千倉白間津港は、南房総・白浜のちょっと東に位置する風光明媚で静かな港。ヤリイカ釣り場の白浜沖は目と鼻の先、20分程で到着。船での長距離移動は結構疲れる方、また、船にあまり自信がない人にも「松大丸」のような大型船で釣り場が近いのは有り難い。集合は駐車場（下記写真と記事末「釣果・施設情報」内の「アクセス」参照）に午前5時20分。時間になると山口一夫船長が軽トラでやって来る。荷物を船着場まで運んで貰い、釣り人は船までのんびり3分程歩く。船では女将の体温チェックなど、コロナ感染拡大防止策もしっかりしている。座席のペットボトルの氷をクーラーに入れて仕度開始だ。

『松大丸』は、貸し竿も完備しているので、道具がなくても楽しめる。仕掛け（数セット）やオモリ（120号と150号を何本かずつ）は、仕掛け図を参考に釣り具店等で事前に調達しておきたい。勿論、船にもあるのでそれを購入しても構わない。この釣りに慣れて来ると仕掛けを結ぶ人が増える傾向にあり、プラヅノの配色などを工夫した自作仕掛けで1度でも多点掛けしたりすると嬉しくてハマるらしい。写真のヨリ取り器具はラインにヨリが入らないようにしてくれる便利グッズ。指サックは糸を手繰る時に滑って摩擦で指を切らないように両手の人差し指にはめる。自分の指の太さにあった物を是非持参して頂きたい。

準備が整い、6時に出船。岸壁で見送ってくれる女将に手を振ると、女将も手を振り返してくれる。北寄りの風が少しそよそよしていたが、前日までのシケとは打って変わって波は静かだ。20分程で釣り場に到着。スピードダウンして魚探でヤリイカの群れを探す。良い反応がすんなり見つかり、「やってみましょう！160m、底の方を狙ってみてください」と船長アナウンス。船はピタリと止まり、皆一斉に朝陽に向かってオモリを投げる。オモリ着底、1シャクリ、2シャクリ、電動リールのスイッチが入り、あちこちで巻き上げのモーター音が響いた。

「5点掛けがありましたよ！」と、船長がアナウンスして皆のやる気を引き出す。今がチャンス！イカ釣りで最も大事なのはタイミングだと言う人もいる。船長の合図でタイミング良く投入するのは勿論、時合いにタイミング良く釣っているのも大事。この辺をしっかり押さえて、多点掛けを連発しよう。5点掛けの釣り人に聞いてみた。「仕掛けを降ろしている途中にヤリイカが乗ってそれ以上沈まなくなって巻き上げたらなんと大型の5点掛けでした。幹糸6号＆ハリス4号の太めの自作仕掛けでトラブルを極力減らし、“時合いを逃さない釣り”を心掛けているのですが、狙い通りでした」と嬉しそう。

“大流し”で手返しよく釣って数を伸ばす！
この日はイカの群れが途切れることはほぼなく、ひと流しで何度も再投入できる“大流し”になった。常連さんの話によると、「少し前までは数は出ても小型が多かったんです。小型はメスですから身が軟らかくて美味しくて、それはそれで良いんですけど。でも今日みたいに大型（オス）がズドンッと乗ってくれると、釣りとしてはやっぱり痛快で面白いですね。良い日に当たりましたよ！」と笑みがこぼれる。私も竿を出すと、何と7本ヅノに大・小のヤリイカがいきなり6点掛け！底で静かに竿を上下して誘ったり、シャクっては巻いてを繰り返して数mタナを探った後に底までストンッと落としたり、そんな釣り方が良かったようだ。

沖上がりの正午までヤリイカは乗り続け、結果、20～50cmを14～71杯！平均40杯と正に“大漁”だった。この日はスルメイカやサバはほとんど交じらなかった。船長は、「今日のイカは平均大きかったですね。数も伸びて、皆さん満足してくれて良かったです。今のヤリイカは、大型は身が厚くて、小型のメスは卵を持っていて、釣っても食べても最も良い時期です。今が“最盛期”ですね。初心者もベテランも安心してお出掛けください。コロナ対策で人数制限していますので釣り座は広いですよ」と笑った。千倉白間津港『松大丸』は、現在、好調のヤリイカ釣りとイワシの泳がせ釣りを出船中、是非お出掛けを！！