2021年01月04日公開
“大判”、“座布団”等と呼ばれる大型が釣れることで定評のある千葉県・外房のヒラメ釣り。ここに来て4、5kg級を上回る超ド級も交じり出し、条件の良い日にはトップ5、6匹の釣果も記録されているという。噂を聞きつけ、御宿岩和田港『太平丸』へ出掛けた。
午前5時集合、手指をアルコール消毒して乗船
東京湾アクアライン~首都圏中央連絡自動車道へと進み、市原鶴舞ICで降りて一般道で御宿を目指した。国道128号線の御宿駅入口交差点を「月の砂漠」の名で知られる御宿海岸方面に曲がると、『太平丸』が係留してある御宿岩和田港はもう近い。集合は船着場に午前5時だ。余裕を持って到着したが既に船には照明が点き、先着者も。船着場の駐車場に車を停め、荷物をまとめて船の前まで行くと女将が待っている。アルコールスプレーで手指の消毒をして貰ったら乗船OKだ。オモリや仕掛けは船でも購入できる。
“ノーマルタックル”に近い道具立てで浅場の大物を狙う
まずは「仕掛け図」を参照。オモリは80号で統一。『太平丸』のヒラメ釣りは根のきつい浅場で大物を中心に狙うので、胴のしっかりした竿を使う人が多い。すると、“LT(ライトタックル)”ではなく、自然と“ノーマルタックル”に近い道具立てになる。出船は準備出来次第だが、概ね5時30分頃だ。航程15分程で釣り場到着。ミヨシ(船首)とトモ(船尾)の生け簀から活イワシを少量掬い取り、釣り座のバケツに移して、ハリに刺して投入準備をしておく。大野利広船長の「根掛かりに気をつけてやってみて。水深は16m」のアナウンスでスタートした。
朝一番はカケ上がり狙いで勝負!
「浅くなるよ。根掛かりに気をつけて」と船長。カケ上がり狙いだ。すると、右舷大ドモ(最船尾)の船橋市の石井さんの竿が曲がり、60cmを超えるスズキが釣れた。左舷大ドモでバタバタッと船底を叩く音。急行すると東金市の戸田さんが1.5kg前後のヒラメを丁度釣り上げたところだった。そして、再び石井さんの竿が曲がり今度は2kg級の“本命”ヒラメ。さらに日の出とともに戸田さんが2匹目のヒラメをゲット!朝マヅメは大ドモにアタリが集中した。辺りが明るくなると、右舷胴の間(中央)の三郷市の浅烏(あさがらす)さんも良型のヒラメをゲット!
遊動式の仕掛けが功を奏した!?
陽が高くなるとイナダが回遊し始めた。ギューンッと竿を絞り込む強い引き込みに「大物か!?」と期待するが、横に走り出してガッカリというパターン。そんな中、右舷ミヨシの横浜市の長田さんがヒラメをゲット!左舷大ドモの戸田さんも3匹目のヒラメを釣り上げた。戸田さんの仕掛けは遊動式で、遊動部は20cm位。戸田さんに尋ねると、「置き竿が多いんですが、今日のように多少ウネリのある時は、遊動式は船が揺れてもイワシの上下が少なくて良いんじゃないかと思うんですよ」と言う。これが功を奏したようだ。
【動画】浅場に大型が潜む!ヒラメ釣り
出た!4kgオーバーの“大判”!
後半は岸に程近い浅い岩礁地帯を狙った。水深は、深い所で14~15m、浅い所では10mを切った。船長に聞いてみると、「根の中に平らな場所があって、大型の良いポイントになっている」と言う。船長は「9m」、「7m」と水深変化を1m刻みでアナウンスしてくれた。右舷胴の間の浅烏さん、左舷大ドモ戸田さん、右舷ミヨシ長田さんが順調にヒラメを追加。右舷胴の間の墨田区の坂田さんもヒラメを釣り上げて全員が“本命”の顔を見た。最後の流しでは、戸田さんに4.1kg、評判通りの“大判” が上がった。
年明けには“寒ビラメ”本番!初釣りにも絶好!
この日は、0.5~4.1kg(1.5~2kg中心)を1~6匹。竿頭、最大型とも東金市の戸田さん。スズキやイナダも交じり良いお土産になった。
船長に釣り方のコツを聞いてみたところ、「この辺りは根が荒いので根掛かりしてしまうような釣り方はお勧め出来ません。常に1m位底を切って仕掛けがポイントに入った時にちゃんとヒラメが食って来れるように心掛けてください」とのこと。今後については、「毎年、年明けにはイワシの群れが来て、シーズン本番になります。肉厚の“寒ビラメ”になりますので味も最高ですよ」との言葉に胸が高鳴る。大物中心に狙う御宿岩和田港のヒラメ釣り、初釣りにも絶好だ。是非挑戦して頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
料金=1万2,300円(餌・氷付き)
集合=5時(港)
出船=5時30分頃
レンタル=貸し竿(手巻き 無料)
※詳細は問い合わせ
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。