釣りビジョン

神奈川県・葉山沖のマルイカ、浅場で絶好釣!竿頭80杯!!

2021年04月28日公開

03_main

技巧的で繊細な釣り味と豊かな食味が魅力のマルイカ(ケンサキイカの幼体)。早くも水深15m前後の浅場で釣れ始めたとの噂を聴き付け、神奈川県の葉山あぶずり港から出船する『長三朗丸』に出掛けた。

釣り座は先着順!

源頼朝が三崎を訪れる際、乗っていた馬の鐙(あぶみ/バイクで言うステップ)が岩に擦れるほど険しかったことがその名の由来となった鐙摺(あぶずり)港。現代は日影茶屋や葉山マリーナが隣接する憩いのエリアだ。横浜横須賀道路・逗子ICより約10分。カーナビには「神奈川県三浦郡葉山町堀内33」と入力すると分かり易い。駐車場のオープンは午前5時過ぎ。あぶずり港の釣船店前から葉山マリーナで折り返す車列に並んで『長三朗丸』の店前に掲示されているクリップボードで希望の席に記名する。駐車場に入ってスタッフに船宿と釣り物を伝えると、停める場所を案内される。受け付けの開始は6時頃。店先で乗船カードを記入し、乗船料を支払う。それが済む頃には船尾が岸壁に寄せられるので、道具を積み込み、釣り座の準備をする。釣り場は近いので仕掛けも組み上げて投入器にセットしておこう。かくして滞りなく出船準備は整い「第18長三朗丸」は定刻より早めに出船した。

名島に“魚影”を捕捉!

出船からわずか数分、赤い鳥居が目印の名島(菜島)に到着。水深は15~20m前後。魚群探知機に反応が映り、石垣玄船長の「どーぞー!」の合図で期待の第1投。最初に竿を曲げたのは大ミヨシ(船首)で竿を出していた栗飯原 有詞 若船長。独特のファイトスタイルで取り込んだのはムギイカ(スルメイカの幼体)。返す刀でマルイカを掛け、船中の釣り人たちが触りを掛けられずに苦しむ中で独走状態。実は取材日の前日、各船宿が深場で苦戦しているさなか、港前で88杯の爆発的な釣果を上げた『長三朗丸』。竿頭は有詞船長だったそうだ。この後もポツリポツリとイカが取り込まれるが非常に難しい釣況。有詞 若船長は「(好釣果だった)昨日も昼まではこんな調子でしたよ」と釣り人たちを励ました。

 

水深40mの釣り場も偵察

反応はあるものの好転しない浅場を見切った玄船長は、オモリを40号に付け替えるようアナウンスして、舳先を亀城(カメキ)根へ向けた。水深40m前後の反応で釣り再開。コチラの群れはフレッシュな個体なのか、これまで掛けられなかった釣り人たちもポツリポツリと釣果を重ねた。一同が感覚を掴んだ頃、再び名島周辺へ戻ることに。水深20mに有望な反応を見つけ、辛抱の釣りから一転、複数の竿が曲がる“時合い”へ突入。「昨日の好釣果はこれか…」と実感するプライムタイムに一同の腕が鳴った。“好釣”は沖上がりまで続き、心地よい疲れと共に沖上がりの時間を迎えた。

船長に訊くマルイカのコツ

この日、マルイカ船の舵を取った石垣玄船長にビギナーへのアドバイスを訊いた。「最初は“直ブラ”が良いでしょうね。この水深ではブランコより直ブラ。直結は最初やらない方がイイ」と船長。ハリスの短い直ブラは捌き易く、アタリも分かり易いのが特徴。沢山釣る人が直結仕掛けでやっているとついつい手を出したくなるが、マルイカ釣りの場数を踏んでアタリを習熟した上で、ある程度釣れるようになるまで直結仕掛けは鬼門だと肝に銘じて置こう。今季のマルイカについて尋ねると「まだちょっと早いんで小さいですが、ゴールデンウィーク明けには大きくなるでしょう」と楽しみな展望。例年7月後半のマグロ・カツオ乗合船がスタートするまで楽しめるとのこと。

【動画】繊細なアタリ!マルイカ釣り

竿頭は怒濤の80杯、群れ濃く今後も期待大!

名島周辺の水深15~25mと、亀城根の水深40m前後を攻略したこの日。竿頭はマシンのように釣りに釣った有詞船長の80杯。次点は清水さん(横浜市)の38杯。3番手は渡辺さん(川崎市)の29杯と足るを知るには充分の釣果。個体が小さくハリ掛かりを見落としてしまうケースも散見したが、魚影の濃さは文句なく、一潮毎に大きくなるマルイカに今後も期待大だ。釣って楽しく、食味はイカ族の中でも上位を争うマルイカ。腕に覚えのあるベテランは武者修行に、ビギナーは浅場でのマルイカ道場として、葉山あぶずり港『長三朗丸』をお薦めしたい。

今回利用した釣り船

神奈川県葉山あぶずり港 『長三朗丸』
〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内33番地
TEL:090-3349-4882
定休日:第1・3・5木曜 釣果・施設情報 長三朗丸 ホームページ

出船データ

マルイカ乗合(予約制)
乗船料金:9,000円(氷別:バケツ1杯300円)
※女性1,000円割引き・高校生以下は2,000円割引き
集合時間:出船1時間~30分前
出船時間:午前7時
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
このライターの他の記事も読む

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部