2020年07月15日公開
フグは、カワハギと並び“餌取り名人”として知られ、しかも爪切りのような鋭い歯でハリを食い千切っていく。そのフグを狙って釣るとなると一筋縄ではいかない。そこで考えられたのが寄せるための餌バリと掛けるためのカットウバリの2段構えのカットウ仕掛け。このカットウ仕掛けにエビ餌を使うのが東京湾スタイル、通称「湾フグ」と言われる。今の時期、産卵期を迎え白子もタップリ。「湾フグ」釣りの老舗として知られる金沢八景『野毛屋釣船店』に出掛けた。
車も電車もアクセスは抜群
車の場合カーナビは「神奈川県横浜市金沢区柳町7の5」をセットする。電車の場合は、京浜急行・金沢八景駅下車、シーサイドライン沿いを東に進み徒歩5、6分と近いが駅からの送迎もある。午前5時30分から受け付け開始、受け付けを済ませ船宿の案内に従い近くのコインパーキングに車を停めて船着き場に向かう。定刻7時少し前に満船24人で出船した。
連続ヒットもあり
航程40分程で千葉県・大貫沖のポイントに到着。この日は南々西の風8m前後の予報だったが、予報通り多少風がある。船長がアンカーを投入、船が潮に馴染んだ頃に「いいよ、出来る人からやってみて!」とアナウンス。一斉に仕掛けを投入する。糸の角度からすると潮が速いようだ。しばらくすると左舷側を中心に釣れ出した。時には隣同士連続ヒットもあって好スタート。キャストで広範囲に探る人、船下を探る人とオーソドックスな1本バリ仕掛けやチラシバリ仕掛け等各自の好みで狙っている。「底に置いた餌を極力動かさないように糸を出し入れしてゼロテンションをキープするのがポイントです。今のアタリ分かりました?」と、常連の神田さんが気さくに教えてくれた。
この日はチラシが好調
順調に数を伸ばしていた常連の井内さんに話を聞いてみた。「さっきはフォールで食いました。今日は風と波でアタリが判りにくいのでチラシ仕掛けにしています。チラシバリは3本あるので1回アタリを逃しても残り2回チャンスがありますからね。それにチラシの方がアタリが出やすいですね」との事。その日の状況に合わせてアタリを出す工夫をしていくことが釣果を伸ばすポイントのようだ。
前半は好調だったが、後半は雨に降られアタリも止まった。それでも全員が「型を見て」トップ16匹、船中147匹の好結果だった。帰港後、釣ったフグは資格を持ったスタッフが適切に捌いてくれる。
船長に聞いた
基本となる餌付けと釣り方を船長に聞いた。
◆餌付けについて
「エビは頭を外して頭側から殻三枚を剥いて、尻尾は付け根を少しだけ残して切り、足を切り取ります。ハリを尻尾の切り口の真ん中に刺し、背中の一節目の堅いところから抜いてチョン掛けしオモリまでエビをスライドさせてからハリを回して背中の堅いところに押し込みます」
◆釣り方について
「オモリはベタ底で、竿先は竿先が動かないゼロテンションを保ちます。潮が流れていれば3秒に1回、緩ければ5秒に1回空合わせを入れ、幅は20㎝位で小さく鋭く合わせて落し込みはゆっくり下ろします。潮向きに仕掛けが払い出されている時は、竿先を目の高さ、船下に入るときは竿先を下に向けます。魚が掛かったら竿を必ず上に向けて一定のペースでリールを巻いて、最後はゆっくり取り込みます。オモリの形状は、潮が緩い時には丸型を使うと仕掛けが絡むから、潮が速い時は丸型でレギュラーはナツメがいいですね」
【動画】ゼロテンションをキープ!ショウサイフグ釣り
今シーズンの状況
船長曰く、「今シーズンは、去年に比べたら魚の数は3倍位釣れていて好調です。4月後半から7月一杯までは白子が入っていて魚は重いし大きいので引きも良いですよ。平均9割位の高確率で白子が入っているので、是非この機会に来て見て下さい。8月になると白子終わっちゃいますが、今より数が釣れるようになると思います」と、今後も期待できる回答をいただいた。
白子もまだまだ狙えそう。好調な「湾フグ」釣り、この夏、是非チャレンジしてみては如何だろう。
今回利用した釣り船
出船データ
※高校生5,500円 中学生以下4,500円、前回の乗車券の半券で500円割引
有料駐車場:500円
氷:220円
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。