2020年02月15日公開
冬の高級魚の代名詞“寒ビラメ”。この時期のヒラメは、回遊してくるイワシを食べてどんどん肉厚になり旨味を増す。春のような陽気が続いていたが、2月に入りやっと冬らしい寒さに。4kgオーバーの大型もコンスタンスに上がっている情報。千葉県・大原港『あままさ丸』に出掛けた。
今シーズン一番の寒さ
埼玉県北部から東北道を使い、外環、京葉道路を通り九十九里有料道路終点まで進む。ここから大原港までは約16km、朝の早い時間なら2時間20分で行くことが出来る。途中、車の外気温は-5℃と今シーズン一番の寒さに不安が過る。出船時間は5時20分。4時10分にログ(受け付け場所)に到着、既に数台の車がエンジンを切って待機中。住宅地なので前向き駐車、アイドリングストップでお静かに。4時20分に女将がドアを開け受け付け開始。中に入ると大原の代名詞とも言える大ダイ、大ヒラメの魚拓がお出迎え。受け付け、支払いを済ませ、大原港へと移動。釣り座は予約時に決めるスタイル、レンタル等希望がある場合も予約時にお忘れなく。
車は駐車場へ停車、船着き場まで移動
大原漁港の隣に船宿利用者用の駐車場があり、「あままさ丸」の船着き場までは100m程度。準備して荷物を持っての移動でも問題ない。沢山の釣り船が停泊してるので、迷わないように受け付け時の確認をお忘れなく。この日は私を含め10人、両舷5人ずつに分かれての乗船。活きイワシが船内に運び込まれ準備万端。定刻5時20分になり天野正毅船長の操舵で出船した。
朝はシケ気味の状況からスタート
5時50分、最初のポイントへ到着。まだ昨日からの風が残りとても寒い。予報では風は治まり、徐々に天候は回復する見通しだ。船長が全員にイワシを配り「やってみましょう、19mからね」とのアナウンスでスタート。期待の朝イチだが最初の流しはアタリ無し。流し直して早々に右舷大ドモ(船尾)の春山さん(東京都青梅市)のロッドに初アタリ。「なかなか食い込まないな」と言いつつもしっかり食い込みを捉えて船中1号となるヒラメを釣り上げた。左舷大ドモにもヒラメが上り、続いて左舷ミヨシ(船首)の小林さん(千葉県鎌ケ谷市)が、ロッドのしなりを上手く利用しヒラメを上げた。更に左舷胴の間(中央)で吉村さん(千葉県市原)も続く。合わせも決まりオマツリしつつも船長の指示に従い、良型のヒラメを釣り上げた。徐々に風が弱まり太陽も上昇、釣果も上昇傾向だ。
風の治まりと共に釣果も上昇へ
『あままさ丸』のヒラメ釣りは大原スタイルの“横流し”。流し毎に左右を入れ替えるので、どちらの釣り座に座っても平等の条件となる。入れ替えて早々右舷ミヨシで、この日ヒラメ釣り初挑戦の宇佐美さん(東京都足立区)にヒット。初挑戦とは思えない慣れた手つきでヒラメを釣り上げると、ほぼ同時に釣り仲間の清水さん(埼玉県志木市)も経験者らしい慣れた手つきで自ら取り込みまでこなしていた。左舷では小林さんと一緒に来ていた閔さん(東京都小平市)が、アドバイスを受けながら釣れたヒラメにニッコリ。小林さんも負けじと連続で2匹釣り上げ、その内の1匹は口の中に3匹ものイワシを飲み込んでいた。右舷胴の間では成田さん(神奈川県横浜市)に、ここまでで最大のヒラメが上がる。成田さんはタナを切って少し上目でイワシを泳がせ、見事狙い通りの良型を釣り上げた。その隣の今村さん(東京都青梅市)もヒラメを釣り上げ、見事に全員が“本命”ヒラメを釣り上げ船長もミッション達成。ラスト1時間、次なるミッション、大判ヒラメを狙いに浅瀬へと移動した。
船長の狙いが見事的中!
前日は強風で入れなかった浅場のポイントへ移動。この日も潮が悪く本命ポイントよりやや沖目で大判狙いのラストスパート。すると程なくして今村さんの竿が引き込まれた。柔らかい長めのロッドが強烈な引き込みを吸収し見事この日最大の3.65kgの“大判”ヒラメを釣り上げた。ラストは沖上がり11時30分直前に宇佐美さんが“大判”を上げ、船長の狙い通り見事サイズアップ成功で沖上がりとなった。
この日の釣果は1~3匹(3匹が何と5人)と雪が舞う中、上々の釣果だった。船長にコツを聞くと「潮の濁り方で捨て糸、ハリスの長さを調整すると良いですよ。濁ってる時は短く、澄んでる時は長めにして泳力のある大物狙いも良いですね」との事。『あままさ丸』は、ヒラメを美味しく持ち帰れる様に船長が血抜きや神経締めをしてくれる。
これからの時期、イワシの回遊に伴い更にサイズアップしていく“寒ビラメ”、『あままさ丸』では“9周年記念感謝祭”も3月31日まで開催されている。この時期ならではの大判肉厚のヒラメを狙いに出掛けてみては如何だろう。
肉厚寒ビラメを堪能
船長に血抜きして頂いた“寒ビラメ”を早速食べた。血抜きがしっかり出来てるので身は白く透明。まずは刺し身で、弾力が有り甘みが強い。型が良いのでエンガワもしっかり取れる。エンガワは身より更に甘みが強く美味。身をソテーすると打って変わってフワフワに、バターの風味と下味に付けた塩コショウがとてもマッチする。アラは味噌汁で、“寒ビラメ”を堪能し尽くした。
今回利用した釣り船
出船データ
料金=1万2,000円(餌込み、氷付き。学生・女性割引あり=エサ別)
出船=午前5時20分(要予約時に確認)
レンタル・タックル=無料(カッパや長靴のレンタルもあり)
※詳細はお問い合わせください。
この記事を書いたライター
タナゴからマグロまで、幅広く実釣。釣果よりも楽しくをモットーとするエンジョイアングラー。