2021年10月15日公開
東京湾の秋シーズンのお楽しみ、スミイカ(コウイカ)釣りが開幕した。スミイカと言えば「スミイカテンヤ」にシャコをセットして長めのベイトタックルでキャストして探る伝統的な釣りだったが、最近では、餌木でも手軽に釣れるとあって人気が高まった。金沢八景の老舗船宿『弁天屋』からシーズン序盤の模様をレポート。
アクセス
金沢八景へは、電車なら京浜急行・金沢八景駅下車、徒歩5、6分。途中にコンビニも有り便利。車の場合は、横浜横須賀道路・幸浦ICから約10分、朝比奈ICから15分位。到着したら釣り物を告げると駐車場を案内してくれる。船宿に入ったら釣り座の札を取って受け付け。餌木や仕掛け等も状況に合った物を販売、案内してくれるので安心だ。
タックル
タックルは、電車釣行でも苦にならないシンプルで小型。竿はアオリイカ用の1.4m前後、小型両軸リールの組み合わせが好適。中層をシャクッてフォールさせていく“船アオリ”の竿は基本的に5対5、6対4調子の物が多く、アオリイカのバラシ防止にも有効な調子。細かく言うと、スミイカは底に居るイカなので少し先調子があっている。そうなると7対3~8対2がいい。底の状況や細かい触り、フッキングにも効果が有る。“テンヤスミイカ”の調子と同じだ。釣り人の中には“湾フグ”の竿を持ち込んでいる方も。オモリ負荷が15~20号、シャクって掛ける釣りにはベストマッチかもしれない。道糸はPE1.5~2号、先糸はフロロカーボン4、5号を1.5m。糸に力が瞬発的に掛かるので、余り細い糸だとブレイクの可能性も有る。先糸は餌木との絡み防止で必要。餌木はアオリイカ用の2.5号から3号程度。
水深20mラインからスタート
12時30分の定刻に出船。ポイントの中ノ瀬に向かった。航程は約20分。水深20m前後からスタート。一旦中オモリを着底させて1m前後巻き上げる。この時が勘所になる。潮の状況で餌木が底スレスレ、時折着底に位置する事が重要で、底から50cmなのか、70cmなのか、1mなのかを設定する事になる。この細かいタナ取りは先調子の方が分かり易く、餌木が底を引きずる感覚も掴みやすい。1度決めたら一旦シャクリを入れて餌木が底スレスレで安定するのを待つ。基本的にアオリイカは動いて移動して居る物、スミイカは一旦止まった物の触って来る傾向が強い。暫くすると、“湾フグ”仕様の竿を使っていた古川さんが掛けた。手のひらサイズのスミイカが上がる。続いて初挑戦の浅沼さんにヒット。海面で水噴射させながらスミイカが浮上。船長のアドバイスを受けながら無事取り込み、バケツ投入まで無事行えた。周りでもポツリポツリとスミイカが上がる展開になった。
午後船で手軽に楽しめる
『弁天屋』のスミイカ船は午後船。今回は、平日にも関わらず12人の釣り人が集まり、私は撮影に専念し細かく状況を見る事にした。木村船長に話を聞くと「昨年よりは全然いいですよ。トップが10杯超える事も多く、今期は期待出来ますよ」との事。出船前に船長のレクチャーが始まる。初めて“餌木スミイカ”にチャレンジという人も多かった事もあり、掛けてから取り込みの手順、バケツへの入れ方等、可愛いスミイカの人形を使って分かり易く説明してくれた。
【動画】弁天屋・神奈川県金沢八景・スミイカ
「シャクってドスン!」という独特な釣り味は変わらず
中盤は少しサイズアップ。左舷大ドモ(船尾)で連続ヒット。カラーはピンク系だった。餌木のカラーはオレンジ、ピンク系を使っている方が多かったが、その中「白系」、「緑系」、「青系」を使って釣果を伸ばしていたのが竹澤さんと古川さん。竹澤さんは「色々釣りをやりますけれど、スミイカが始まるとこればっかりなんですよ」と話す。見ていると「シャクッた」瞬間の手首が返る「ドスン」の感覚はテンヤにしても餌木にしても変わらず本当に楽しそうで羨ましい。右舷のミヨシ(船首)の佐野さんは餌木を次々に変えてスミイカをゲット。時折マダコも顔を出す展開。後半、小柴沖にポイントを変更。するとサイズアップ。良型スミイカが上がって来た。触りは多い様で潮が上手く流れればヒットに繋がる感じがした。最後に潮が流れてダブルヒットの場面も見られた。午後4時30分に納竿。トップは9杯で2番手が7杯。今年はイカの値段が高騰しているとか、半日にしては十分な釣果だ。一潮(約半月)毎にサイズも大きくなる季節。美味しいスミイカを手軽に狙える東京湾の餌木スミイカ釣り。是非チャレンジしてみては如何だろうか。
今回利用した釣り船
出船データ
出船時間:午後船 12時30分出船
料金 6,200円(氷1つ付き)
※リレー割引有円(餌・氷付き)
駐車場代:500円(1台3人乗り合わせで無料)
※各種レンタル・割引きあり、詳細は船宿確認