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相模湾の“ルアー・シイラ”!1mオーバーが好調!!

2020年07月01日公開

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毎年夏になると黒潮とともにやって来て熱いゲームフィッシングを繰り広げてくれるシイラ!今年も既に好調に釣れ始め、1mオーバーも飛び出している。県を跨いでの移動の自粛が解除になったことを受け、6月20日、神奈川県平塚港『庄治郎丸』に出掛けた。

夏だ!“ルアー・シイラ”だ!平塚だ!

『庄治郎丸』は、神奈川県の中央を流れる相模川(馬入川)河口にある。マイカーでの釣行なら新湘南バイパスの終点・茅ヶ崎海岸ICで降りるのが最も近い。出船は午前6時(土・日曜日は要予約)。特に集合時間は決められていないが、出船の40分前までには船宿に着いていたい。まず、船宿の前に車を停めて荷物を降ろし、スタッフが案内してくれる駐車場に車を移動。船宿に戻って受け付けを済ませたら、トラックに荷物とともに乗り込んで船着場へ。釣りに行けずウズウズしていたアングラーたちが多かったのか、この日は2隻出しになり、私は「第五庄治郎丸」に乗り込んだ( “密”を避けるため定員は18人(片舷9人)としている)。

イワシカラーやカラフルなルアーで挑戦

同船者のルアーを見せてもらうと、イワシカラーの他に、カラフルなものが多い。マッチ・ザ・ベイトとともに、ルアーのアピール力などでも補食スイッチが入るシイラならではのチョイスだ。ルアーの種類としては、ペンシルベイト、ポッパー、ミノープラグ、ジャークベイトなど。ロッドは、上級者になると硬め、軟らかめ、中位の3種類をルアーの重さや種類などによって使い分けている。リールは丈夫でドラグ性能の良いハイギヤのスピニングリール、大きさ的には中型以上。この日は、釣り具メーカー『パームス』の石井さんが“インストラクター”として乗船、出船前に注意事項やシイラ釣りを楽しむためのコツなどをレクチャーしてくれ、また、釣り場ではタモ入れなどをしてくれる上乗り役や質問すればアドバイスもしてくれた。

 

明るい潮を探して城ヶ島方面へ!ついに群れに遭遇!

出船は6時、天気は晴れ、海はナギだった。港を出るとすぐに臨戦態勢に入る。世古勇次郎船長は高さのある操蛇席からシイラの魚影やシイラが潜んでいそうな流れ藻や流木、鳥山、潮目などを探しながら船を走らせた。ミヨシ(船首)のアングラーもいつでもルアーを投げられるように片手にロッド持ち、気ままに泳ぐ“ふらつき”のシイラなどを探す。暫くして船は減速、前方にブイが見えた。「やってみましょう」という船長の合図で一斉にルアーを投げる。『庄治郎丸』では、アンダーハンドだけでなく、確実に後方確認してからのロッドを倒しすぎないオーバーヘッドキャストもOK(フックはバーブレス限定)。しかし、シイラは姿を見せない。潮色が前回出船時より暗くなってしまっているらしい。シイラは濃い青色の澄んだ明るい潮を好む。船長は潮色を見ながら少しでも明るい方へと船を走らせた。そして、城ヶ島方面の潮目で左舷胴の間(中央)の横浜市の濱中さんがついに1匹目を食わせた。

真っ白く泡立つ巨大“ナブラ”から1mオーバーが出た!

潮目は城ヶ島沖のパヤオの沖合いを南北に延々と横たわっていた。ルアーを投げながら潮目に沿ってゆっくり南へ下った。流れ藻が集まる潮色の明るい良い潮目だ。時たま船は潮目を跨ぎ、両舷が交替で潮目を狙えるよう配慮する。突然、「バシャバシャ!」と、海面が泡立つような巨大な“ナブラ”が絨毯のように広がった。「投げろ!投げろ!」と船長。この日一番のチャンスが訪れた。左舷胴の間の池上さんと右舷ミヨシ(船首)2番の豊田さんがダブルヒット!1mには届かなかったが90cm前後のナイスサイズだ。“ナブラ”はまだ出ている。その周りにデカいシイラがまだいるはずだ。右舷ミヨシ3番の横浜市の片山さんが「追ってる!」と叫び、ロッドを立てるとリールから一気にラインが出された。シイラは右に左に猛スピードで走る。実に楽しそうだ。『パームス』の石井さんのタモ入れで105cmの“メーターオーバー”のシイラが取り込まれた。

食物連鎖を目の当たり!
釣れたシイラが20cmちょいのウルメイワシと思われる未消化の魚を吐き出した。これが先程から出っぱなしの絨毯のような巨大‟ナブラ“の正体なのか?シイラは実に美味しそうな餌を食っている。間もなく左舷胴の間の2人がダブルヒット!ビデオを回すとどうも魚が小さそうだ。「あれ?サバ?」。巨大”ナブラ“の正体はウルメイワシではなくサバだった。潮目に集まった流れ藻に付いた小魚やエビ類などを大きなサバの群れが補食し、それをシイラが下から突き上げ、海面を泡立たせる巨大”ナブラ“が発生したのだろう。この釣りでは、大自然の凄まじい食物連鎖を目の当たりにする。その頂点にいるシイラ、これを釣るのだ。終盤は平塚方面へとシイラを探しながら船を走らせた。

【動画】アツいファイト!シイラ・キャスティングゲーム

今後は黒潮接近で“ルアー・シイラ”は最盛期に!

この日の釣果は、出船した2隻の合計でヒット数33回、キャッチ数24匹。サイズは60〜105cm。私が乗った「第五庄治郎丸」ではキャッチ10匹(0〜2匹)でリリース4匹。『庄治郎丸』ではキープかリリースかは釣り人の判断でOK。キープしたシイラは1人1匹まで帰港後に捌いてくれる。つまり、魚用のクーラーは船に持ち込まなくて良い。1匹キープする場合、釣れたら血抜きをして船のクーラーで冷やしておき、帰港後に捌いてもらい自分のクーラーで持ち帰る。これなら楽ちんだし、釣行中デッキが空くので動きやすい。「これから黒潮が更に突っ込んでくれば、シイラの群れはもっと入って来ます。更なる大型も釣れるようになるし、本ガツオやキハダマグロもやって来るでしょう。相模湾の“ルアー・シイラ”はこれからが本番です」と、船長は日焼けした顔に白い歯を光らせて笑った。熱中症対策を万全にして、是非挑戦して頂きたい。

今回利用した釣り船

神奈川県平塚港 『庄治郎丸』
〒254-0803 神奈川県平塚市千石河岸57-16
TEL:0463-21-1312
定休日:原則として第2・4・5火曜日 釣果・施設情報 庄治郎丸 ホームページ

出船データ

ルアー・シイラ乗合
料金=男性 1万円、男子大学生 7,000円、女性・子ども(高校生まで) 6,500円
出船=6時
沖上がり=12時30分頃
レンタル=ルアーロッドとリールのセット 1,000円
※土・日曜日は要予約。詳細は問い合わせ
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

岩見 忠弘
釣りビジョンAPC
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。
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