2021年08月16日公開
マダコ釣りの本場、兵庫県・明石で誕生したエギによるマダコ釣り。2019年、空前のマダコ大発生で東京湾に留まらず関東圏でも一躍メジャーな釣法となった。そして2021年、ブランドフィッシュとして“地ダコ”を推す千葉県・大原港でエギタコの乗合船が満を持してスタート。このビッグウエーブには乗るしかないと、大原港の老舗船宿『長福丸』へと馳せ参じた。
外房・大原で“エギ・タコ”乗り合い始動!
大原港へは首都圏中央連絡自動車道・市原鶴舞ICからおよそ40分。『長福丸』の集合は、港前の“休憩所(いすみ市大原10398-23)”にある窓口カウンターで午前4時までに受け付けを済ませる。タコエギや特製のスナップもここで購入出来るのでお忘れ無く。窓口のオープン前に到着した場合は、カウンターにある船形から席札を取って、釣り座の確保と受け付け用紙のカードに記入を。店前の軽トラックにクーラーや道具箱を積み込んだら、車の鍵を所定のキーハンガーへ預け、竿と乗船券を持って船着場へ。船宿スタッフが軽トラで乗船場所まで荷物を届けてくれるので、氷を受け取って釣り座へ積み込む。受け付け時に渡される乗船券は釣り座で回収され、サービスのおしぼりが配布される。かくして滞りなく出船準備は整い、午前4時10分「第一長福丸」は出船した。
竿入れから乗り順調!
遥か沖合の熱帯低気圧の影響でやや大きめのウネリが渡る中、走ること25分程。太東沖の水深14m、砂礫の海底に所々ツブ根がある釣り場だ。オモリ40号でスタートした。程なくして竿を曲げたのは胴の間、紅一点の小泉さん。まずは頭がリンゴほどのサイズを取り込んだ。同じタイミングでテンヤを小突いていたトモの佐藤さんにも同サイズが。潮がやや速く、水深10~15mという浅場のわりに60号ほどのオモリの方が釣り易い。バリバリ釣れるような派手さはないものの、釣れる根に差し掛かると複数の釣り座で乗りがある順調なペースで、徐々にサイズアップしながら釣果は伸びていった。
焦らず、諦めず、根気良く!
皆さんの釣りを見ていると、この日乗船した方々はそれぞれ結構やり込んでらっしゃる腕利き揃いで、それぞれの小突きのリズムや竿の構え方も様々。ところが潮の具合なのか、釣り場の模様なのか、釣れるタイミングがそれぞれの釣り師にあって、最終的には満遍なく釣れていた。なので、自分だけ釣れていないような気がしてもどうか焦らず、諦めずに、根気の釣りを貫くことをお薦めしたい。また、今回同乗していたタコテンヤでの釣りは、釣り師が多い時や潮の速い時は、エギ釣り師とのオマツリの原因となるので出来ないことがある。船長にテンヤの釣りが出来るか否かの確認をしてから投入するよう心掛けたい。また、テンヤに付けるカニ等の餌は船に用意されていない。あくまでエギタコ船であることを念頭に置いて釣りを楽しみたい。
船長に訊く、“エギタコ”のコツ
大原でスタートした“エギタコ”のコツを、藤井俊輔船長に訊いた。「東京湾でやった時は、ゼロテン(貼らず緩めず)でホワン、ホワンて感じだったんですけど、こっち(外房)でやる時は結構しっかり小突くってイメージかな。底切って、叩いて、切って、叩いて…の方が型が出る」と言う。これが実際にその通りで、オモリを浮かさず張って緩めての繊細な小突きをする東京湾や明石の釣り方とは異なり、オモリを3cmくらいしっかり浮かせて、着底させて、浮かせて、着底…というやや大きめのアクションを付けないとタコが寄って来ず、エギを抱いて来ないことは釣り方の地域差として覚えて置きたい。更に横流し(ドテラ流し)の釣りになるので、オモリは30号から60号、根掛かりでのロストも想定して幅広く、多めに持参したい。また、受け付けや船で購入出来る船長手作りのタコエギ用サルカンが合理的かつ2つ入り300円とお手頃価格なのでお薦め。タコエギも1本400円とプチプライスで販売されているのが嬉しい。根掛かりでアタリ色の手持ちが無くなったら、船長にその色が無いか聴いてみるのが得策だ。
【動画】長福丸・千葉県大原港「エギタコ釣り」
竿頭11杯、ボウズなしの好釣果!
かくして、2kgクラスの良型を頭に竿頭の佐藤さんは11杯。スソ(最低)でも良型3杯と皆さん笑顔の沖上がりとなった。開幕から竿頭は“ツ抜け”達成をキープし、3kg級の大型も上がるなど好調なスタートを切った大原のエギタコ乗り合い。数・型共に、楽しみになるのはまだまだこれから。是非、コロナ対策と熱中症対策を万全に、柔らかくて味が良いと定評の大原ブランド・マダコをお楽しみ頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
集合時間:船宿(休憩所)へ午前4時(変動あり、予約時に要確認を)
出船時間:準備出来次第
乗船料金:1万円(氷付き)
※女性9,000円、小中学生割引きアリ
貸し竿:500円(予約時に確認を)
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他