釣りビジョン

千葉県・富浦沖のコマセ・マダイ、桜咲き“乗っ込み”突入!

2020年04月01日公開

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春、桜が咲く頃に釣れ出すマダイを俗に「桜鯛」と言う。海水温上昇と共にマダイが産卵の為、浅場にやって来る“乗っ込み”のシーズンである。1年の内でも最も大型が狙える絶好のチャンス、ほとんどの“記録魚”はこの時期に釣れている。東京では、観測史上最速の3月14日に桜の開花を記録した今年、コマセ・マダイを得意とする千葉県・富浦港『共栄丸』に出掛けてみた。

集合は富浦新港で

カーナビを「〒299-2404千葉県南房総市富浦町多田良・富浦新港」東側の一番奥にセットするとよい。当日集合時間の午前5時、釣り人たちの車がぞくぞく集まって来た。前日はシケで当日も「午後に掛け南西風が強まる」予報だったが思ったより静かな朝だった。釣り座は、受け付け時に希望を伝える。ペットボトル氷を受け取り、船長の指示に従い船に乗り込む。ペットボトル氷は乗船中に使用し、下船後バラ氷に入れ替えてくれる。

出船前のレクチャー
出船前、貸し竿でコマセ・マダイ釣り初挑戦の方達へ船長からレクチャーがあった。「“乗っ込み”のマダイは臆病で、ビシを嫌がるのでタナは上から取ります。タナは、リールのカウンターではなく糸のマーカーで合わせてください。皆で合わせるのでタナは必ず守ってくださいね。今日の貸し竿は、糸の色を合わせてあるので隣の人とタナが違うと色でわかります。コマセは、一つまみ分カゴの半分ぐらい入れて、カゴの穴はドバドバ出ないように調節します。パラパラ出してマダイが下から競うように上がって来させるイメージです。仕掛けは、袋から出した時に糸引っ張って癖を伸ばしておいてください。付け餌は、コマセの中から形の良いのを選んで、尻尾を切ったら餌が真っ直ぐになるように刺してください。丸くつけたりすると餌が回って仕掛けが絡む原因になります。投入は、カゴから入れてハリスをさばきながらいれ最後に餌を入れます。指示ダナが50mだとすると糸のマーカーで55mまで落として糸を止め、10から15秒位ハリスが馴染むのを待ってからコマセを優しく振ります。ハリスが馴染まない内にコマセを振ると仕掛けが絡んじゃいます。2m毎にコマセを振って指示ダナに合わせます。基本置き竿です。魚が浮いて来て反応ある時には、ゆっくり上げたり落とし込んだり誘いを入れるといいですね。回収は、ビシをコマセバケツに入れて、ハリスは桶の中に入れてハリをキーパーの糸止めに掛けて置けばトラブらないですよ。“餌取り”がいるのでアタリが無くても2、3分したら餌を確認してください。周りの人を見て餌がなかったら自分も見てみてくださいね」。と実に丁寧なアドバイス。私もコマセ・マダイは、初めてなので興味深々に聞かせて頂いた。

ポイントは港のすぐ傍

準備が整った5時48分、朝焼けの中、左舷6人、右舷7人での出船となった。港を出て10分程でポイントへ到着。6時ジャスト、「上からタナをとるから合わせてくださいね。それでは上から50m、コマセはビシの半分ぐらいで糸を見てタナを取るようにしてください」との船長からのアナウンスでスタート。水深は66m。ちらほら餌が取られている様子、“餌取り”がいる様だ。6時40分頃、指示ダナは47m。最初のマダイを上げたのは左舷胴の間(中央)の矢上さん。「投入から6分位待って、指示タナから2m落し込んだところでアタリが来ました」と、嬉しそうに教えてくれた。

移動直後に“プチラッシュ”
その後、船中でポツリポツリとマダイが追釣、8時15分にポイントを移動。水深43m、指示ダナ27m。移動直後にアタリが出だし、ミヨシ(船首)に、トモ(船尾)に“プチラッシュ”に突入。そんな中、右舷胴の間の吉田さん、宮内さんにもマダイがヒット。会社のお仲間でコマセ・マダイに初チャレンジとのことで“本命”を釣り上げて満足そう。また、「毎週来てるけど、先週からやっとボウズでなくなった。シーズンはこれからだね」と、常連の秋葉さんも“本命”をゲット。

 

餌が残ったら大物のチャンス!?

船長曰く「この時期のマダイは、臆病になっているのでビシを振るときも、そっとやさしく振ってください。“餌取り”の活性が高いとマダイの活性もあがるので一概に悪いとは言えないですね。
大型のマダイが来ると“餌取り”が居なくなるので、取られていた餌が残るようになったらチャンスです。まめに餌をチェックして餌が残ってきたら長めに待ってみて、反応が上がって来たらアナウンスするので落とし込みなどの誘いを入れるといいですよ」と教えてくれた。
“餌取り”を攻略し、餌を残して船長のアナウンスを聞き逃さずにチャンスを掴むことが大ダイに近づく要のようだ。コマセ・マダイは、船中皆でタナを合わせることが重要。特に1人だけビシを下げ過ぎてしまうと魚が散る原因となるので十分気を付けよう。落し込みの誘いも竿1本分程度にしたい。




【動画】ノッコミ目前!コマセマダイ釣り


後半は、風が出て終了

アタリも無くなった9時半過ぎ、朝のポイントへ移動。しかし10時を過ぎると予報通り風が出てきた。また、船の水温計は16.2度を指していた。その後、マダイを何匹か追加し12時8分に納竿となった。まだ“走り”の時期ということもあり、サイズはまだまだだったが、“乗っ込み”の気配を十分感じる結果だった。

船長に聞いた今シーズンの状況と今後の見込み
「まだ日によってムラがありますが、良いときは白子も真子も腹パンパンの魚も出てます。今日は、前日の風で水温が下がったのと潮が流れなかったのであまりよくはなかったですね。これから6月にかけて本格シーズンになるので数も大型も期待出来きます。コマセ・マダイは、難しいイメージがありますが、タナ取りと小まめな餌チェックさえすれば難しい釣りじゃないので初心者の方も自己レコードを更新したい人も是非チャレンジしてみてください」と、船長。『共栄丸』の船宿記録である9.65Kgも、2018年4月24日の記録だ。大型を狙えるこれからのシーズン、“沖釣りの王道”とも言われるコマセ・マダイに出掛けて見てはいかがだろう。

今回利用した釣り船

千葉県 富浦港 『共栄丸』
〒299-2404 千葉県南房総市富浦町多田良880
TEL:090-7244-0460
定休日:なし 釣果・施設情報 共栄丸 ホームページ

出船データ

コマセ・マダイ予約乗合(午前便)
料金=1万円(コマセ、氷付き。女性9,000円・中学生まで5,000円)
午後船も有り船宿確認
レンタル・タックル=無料
集合=5時00分、出船=5時30分(12時頃 沖上がり)
※前日までに予約し、詳細は予約時に要確認
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

金井 直行
釣りビジョンAPC。『海がないから海が好き。』関東の海なし県から沖釣りに通う週末釣り人。
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。
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