2020年12月15日公開
水深300~500mの深海を狙う伊豆・新島沖のキンメダイ釣り、1kgオーバーの良型も多く、時にはトップ20~30匹の大釣りも。丸々太った“新島キンメ”は脂乗り乗りの絶品だ。GoToトラベル・地域共通クーポンも利用可能な静岡県・下田須崎港『番匠高宮丸』から出船した。
レンタル・タックル完備で初心者もOK
下田須崎港へは、国道135号線を南下、南伊豆・白浜を過ぎ、下田の手前の柿崎交差点(“左→須崎”の案内標識あり)を左折して10分程。国道沿いには深夜も営業しているコンビニも点在している。取材日の12月初旬は港に午前4時30分集合。少し早めに着いて須崎港入口付近にある『番匠高宮丸』待合所に寄り、釣り座を確保して船着場に向かう(地図は、記事末『番匠高宮丸』ホームページ内「交通案内」参照)。港に小澤長夫船長が軽トラで到着。荷台に積まれた氷を適量クーラーに貰い船に乗り込む。この日は8人満船、その内3人がレンタルタックルで挑戦となった。
ハリ数は20本まで、投入は1日8回まで
仕掛けの詳細は「仕掛け図」参照。ハリ数は20本まで。レンタルの3人にはそれぞれ船宿仕掛け(15本バリ×6組と20本バリ×2組の計8組、餌付き)が用意されていた。1日の投入回数は8回まで。20本バリをいつ投入するかが肝だ。できれば食い気の立っている時に使いたいが、朝イチか、終盤か、もしかすると釣果を分けるので悩ましい。オモリは2kgの鉄筋を使用。船に大量に用意されていて、皆さんこれを借りて使用していた(ロストは1本220円)。餌はイカやカツオのハラモ、サケの皮など、何でも好きな餌を短冊に切ってちょん掛けにすればOKだが、サンマだけは使用が禁止されている。
航程1時間30分で釣り場到着、ワクワクの第1投
5時前、「番匠高宮丸」は、夜明け前の真っ暗な中を新島沖へと出船した。航程約1時間30分、「釣り場に到着しました。準備してください」という船長のアナウンス。キャビンのベッドで仮眠しながら到着した快適な船旅だったが、外に出ると海はシケていた。空は明るく、伊豆七島の島々がくっきり見えた。利島と新島に近い場所だ。「1番前の人、どうぞ。水深400m」という船長の合図で投入開始。前から投入の時は、竿より前に立ち、掛け枠を右手に持ち、左手でオモリを落とす。掛け枠からハリがほどけて次々に海中に沈む。リールをフリーにして全てのハリが投入されたらバックラッシュしないようスプールを押さえながら沈めていく。2番、3番と後ろの釣り人へ次々に投入のバトンが渡されていく。投入に失敗するとその回は1回休みになってしまうので要注意だ。
巻き上げも順番、いきなり8点掛け達成!
「オモリが底に着いたら仕掛けが吹き上がらないように道糸を伸ばしてください。カケアガリなので伸ばし過ぎると根掛かりするから加減して」と、船長が状況に合わせてマイクでアドバイスをくれる。多くの人にアタリがあった。「一番前の人から巻いて。30m巻いたら隣の人も巻いて」と、巻き上げも順番だ。ミヨシ(船首)の練馬区の山口さんにはゾロゾロと8匹ものキンメダイが掛かっていた。2番の埼玉県蕨市の船田さん1匹。3番の同川口市の清水さんにもゾロゾロ6匹。4番の同志木市の浅川さん1匹。5番の同川越市の伊東さんゾロゾロ5匹。8番の大ドモ(船尾)大田区の飯原さんはゾロゾロ6匹。3投目には6番の埼玉県富士見市の武田さん3匹。7番の葛飾区の田口さんも1匹で全員顔を見た。
深場で大型キンメを狙うもイルカが横取り
中盤以降は、水深500m前後の深場で大型のキンメダイを狙った。やはりオモリが着底したら仕掛けが潮流で吹き上がらないように道糸を伸ばす。「当たった!当たった!」という声があちらこちらで聞かれ、船長の合図で前からまたは後ろから順番に巻き上げるが、やはり30m巻いたら次の人が巻き始める。一体なぜ“30m”なのだろう?ベテラン釣り師に聞いてみた。「この釣りの仕掛けは全長30~40mです。すると、最低30mから40mずらして巻けばお隣とのトラブルを減らすことができます」とのこと。後半はイルカが多くなり、せっかく釣れたキンメダイを巻き上げ途中にほとんど横取りされてしまった。悔しいがこればかりは仕方がない。
【動画】伊豆のブランド!キンメダイ釣り
格別に旨い“新島沖のブランド・キンメ”を釣ろう!
11時50分頃沖上がり。結果はキンメダイ0.7~1.2kgが2~9匹。竿頭は山口さんと清水さんの2人。「今日はイルカが海面から底までいて、キンメが底でハリ掛かりする傍から横取りしているようでした。イルカがいない日に当たればもっと数は伸びます」と船長。実際、取材後の12月11日には波穏やかでイルカ被害もなく12~24匹の好釣果だった。
“新島沖のブランド・キンメ”の味は別格だ。『番匠高宮丸』では通年キンメダイ船を出船している。釣り納めに、また、新年明けてからの初釣りに、是非挑戦して頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
午前4時30集合(要確認)
※集まり次第出船
乗船料金:1万9,800円~(税込)
※乗船料金はポイントやプランにより異なる
※詳細は問い合わせ
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。