2021年11月01日公開
「先々週は、ほとんどが20cmオーバーでしたよ!」と、出船前に常連の釣り人が教えてくれた。神奈川県・三浦半島、長井港『儀兵衛丸』から今年初のカワハギ釣り。真っ白な肝がパンパンに膨らみ、食味も急上昇する季節到来だ。
1日2便出船、“ショートカワハギ”が便利!
『儀兵衛丸』のカワハギ釣りは、いわゆる“ショート”の釣りで、約4時間と時間は短め、その分料金も控えめだ。1日2便、午前7時と11時半(朝9時半までに要電話確認)に出船。この“ショート”は案外便利で、この日も午前あるいは午後から用事があるという釣り人が、7時と11時半を乗り分けて楽しんでいた。そして、2便を“通し”で乗れば、たっぷり堪能できる上に料金はお得になる。他にも様々な割引があるので記事末「料金」を参照。
手強い“おちょぼ口”のカワハギと知恵比べ
カワハギ釣りほど竿やリール、ハリス、ハリ、オモリ、餌などの一から十までに様々な工夫が凝らされる釣りはない。コロコロ変わる生息環境やその日その時の活性に常に対応することで数を稼ぐ釣りという面から、取材日もどんなタックルで臨むか、タックルが変われば釣り方も変わるし、船上では朝の仕度の段階からカワハギとの知恵比べが始まっていた。カワハギは中々手強い“おちょぼ口野郎”だ。絶え間ない試行錯誤が必要で、だからこそゲットした1匹はとても嬉しい。
可愛いサイズながら順調にカワハギをゲット!
定刻に出船。港を出てもさほどスピードは上げずに釣り場に向かう。10分程でスピードダウンして停泊。梶ヶ谷泰宏船長の「はい、やってみましょう、水深は18mです」と言うアナウンスでスタート。早々に左舷ミヨシ(船首)でカワハギが上がった。「ちっちゃいですよ」と謙遜されていたが立派なカワハギだ。お次は同ミヨシ2番、同じ位のサイズ。その後もあちらこちらでポツリポツリと上がった。今は可愛いサイズでも肝がしっかり入っていると言う。しかし、だんだんキタマクラが元気になり、カワハギより先に餌に食い付いてくることが多くなった。
水深24、25mで型の良いカワハギが釣れた!
水深10~30mのあちらこちらの根周りを早めに転々として拾っていく作戦のようだ。傾向としては20m以浅の場所ではアタリは活発だがキタマクラや小ベラが多く、カワハギもポツリポツリ釣れたが、可愛いサイズに18~20cmの良型が交じる感じだった。場所によっては近頃増えているらしいアカハタや30cm級のミノカサゴに竿を絞り込まれて、「大型のカワハギか!?」と翻弄された。この日は、急に冷え込んだせいか全体に活性は低めのよう。しかし、水深24、25mの深めの場所を狙うと、25、26cmの型の良いカワハギが船中数匹釣れた。
午前中用事があったご夫婦と私の3人で11時半も出船
沖上がり時刻間際にそれまで型を見られなかった若い夫婦のご主人も何とか1匹ゲット。しかし、ここでタイムアップとなり帰港。11時半の船も出船。「今日は久し振りに夫婦で釣りに行こうと話していましたが、朝は用事があったので11時半の船に乗りにきました」と言うお2人と私の3人で出船。同じ長井沖だが微妙に違う場所を狙った。船長の引き出しは多い。潮が流れない中、奥さんが見事1匹目をゲット。更にシマダイ(イシダイの幼魚)も釣り上げる。終盤、ご主人もカワハギをゲットして久し振りだと言う夫婦釣行を楽しまれていた。
【動画】儀兵衛丸・神奈川県長井港・カワハギ
長井沖カワハギはそろそろ“肝パン”数釣り本番!
結果、7時船は15~26cmのカワハギを0~6匹(ゼロ1人、6匹3人)。アカハタ、ミノカサゴ、カサゴなどが交じった。11時半船は15~25cmのカワハギを1~4匹。シマダイなど交じった。「今日はちょっと食い渋りましたが、直近までは20cm前後中心にトップは“ツ抜け(10匹以上)”の釣果が続いていました。良い日には30cmや31cmの大型も釣れていましたよ。今のカワハギは小さくてもちゃんと真っ白い肝が入っています。これからもう少し海水温が下がって安定すると本番です。良型の“肝パン”数釣りの季節になります」と船長。そろそろ本番を迎える神奈川県・長井沖のカワハギ釣り、手軽な“ショートカワハギ”で是非挑戦して頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
料金=
一般 5,500円/通しは +3,000円
女性・高校生 5,000円/通しは +3,000円
中学生以下 3,500円/通しは +2,500円
男女ペア 1万円/通しは +6,000円
親子ペア 8,000円/通しは +5,000円(子供は中学生まで)
※餌別・氷付き
出船=7時(沖上がり11時)/11時半(沖上がり15時半)
レンタル(手巻き貸し竿・ライフジャケット・長靴)=無料
駐車場=あり
※詳細は問い合わせ
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。