2019年12月15日公開
サワラは、漢字で「鰆」と書くので春の魚のイメージだが、近年、秋口から初冬にかけて東京湾奥のルアーターゲットとして人気が高まっている。各メーカーから専用チューンのルアーが発売されたり、釣具店には専用コーナーが出来る程だ。12月8日、サワラをルアーで釣らせてくれる千葉県・寒川港『小峯丸』に出掛けた。
埼玉方面からは外環道が便利
自宅のある埼玉方面から車でのアクセスだったが、東京外環道が湾岸線に繋がった為、ルートが複数選べるのが嬉しい。午前5時半頃に港に到着、スロープを下りて右奥が駐車スペースになっている。車の外気温計は5℃を指していた。前日は都内で雪もちらつく天気だったので、冷え込みがどう影響するか気にかかる。
間も無く港に『小峯丸』の軽自動車が到着、釣り人達が受け付けに並ぶ。その日の人数によって配船が決まるが、この日は、サワラルアー船は2隻での出船との事。今回は、小峯翔太船長が操る「11号船」に乗った。準備が整った6時30分、余裕たっぷりの8人での河岸払いとなった。
オーバーヘッドキャストも可能
『小峯丸』では、安全に配慮し片舷のみの少人数制なのがありがたい。ミヨシ(船首)ではオーバーヘッドでのキャスティングも可能だ。ただし、当然ではあるが、キャスティングの際は、必ず後ろを確認してからキャストする事。また釣り人の後ろを通るときは「後ろ通ります」と声をかけることを忘れないようにしたい。特にナブラ(魚群)を見て興奮すると周りが見えなくなるので要注意。安全には十分配慮しよう。身に着けるものとしては帽子とサングラスは、自分の身を守るための必須のアイテムだ。
また、釣れた魚のヌルや血で船が汚れた場合、そのままにすると滑りやすく非常に危険。船長に声をかけバケツを借りて汚れは自分で必ず洗い流すようにしよう。
幕張沖、水深12mでスタート!
航程30分程で幕張沖水深12mほどのポイントに到着。周囲の鳥の様子を伺いながら辺りを探索開始、暫くして船長から「はい、どうぞ」のアナウンスを機に皆一斉にキャスト。数投したところで、ミヨシに陣取っていた菊池さんの竿が曲がった。ランディングのためミヨシから胴の間(中央)に移動。船長がタモを持って待機してくれている。あと少しでリーダーが入るかといったところで、ギラリと魚体が反転、ジーッ!ジーッ!とドラグを出して走り出す。「テンション掛け過ぎると急に反転するから自然に回るように一定のテンションを掛けるんだよ」と、やりとりのコツを船長がやさしくアドバイ。数回の走る寄せるのバトルのあと無事に網に収まった。(巻頭写真)
釣り上げた魚の“神経締め”や血抜きの仕方を船長が丁寧に教えてくれるのも有り難い。その後、沖でナブラを発見。すかさず、船を寄せてキャスト開始。「跳ねてる!跳ねてる!」、「あーっ届かない」。釣り人たちが沸き立つ。なかなか射程距離に入らない。
鳥の姿もあり、定期的に周りでナブラが起こる状況が続き、ピンポイントでナブラに直撃出来ればヒットするが、群れが小さいのか沈むのが早い。ポツリポツリと拾っていく釣りとなった。それでも魚の雰囲気は、まだまだある。
重要なのは、飛距離
キャスティングゲームは、ナブラへ届くか届かないかが釣果を分ける。サワラ専用チューンのルアーも重量アップで飛距離を稼いでいる。重心移動や空気抵抗の少ない重めのルアーをチョイスして飛距離を稼ごう。
船長に聞いた釣り方のコツ
「湾奥では、水深が浅いためキャスティングで表層を狙うのがメインなのでミノーやバイブレーションを使います。ルアーの特性を理解した上で使うのが釣果を伸ばす秘訣ですね。ジャーキングで糸フケを出し過ぎるとラインカットの原因になるので、ルアーに合わせてアクションを調整するがコツです。ルアーのチョイスや釣り方はその時々で変わるので、船長に聞いてもらうのが釣れる近道ですね」と、教えてくれた。
また、今後の見通しについては、「今シーズンは例年と違い、湾奥の近場でまだ釣れていますね。これからは、魚が南へ下がっていくとジグがメインに変わっていくと思います。年内一杯は狙えると思います」との事だった。
湾奥のルアーサワラは、ヒットパターンやアクションなど、まだまだ手探りのところも多いこれからの釣り。シーズン終盤、年末に掛けてまだチャンスはありそうだ。新メソッドの開拓に是非チャレンジしてはいかかだろう。
今回利用した釣り船
出船データ
集合:5:30 出船:6:00 帰港:14:30
※帰港は状況により前後
料金:8500円※氷付き
予約:2人以上で出船
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。