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タコエギで狙う大阪湾のタコ!ビギナーにもオススメ!

2020年08月01日公開

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日本の食文化には欠かせないマダコ。そのマダコを狙った“タコ・エギ”釣りは、今やメジャーな釣りの一つに数えられるようになっている。今シーズンも“夏ダコ”が、連日好釣果を上げていると聞き、大阪・北港の『ヤザワ渡船』へ出掛けた。

出船場所が変わりました!

この時期、集合時間は午前5時。受け付け場所となる『ヤザワ渡船』店舗の開店は午前4時(季節で変わる)。混雑を避け、開店直後のバタバタが落ち着いたであろう4時半に到着した。乗船名簿への記入を済ませ、出船場所へ向かうのだが、今春から乗船場所が変わった。旧乗船場所の向かいの岸壁が新しい乗船場所。これにより駐車スペースが広大、最大87台が停められる駐車スペースが整備された。

船は南下!
この日乗船したのは「ネレウス5号艇」。今回は芝船長、坂手さんが上乗り。乗船は坂手さんが丁寧に案内してくれる。座席の後ろに番号が書かれている。私は最後に呼ばれ、右舷・ミヨシ(船首)に陣取った。この船は、ミヨシからトモ(船尾)まで等間隔で椅子が配置されており、釣りやすさは勿論、今や子供でも知る「ソーシャルディスタンス」である。この釣り座の間隔、実際には余裕を持って釣りを楽しめるようにと配慮された「フィジカルディスタンス」なのである。5時15分、静かに出船、南下した。

水深は浅く、ビギナーでもOK!

のんびりとクルージング気分を楽しむ事小1時間、ポイント到着のアナウンスと同時に見えたのは、『関西国際空港』へと続く連絡橋だ。そこで投入のアナウンス、共に伝えられた水深は13m。期待を背負ったタコエギ達が次々と海中へ放たれる。『ヤザワ渡船』でタコ釣りをする際のルールは、道糸PE3号以下、オモリ30号、両軸リールの3点と、タコエギは2個付けまで。この基本的なルールを守る事により、オマツリを防ぐと同時に、オマツリした際もすぐに解消出来る。また、“集寄(集器)”などの飾り物や後付けの餌(豚の背脂やサバの切り身等)をエギに付ける事は可能だが、極力シンプル且つ小さい物を使用。これもオマツリ回避の為である。このルールがビギナーでも挑戦しやすい環境にもなるのだが、それでも心配という方は、『ヤザワ渡船』店舗で販売している「船宿イチオシ仕掛け」で釣る事をお勧めする。また、レンタルタックルもあるので、クーラーボックスだけの「手ぶら釣行」も可能だ。

 

誘いと合わせのタイミング

タコ釣りでの誘いと合わせのタイミングには様々なパターンがある。最もポピュラーなのは“底をトントン”して誘い、タコがエギにしっかりと乗れば根掛かりのような重みとなり、そこで、大きくソフトに合わせる。慣れてくればそのバリエーションも増えるのだが…『ヤザワ渡船』では、タコがエギに触った時の多少の重みを感じてもすぐに合わせを入れず、タコが完全に乗ってから“大きく、ソフトに合わせを入れる”やり方を推奨している。タコ釣り経験の無い釣り人も、この根掛かりのようなアタリは他の釣りで体感する事が無い為、結構病みつきになる。また、誘いの際に気を付けたいのが、タコ・エギを完全に浮かせない事。仕掛けの着底後すぐに糸フケを取り、底ダチ(海底にオモリを着底させた状態で道糸を張る状態)を確認した後、エギの尻尾となるカンナは底から浮かさず、エギの頭だけを動かすように“トントン”する。また、底を取り直しても底ダチが分からなかったり、底ダチしてもすぐに違和感を感じるようであれば、海藻などが絡んでいる他、小型のタコがエギを抱いているというパターンが結構ある。また、タコを掛けて巻き上げる際、石や貝殻を一緒に抱いたタコがそれらを放すと急に軽くなるが、そこでリールを止めてはいけない。途中で違和感を感じても最後まで巻き上げる事。仮に空振りした時は「カンナのチェックタイム」にすれば良い。

「今日は渋い」と言いながらも

この日の状況は、連日の好調さと比べてイマイチな様子。船上ではポツリポツリとタコを確認出来るのだが、ダブルやトリプルヒットのような「お祭り騒ぎ」にはなっていない。また、本当のオマツリは偶に見受けられるが、上乗りの坂手さんが手際良く解消していた。船長は全体の雰囲気を見ながら潮の緩い場所や水深10mを切るような場所など、カンと経験を頼りにポイントを選定。船長曰く「今日は渋い」。それでもスタートから2時間足らずで“全員安打”を確認出来た。この日は大ドモ(船尾中央)で竿を出していた釣り人がより多くのタコを掛けていたが、聞けば潮の緩い場所と速い場所で仕掛けを変えていたそうだ。潮の緩い場所ではノーマルなタコ・エギ仕掛け、潮の速い場所ではワームを使った仕掛け。このワームを使った仕掛け、流れのある場所ではそのしなやかな素材がゆらゆら揺れてアピールするのだが、仕掛けの頭にあるボールが「アメリカンクラッカー」になっており、誘いを入れる度にボール同士が当たって音を発するという物。確かに、タコ・エギ仕掛けはガチャガチャと音がする。この日は満船、私を含む23人が乗り込んだのだが、アタリは順番が回ってくるような感じだったものの、小刻みな誘いや大きな誘いをしている釣り人より、シンプルな誘いをしている釣り人にアタリが多く見られた。ただ、仕掛けをズル引くような単調すぎる誘いも反応が悪いと感じた。

【動画】タコ用餌木で狙う!マダコ釣り

釣って楽しい!食べて楽しい!?

残り時間が半分を切った辺りから、船長は小刻みな移動で拾い釣りにシフト。それと同時に太陽が顔を出し始める。例年以上の梅雨空が続く今年、日差しは新鮮ながらも体力を奪いそうだと感じたが、小刻みな移動時の風が適度にクールダウンしてくれた。また、誰に乗るか分からない状況に加え、時折船上を舞う良型のタコが釣り人のモチベーションを維持していた。皆が口を揃え「今日は“渋い”」と言いながらも、どこかで誰かが竿を曲げ続け、12時15分に沖上がりした。
難しく考えずに出来るタコ釣りは、誰もが楽しめるターゲットなのだが、食べて“楽しい”のもタコの魅力。その代表が「たこ焼き」だろう。近年は関西以外の家庭でも「たこ焼き器」が普及している。楽しく作って美味しく食べる、これが一番!気軽に楽しめ・食べて美味しい大阪湾の夏を代表する“熱い”タコ・エギ釣り、是非出掛けて頂きたい。

今回利用した釣り船

大阪府大阪北港 『ヤザワ渡船』
〒552-0014 大阪府大阪市港区八幡屋1-9-24
TEL:06-6573-7712
定休日:なし 釣果・施設情報 ヤザワ渡船 ホームページ

出船データ

■料金
渡船:大人・高校生1,700~2,000円、中学生1,400円、小学生900円
釣り船:大人7,000円、女性・子供6,500円
※詳細は船宿のHP参照
■交通
阪神高速16号大阪湾線・九条もしくは天保山ICすぐ
大阪市営地下鉄中央線「朝潮橋」駅より徒歩5分
     
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