2020年08月01日公開
シケが続いて沖に出られず、ストレスを溜め込んでいるルアーファンに朗報!「タイラバ」と「サワラのキャスティングゲーム」の“縦横の釣り”を同時に楽しめる乗合船が好調との事。東京・東葛西『探釣隊ぼっち』に乗り込んだ!
午前5時30分、駐車場に集合!
『東京湾探釣隊ぼっち』の集合場所は「新川東樋門(ひもん)」の近くにある駐車場。1度行けば何も難しくないのだが、この駐車場が満車の時は近くのコインパーキングへ停めることになるので、初めての時は『東京湾探釣隊ぼっち』HP内「釣果ブログ」にある案内を要チェック。カーナビには「江戸川区東葛西1丁目48-11」と入力すれば万全だ。集合時間のちょっと前に船長が来て、停車中の車に声を掛け集合となる。旧江戸川沿いにある乗船場所へは徒歩3分。船着場のゲートで予約順に船長からコールされ、希望の釣り座へと乗り込む。折を見て乗船料と駐車場代を支払い、乗船名簿に記入。船長のアドバイスを受けながらのタックルセットも順調に整い、「ぼっち丸」は定刻の午前6時を待たずに出船した。
サワラのキャスティングゲームからスタート!
やや強めの風とウネリのある東京湾を走ること90分。第2海堡周辺で海鳥の群れを見つけ、サワラのキャスティングゲームからスタート。魚のハネや鳥の動向を見ながら移動、キャスト、移動を重ね、サワラがルアーを追うのが目視できるスウィートスポットを発見。結構なスピードでリトリーブ(リールを巻く引き)しながらトゥイッチ(小刻みに竿先で引き込むタタキ)を織り交ぜたり、グリグリ巻いて一時ポーズ(静止)の“ストップ&ゴー”で攻略した。ところが、風と魚の向きが巧く噛み合わず、食いの浅さが覗われるバラシが続出。その中で最初にバイトをものにしたのは常連アングラーの中村さん(越谷市)。見事2.2kgのサワラ級(40~50cm級は“サゴシ”と呼ばれる)をゲット。ヒットルアーは「ぼっち丸オリジナルカラー」の9cmシンキングミノー。続いてのヒットは坂井さん(江戸川区)。12cmミノーに来たのはワンサイズアップの2.4kg。潮の流れを読み、機転を利かせたリトリーブコースが功を奏した。
同じ釣り場でタイラバにもヒット!
右舷が難攻不落のサワラにヒートアップする中、左舷で静かにタイラバを落としては巻いていた藤田さん(江戸川区)にも待望のヒット。水深35mの海底から明らかにそれと分かる独特なファイトで浮かび上がったのはマダイ。かつてはヘラブナを嗜み「タイラバは今日で2回目」と言う藤田さん。その勢いは止まらず、猛烈に竿を引き絞る魚を掛け、釣り座を移動。船で追いかけて間合いを詰めるビッグファイトとなった。一同が見守る中、取り込まれたのは4.1kgの丸々と太ったワラサ。巻いては引き出される攻防にヘトヘトの様子だったが「アタリも分かりやすいし簡単で面白い」と、すっかりこの釣りにご満悦だ。
船長に訊くサワラ・キャスティングの秘訣
タイラバのハウツーは「オフショアマガジン」の過去記事(巻末「詳細情報」リンク先参照)を読み返して頂くとして、サワラのキャスティングゲームについて笹倉鉄士船長に訊いた。「(捕食している)イワシが大きい時はタダ巻きでも食ってくるんですよ。小さいのを食ってる時は、トゥイッチをバンバン入れて、ヒラを打たせないと食ってこない。ベイト(サワラが捕食しているもの)で誘いが変わってくる」とのこと。この日、釣れたサワラが吐き出したのは約9cmのカタクチイワシ。「これならタダ巻きでスピードを上げて“ストップ&ゴー”で来る。初心者でも大丈夫」と船長。ルアーを一瞬止めてやることが、サワラに口を使わせるチャンスになるそうだ。「8月一杯まで湾央に居て、9月になると“風の塔”とかそこらまで入ってくる。その後10月位になると湾奥のベイトに付くので、専門船として出します」との事。つまり、タイラバとサワラのキャスティングゲームの両方を楽しむなら今がチャンス。発着から釣り場までが遠く、群れを追いかける釣りの為乗船料は通常より若干割高となるが、1日で2度美味しいと思えばお得感すら抱くのは私だけだろうか。
沖上がり間近に連続ヒットの時合い到来!
右舷でキャスティング、左舷でタイラバを展開したこの日、潮を見た船長はスパンカーを上げ、縦流しで両舷タイラバの釣りに切り替えた。間もなく常連のイチローさん(越谷市)がスピニングタックルでマダイを掛け、藤田さん&中本さん親子のダブルヒット、坂井さんが良型を上げる時合い到来。あちらこちらの釣り座でアタリがあり、浅場のマダイ特有の横方向へ走るファイトを楽しんだ。タモ入れは勿論、釣れた魚の活け締めや血抜きは船長がやってくれ、タグを付けて大型のクーラーで氷漬けにしてくれるので、釣り人は時合いに集中して連続ヒットを楽しんだ。
【動画】2種スタンバイ!タイラバ&キャスティングゲーム
マダイとサワラ、二兎を追う者だけが二兎を得る!
かくしてこの日の竿頭はマダイ3匹とワラサを上げた藤田さんと、マダイ3匹とサワラを上げた坂井さん。マダイは2.1kgを頭に船中13匹と釣況上向き。型の良いホウボウやカサゴも上がって、皆さん笑顔での沖上がりとなった。この日は上がらなかったが良型のアジやサバ、トラフグも釣れる東京湾のタイラバ&キャスティングゲーム。ボートフィッシングでは個々の釣り人に割り振られるスペースが比較的広いので、外房や相模湾よりライトなタックルで魚とのファイトを存分に満喫出来る。但し、オーバーヘッドキャストをする際の後方確認と、まめな水分補給はくれぐれもお忘れ無く。ユーモアたっぷり、釣りが大好きな船長と、常連さんたちも気さくで親切な『東京湾探釣隊ぼっち』。知らず知らずに我慢が蓄積する2020年の夏。たまには海に出て、胸いっぱい深呼吸する休日をお楽しみ頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
乗船料金:1万5,000円
駐車場:500円(1日)
貸し竿:2,000円(タイラバ別)/4,000円(タイラバヘッド×1&ネクタイ×2組付き)
集合時間:午前5:30(予約時に確認を)
出船時間:午前6:00
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他