2021年03月01日公開
釣ってしか味わう事の出来ない極上サバをご存じだろうか?厳寒期限定で千葉県・勝浦沖で釣れる「トロサバ」とも称される“寒サバ”だ。1度食べたら病み付き必至の味。これだけでも贅沢なのに、なんと後半はリレーでヤリイカまで釣れる。こちらも卵を持った小ぶりのメスはプリプリで最高の食感。極上の味を求めて勝浦川津港『不動丸』に向かった。
1度食べたら病み付き必至の「トロサバ」
「一番美味しい釣魚はサバ!」と秘かに思っている釣り人は多いのではないだろうか?そんな人気のサバでも一線を画すのが勝浦沖で厳寒期に釣れる“寒サバ”だ。通称「トロサバ」。これは諸々のタイミングが一致する事から成せる業。一つは産卵期を前に体にたっぷりと蓄えた栄養。そしてもう一つが深海のサバが厳寒期に耐えるべく蓄える脂。ただ、この2つだけなら他でもありそうなもの。3つ目の理由は定かでないが勝浦沖の「トロサバ」は更に上を行って特別な味なのだ。そして、もう一つの主役がヤリイカ。シーズン初期はまず小型のメスが産卵で入ってくる。気の毒な気持ちはあるが、このサクサクの食感の子持ちヤリイカは最高に美味だ。
2隻出しの大人気!!
この夢のリレー船を出しているのが千葉県・勝浦川津港の『不動丸』。お膝元らしくポイントまで近く、外房にしては朝が遅めで午前5時集合。この日は2隻出しの人気ぶり。私がお世話になった「第3不動丸」には計8人。その内5人は貸し竿の釣り人。午前5時30分に吉清晃朗船長の操船で出船した。
タックルの選択はヤリイカ中心でOK!
リレー船で使用するオモリは共に150号なのでタックルは共用可能。後半のヤリイカの方が繊細さを要求されるのでむしろヤリイカをメインに選択した方が良い。分けて用意する場合には、サバは多点掛け必至で強烈な引きなので胴がしっかりと強い竿をお勧めしたい。サバの仕掛けは船でも購入可能。8本バリを2つに分けて4本バリにした方がいい。多点掛け必至なので8本では周りとは勿論、手前マツリにつながる。仕掛けを投入すればすぐ釣れるので、手返し重視。仕掛けを事前に購入する場合はハリスの太さに注意しよう。多くの市販のフラッシャーサビキ仕掛けは糸が5号程度だが、これではすぐ切られてしまう。船の仕掛けは幹糸14号のハリス8号だった。
第1投から爆釣!!
前半は「トロサバ」狙い。行程30分ほどでポイントに到着。早くも魚探には色濃い反応が映し出されている。船長の「水深154m。70mから下にサバがいます」のアナウンスでスタート。仕掛けを一斉に投入すると着底を待たずに仕掛けが止まる。同時に竿先がバタバタと小刻みに叩かれる。電動リールの電源を入れると竿が弓なりにズシリとなり、ここからは船上が“戦場”と化す。魚探反応通りに次から次に掛かるので手返しが重要。中型をメインとしながら、時よりイナダと間違えるほどの正真正銘の「トロサバ」も顔を出した。
オマツリ回避のため糸を弛ませない事が重要
兎に角、群れが濃いので釣り方の細かなアドバイスはほぼ要らない。あえて挙げると、アタリがない場合は1回上げてから少しずつ落とし込みの要領で落としていくとアタリが出やすい。そして落ちている最中に仕掛けが止まったらそれ以上落とさない。糸が弛むとサバが走り回ってオマツリのリスクが高まってしまう。アタリが出たら少しテンションを掛けていると追い食いさせる事が出来る。但し、この場合もやりすぎるとオマツリするので適度で上げると良い。
クーラー満杯で後半のヤリイカへ移動
右舷の佐藤さんは早々に50匹を超えてクーラー満杯。船長から「あと30分ぐらいでイカにするから竿出せば?」と言われ、私も慌てて竿を出す。30分一本勝負。効率よく追い食いさせて、約25匹をゲットした。特大の「トロサバ」は交じる程度だったが、小型や中型でも侮るなかれ。びっちりと脂が乗っている。全員が腕に乳酸タップリで後半のヤリイカへ移動となった。
第1投から“本命”ゲット!
ヤリイカはサバと同じ場所にも沢山いるのだが、これではサバの餌食になってしまう。少しでもサバが少ない場所を、そして朝から強めに吹く風を避けるべく浅い場所を探索。水深130mほどのサバの切れ間でスタート。本音では、「ヤリイカは少し苦戦するのでは?」と思っていた。まだシーズン序盤で産卵の為のメスは小型でアタリが分かりにくい。そしてこの日の釣り人は貸し竿の方が多く…等の理由からだ。しかし、この心配は早々に杞憂となり、右船尾の中丸さんに第1投から“本命”が顔を出した。
【動画】極旨の共演!寒サバ・ヤリイカリレー釣り
“パラソル”サイズも交じり出した
中丸さんはコンスタントに釣り続ける。船中でもアタリが続き、撮影に周っている間に早くも桶に10杯近いヤリイカ。ポツリポツリだが“パラソル”サイズの大型のオスも交じった。中には2杯、3杯と多点掛けも。私も竿を出すと第1投から着底と同時に軽い重みを感じる。ほぼ投入の度にアタリ。あたらない場合は20m程上げてまたゆっくりと落とすとズシリ。“パラソル”3点掛けも達成した。
中丸さんはトップの23杯!ヤリイカはこれから最盛期
最終的に中丸さんは23杯のヤリイカを釣り上げた。別船では35杯を上げた方も。これからメスを追いかけて“パラソル”サイズのオスも入って来る。今が最盛期の「トロサバ」が産卵を迎えて下降線に入ると、いよいよヤリイカが最盛期に入る。主役こそ徐々に変わっていくが、どちらも楽しめるサバ・イカ船。是非、出掛けて頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
料金=1万1,000円(氷付き、サバ仕掛け:500円)
集合=5時00分(港)
出船=5時30分頃
沖上がり=11時30分
レンタル=貸し竿セット(電動:2,000円)