りの賑わい。ヤリイカ以外にもカワハギ、ワラサも好調とあって朝から活気に溢れていて一安心。「忙しい時に迷惑を…」と考えがちだが、こんな時だからこそ是非出掛けて頂きたい。
「ワラサ船」と「ヤリイカ船」で活況を呈する勝山港
大幅に遅れてスタートした今シーズンのワラサ(ブリの若魚)が、シーズンピークとあって港には多くの釣り人。冬の到来と共にスタートするヤリイカも11月24日にスタートを切った後に連日好釣果で港は活況を呈していた。ヤリイカ船は11人。この人数では贅沢なほどの大型船「第一利八丸」は、定刻の午前6時丁度に舟宝康広船長操船の元で舫いが解かれた。
予想外の強い北風
『利八丸』のヤリイカ船で使用するオモリは150号。イカヅノの長さはヤリイカ定番の11cm。ツノの種類が釣果を左右することもあるので不明な場合は船長に聞いた方がいい。船でも仕掛けは購入可能だ。この日のポイントは航程45分の洲崎沖。南に向かっていたので気付かなかったが、ポイントに着くと予想以上の北風。海もその影響でかなり大きなウネリがある。
今シーズンは開幕から好調なスタート!
実は、洲崎沖のヤリイカ釣りは昨シーズンかなり苦しんだ。「今シーズンはどうなのか…」と、気になっていた。開幕後に既に3回ほどヤリイカ船が出たが、いずれもトップは30杯前後の釣果を上げていて好スタート。どうやら今年は好気配のようだ。この日もシケの中でもほどなくヤリイカの反応は見つかった。水深は170m前後。海底から15m幅ぐらいで反応が出ているとの事。第1投が午前7時前。
第1投からヤリイカの乗り
底付近をメインに狙うヤリイカ。着底を確認してすぐに糸フケを取る。ここでもたもたしているとオマツリの原因になるので、これは厳守したほうがいい。そしてゆっくりと誘いを入れる。すると左舷ミヨシ(船首)側の2人に早速乗った。ゆっくりと電動リールのスイッチオン。しかし、予想以上の高いウネリ。しかもミヨシ側は揺れが大きい。1人は途中でバレてしまい、ミヨシら2人目の秋山さんが、無事にこの日最初のヤリイカをゲット。しかも40cm程の良型だった。
高い波で厳しいコンディション
一潮毎にサイズが大きくなるヤリイカだがシーズン開幕直後の今頃は、どうしてもまだ小型がメイン。高い波の影響でせっかくのイカのアプローチも気付くのが中々困難。船長は“アタリ”に気付いているのだが、それを釣り人が捉えることが出来ずに非常にもったいない。かく言う私もイカの“アタリ”なのか、それとも海底の潮の抵抗なのかが区別がつかないことが多かった。上手く“アタリ”を拾って、イカを乗せても波の影響でアップダウンを繰り返す中ではどうしてもバラシが続出してしまう。ベテランでも中々厳しいコンディションの中での釣りとなった。
天気予報では改善するはずなのだが…
この厳しさは船長も同様。反応はあるのだが、その反応に俊敏に船を付けるのが厳しいコンディション。フラストレーションのたまる時間が続く。時間が掛かりながらも船を流し変えてポイントに付けると“アタリ”はある。そして流し毎にポツリポツリ顔を見る事も出来る。魚探反応も確認出来ているので“敵”は完全にウネリだけのようだ。天気予報では徐々に改善していくはずなのだが…。そもそもが予報に反した強風。時間が立っても思ったほど改善してこない。ミヨシで竿を出すベテランの原田さんも「今日は見立てが外れたな。こんなにシケるならトモ側(船尾)を取ればよかったよ」と嘆き節。
海底にはイカに食いつく何者かが…
期待とは裏腹に天候が収まらぬままに時間が過ぎる。中々“アタリ”が分からないが、時折群れが濃い反応に当たると2杯、3杯とイカが乗る。そうすると小さなイカでもさすがに相応の重さなので乗りに気付く。この日もう1点厳しかったのが、折角あたっても、気付かないでいると何者かにイカを食われてしまう。フグやサメが下にいるのだろうか?時より食いちぎられて残ったイカが上がってくる。様々な要素が厳しく働く一日となってしまった。
今シーズンは好気配を確信
結局、終日天候には恵まれず、トップは原田さんの7杯。前日までの30杯前後の釣果と比べると非常に寂しい結果となってしまった。釣行翌日のトップはまた26杯。魚群探知機に映る反応を見てもこの日の海況が悪すぎただけのようで自分の「持ってなさ」を悔やまざるを得ない。
今後は、一潮毎にサイズが上がっていき年明けから本格的なシーズンに突入する。この時期に数が出ていることから見ても今シーズンは期待出来そうだ。
今回利用した釣り船
出船データ
出船時間:6時00分出船 13時30分沖上がり
基本料金=1万円(氷付き)
インターネット割引あり
レンタル道具あり