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東京・下町、深川の船宿から、“水雷竿”のハゼ釣り会!

2021年12月08日公開

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江戸和竿、200年余りの歴史を持ち、東京都の伝統工芸にも指定されている。中でも全長1m程(基本4尺=約1.2m=以下)の短い竿は“水雷竿”と呼ばれる。例年、晩秋から初冬にこの竿のみを使って隅田川のハゼを狙う究極の釣り大会が行われる。2021年11月28日、その「水雷会」に参加した。

東京都の伝統工芸士、江戸和竿師・竿中師匠

2021年3月、「東京都の伝統工芸士」として認定を受けた江戸和竿師・竿中師匠こと中台泰夫さん。今年で竿師になって45年を迎える『竿中工房』の当主である。その竿中師匠を中心に有志が集まって企画されたのが、普段は出番が少ない“水雷竿”でハゼ釣りを楽しむ会が「水雷会」である。

釣り場は隅田川河口近くの朝潮運河

この日の朝、気温は6℃、随分と寒くなって来た。そんな中で集まった16人は東京・下町、深川の船宿から出船。釣り場まで僅か7、8分の隅田川河口近くの朝潮運河へ。同船宿の僚船2隻共に高層マンション立ち並ぶ月島界隈をバックに水深3m前後から釣り始めた。隅田川は、江戸の昔は「大川」と呼ばれ、そこで釣れるハゼは日本一!と言われる程味がよく、現代でも江戸前天ぷらの「最高峰のネタ」として知られている。

 

腕に覚えの強者揃い!

気温、水温が下がるこの時期のハゼは、独特の“乗り”でアタリを取るスタイルが主流となる。「夏ハゼ」の延長線上である晩夏、秋のような強烈なアタリは滅多に来ない。しかし、この日の乗船者の大半は腕に覚えの強者揃い。各自それぞれの誘い方で釣りに集中している。勿論、使用する竿は『竿中』特注の“水雷竿”が居並んでいた。ベテラン諸氏のアタリの取り方は“沈黙のワンフィンガー誘い”、“ハニーキラー誘い”、“9/1の誘い”、“酔拳誘い”等々と枚挙にいとまがない。

トップ151匹の好成績!

前半は絶好調だったが、昼の潮変わりに若干食いが渋くなった。そこで船は、豊洲運河へ移動したが、そこでは再び好調に釣り続け、トップの釣果151匹の好成績は流石。束越え(100匹以上)も3人出た。初参加の女性も健闘し、参加者の笑い声も高らかに初冬のお江戸の空に響き渡っていた。

タックル、仕掛け

“水雷竿”使用。オモリ3、4号、袖バリ5~7号、青イソメ餌。現代版「大都会隠居術」夢枕獏著。の実践と言える“大川”でのハゼ釣り。年末までのシーズン中に出掛けてみては如何だろう。※乗合船も出ている。

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この記事を書いたライター

鯨谷 マグロー
伝統とイノベーション、また和と現代との融合を提唱する探究者も「釣りたい病」には勝てない。五代目「芝おかめ鮨」店主にして釣欲と食欲には目がない。永遠の夏休み+愛を胸に秘める。
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