2020年04月01日公開
千葉県・勝浦沖は大型のヒラマサが釣れる海域として知られた所。そして、春は特にその期待が高まる季節で、今シーズンも夢の大型を狙って多くのアングラーが集まっている。私も大型ヒラマサとのコンタクトを夢見て、勝浦川津港『宏昌丸』へ出掛けた。
船宿で座席札を取ってから船着場に集合
春の勝浦沖の魅力は、ヒラマサに限ったことではない。イワシをたっぷり補食し丸々太ったサンパク・ワラサ・ブリも出る。サンパクとは、外房でのイナダとワラサの中間サイズの呼び方で、いい時にはこれが結構釣れるので是非春の勝浦沖に注目してほしい。『宏昌丸』では午前船と午後船の1日2便を出船。予約時にどちらを希望するか(あるいは“通し”か)を伝えよう。当日は、まず港へ向かう途中にある船宿に立ち寄って玄関脇のボードの船型から番号札を取り釣り座を確保、その番号札を持って午前5時20分までに船着場に集合。軽トラで受け付け(支払いと乗船名簿の記入)をしてから荷物を船に運び込む。駐車場は船宿前なので、車を移動させスタッフの指示で駐車する。
ジギングもキャスティングも両方楽しめる
釣り方はジギングおよびキャスティング。船を“横流し”で流すため、釣り座に関係なく、ミヨシ(船首)やトモ(船尾)だけでなく胴の間(真ん中)でも、片舷ずつ順番にキャスティング(アンダースロー厳守)が出来る。この日は、ジギングは全員、キャスティングタックルもほぼ全員が用意していた。タックルがなくても、予約時にレンタルを申し込んでおけば大丈夫。タックルの詳細は仕掛け図参照。ただ、釣り場の水深や潮流によって、ジグは少し軽いモノや重いモノを使用することも。また、この釣りでは誰にでも思わぬ大物が掛かることが十分ある。ラインの傷やラインシステムの強度などにも気を配っておこう。少しでも不安や疑問があれば船長や上乗りスタッフに相談しよう。
ジギングで脂乗り乗りのサンパク、ワラサが!
出船は6時。前日までの風雨が止みまずまずのナギだ。吉清良輔船長の操船で「宏昌丸」は勝浦沖へと静かに滑り出した。航程20分程で釣り場に到着すると魚探には良い反応が出ていた。「ジギングで深いところを攻めます。潮がそこそこ速いので、ジグは150g以上を使ってください。左舷側の人は投げてどんどんやり直して、右舷側は真下に落としてください。やってみましょう。水深65m、下から20~30mまでドーンッと反応が出ています」という船長のアナウンスで開始。程なく右舷トモ2番でヒット!左舷トモでも2人がヒット!なんとトリプルヒットだと思ったら左舷胴の間でも、さらに左舷ミヨシ、腹パンッパンの3kg前後のサンパクと4kgオーバーのワラサをゲット!
食いそうで食わない、が、諦めずに掛けた!
いい調子だ、と思われたが、時合を過ぎると魚探の反応はしっかりあっても中々バイトしない難しい状況に。そんな中、左舷ミヨシのアングラーが掛けた。強い引きで船下にラインが入ってしまう苦しいファイトを強いられたが、何とか浮かせて、スタッフの田口さんの構えるタモに丸々太ったサンパクが見事納まった。また、右舷胴の間のご夫婦の奥さんがデカいサバ、ご主人がサンパクをゲット!その後、キャスティングにも挑戦したが、11時頃沖上がり。釣れた魚はリリースでも、キャッチ・アンド・イートでもOK。持ち帰る魚はスタッフが素早く神経締め&血抜きして氷とともにクーラーに納めてくれる。
更なる大物を求めて“通し”で午後船にも乗り込んだ
11時30分頃、港では温かい飲み物とお菓子と共に女将さんが帰港を迎えてくれた。釣り道具を水洗いして皆さんは帰り仕度、しかし、私は更なる大物の画を撮るために引き続き午後船に乗り込んだ。正午、岸壁で手を振る午前船の釣り人に見送られ再び沖へ。私同様、午前・午後の通しで乗船した釣り人によると、「夕方の時合にドカーンッと1発大物が出ることも!」と話してくれた。期待が高まる。船長は午前より遠いポイントへ。午前同様ジギングからスタート。直後、幸先良く午前船ではスタッフとして乗船していた山中さんが見事なロッド・ワークでワラサをゲット!しかし、後が続かない…。14時30分頃からはキャスティングも出来る浅めのポイントに移動した。
モンスター2匹!“Xデー”はなんと取材日の翌日だった!
終盤はかなり岸に近いポイントを流した。「今度は左舷側がキャスティング、水深20mからどんどん浅くなり10m切って来ます。右舷側はジギング。小さめのジグでキャストして斜めに引いてください。根掛かり注意です」と細かなアナウンスが入った。大型ヒラマサの実績の高い場所だと言う。ミヨシから「うわっ!バレた!」という悲痛な叫び声と、「あ~ぁ」というため息が聞こえた。キャスティングだった。大物はいる。終了間際には左舷胴の間でジギングの竿が曲がり、3kg級のヒラメが上がったが、タイム・オーバーとなり18時頃帰港となった。
翌16日、『宏昌丸』HPの「良輔船長ブログ」には、30kgオーバーの巨大なヒラマサの写真が掲載された(巻頭写真)。しかも、なんと“夢政”を2匹ゲットしたとのこと。と言うことは、「1日ズレていれば遭遇出来たかも!?」悔しい思いだ。船長は「これからも期待出来ますよ」と言っていた。決して“夢”じゃない!是非チャレンジしてほしい。
今回利用した釣り船
出船データ
乗船料金=午前船 1万1,000円/午後船1万円(氷付き)
集合=午前船 5時20分まで/午後船 11時15分まで(船着場)
出船=午前船 6時/午後船 12時(変動あり)
帰港=午前船 11時30分頃/午後船 18時頃
レンタル=貸し竿 2,000円
※詳細は問い合わせ
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。