2021年07月01日公開
今季のイサキは調子がイイ!資源保護の為に地元の自主規制で一人当たりの持ち帰り上限を設ける“規定数(バッグリミット)”。イサキは50匹に定めているケースが多い。「良型ばかりで規定数達成は当たり前」との噂を聴き付け、千葉県・房総半島の先端、洲崎港『佐衛美丸』へと出掛けた。
意外と近いぞ、南房総・洲崎港!
「佐衛美丸」が停泊する洲崎港は、富津館山道路・富山ICからおよそ25分。カーナビは「千葉県館山市洲崎1-228」と入力すれば付近に案内される。都心からおよそ2時間。富津館山道の改装により走り易く走行距離より近く感じられる。集合は午前4時20分。受け付け棟となるコンテナの前に車を停め、乗船料の支払いと乗船名簿の記入を済ませ、氷を受け取る。徒歩1分も掛からない乗船場所へ道具を運び、乗船前準備が整うのを待つ。船長から予約順にコールが掛かるので、乗船して好きな釣り座を選ぶ。コマセ桶や魚桶、付け餌一式が各釣り座に理想的な配置でセットされているのがありがたい。かくして出船準備は滞りなく整い「第12佐衛美丸」は定刻より少し早めに出港した。
「見てください、この反応」有望な魚群発見!
穏やかな海を走ることほんの2、3分。「ハイ、どうぞ。海面から18mでやってください」の合図で期待の1投目。しかし、潮が速過ぎる。すぐさま見切りを付けた船長は移動をアナウンス。10分程走って洲崎沖の水深32mで有望な魚探反応を見つけた。気を取り直して「海面から28mでやってください」の合図で再投入。指示ダナより仕掛け分下までプラビシを沈めてコマセを振り、道糸のマークでタナを揃えるや否や明確なアタリ。船中一番手、滝澤さんが取り込んだのは25cm程のコロコロとしたイサキ。巻き上げを待ったお隣ではトリプルで上がり、手が合う釣り人の魚桶には抱卵したイサキがみるみる充たされて行った。この後も釣り座を問わずアタリは続き、待てば2匹、3匹と追い食いする“好釣”ムード。つくづくこの海域の魚影の濃さに驚かされた。
船長に訊く、イサキ釣りのコツ
イサキ釣りのコツを早川忠信船長に訊いた。「タナでコマセを撒くことです。誘い上げてコマセを撒いたりすると、魚の居ない所で釣りしていることになる。シャクリ上げる釣りをしないことですね」と言う。マダイ釣りのように釣るタナを船中で揃えて群れの反応を固めるのが『佐衛美丸』のスタイル。剣崎や内房でのシャクって泳層を探る釣り方とは異なるので経験者ほど注意が必要だ。「余分な事しない」という言葉に集約する船長。指示ダナをきっちり釣り、タナボケせず船中偏り無く釣果を上げることで、コマセの撒き過ぎも抑えられる。「みんなに釣らせるのは船長の腕だからね」と笑う。船長の言う通り、ビギナーもベテランも手返しや追い食いの技術の差こそあれ、アタリは釣り座を問わず均等にあるのは特筆モノだろう。
【動画】タナ取りと追い食いで!イサキ釣り
ベストシーズン突入、行くなら今!
潮が緩むのを待って朝イチの浅場に入り、30cm以上の良型を上げて釣果を入れ替えたり、水深40mのやや深場で再び数を獲ったりと多彩なポイントを廻ったこの日。みなさん好釣果で規定数達成が船中7割。良型揃いでクーラー満タン、恵比寿顔での沖上がりとなった。「まだやってないトコ、いっぱいあんだ」と言う船長。この“好釣”は当分楽しめそうだ。梅雨ナギで海は穏やか、数・型共に大満足の“抱卵イサキ”。腕に覚えのあるベテランには勿論、ユーモアのある女将さんと常連さんも親切で、コマセ釣りのイロハを身に付けたいビギナーにもお薦めしたい和みの船宿だ。
今回利用した釣り船
出船データ
乗船料金:1万1,000円(コマセ・餌・氷付き)
集合4:20 出船5:00(揃い次第)
※釣り座は予約順(乗船は船長から声が掛かってから)
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他