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初めての海釣り公園でカワハギ狙い。自己流〝ゼロテン釣法〟に開眼!【大阪湾】

2024年12月28日公開

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釣り歴は40年以上だが、そういえば海釣り公園には行った記憶がない。そんな哀れな語り部(←筆者のことです)が、岸からのカワハギを求めて、大阪湾南部にある「とっとパーク小島」に行ってみた。

遊漁船で自信をつけた語り部。カワハギは岸からも釣れる?

最初は福井の漁港でカワハギを釣るつもりだった。滋賀の自宅から一般道で1時間15分くらいの距離なので、近くてお金があまりかからないから。しかし、最近何度か別のターゲット狙いで福井に行ったのだが、なんとなく・・・12月にカワハギが釣れる気がしないのだ。

語り部がよく行くバスキャッチ&アングラーズ堅田店のスタッフ・中村さんに相談すると・・・。

中村「カワハギなら福井よりも大阪湾の方がいいと思います。10月に行ったときには他の釣りもしつつ何匹か釣れましたよ」

とのこと。なので、中村さんのおすすめで大阪府岬町にある「とっとパーク小島」という海釣り公園に行くことにした。

ちなみに、カワハギ釣りは人生2回目。初体験は今年の11月半ばに和歌山県加太の遊漁船に乗ったとき。そのときは14尾釣って竿頭だった。とっとパーク小島は加太から近いので、釣れそうな気もしていた。

公共事業を釣りに再利用、とっとパーク小島の興味深い成り立ち

滋賀の自宅から高速道路を使って、2時間20分。大阪と和歌山の県境にある「とっとパーク小島」についたのが朝6時40分。まずは整理券をもらう。この時期の開園時間は7時なので、それまでに仕掛けとエサを付近の釣り具店で購入することにした(一旦、整理券は返却した)。

「とっとパーク小島」は株式会社小島フィッシングが運営する、海釣り公園。巨大な桟橋が岸から沖まで突き出している。釣りのためにこんな施設を作る許可をよく日本の行政が出したな・・・と思っていたのだが、入り口の説明を読むと、どうやらこの桟橋は関西国際空港の工事のために岬町の山を切り崩し、その土砂を台船に乗せて運ぶ際に使われていたとのこと。空港の建設終了後、桟橋は解体せずに残し、釣り桟橋としてリニューアルされることになったという。

いろいろ準備してから7時15分に入園した。予想していたよりずっと大きな施設である。入り口から桟橋の先端まで、Googleマップで見る限りおよそ400mはありそう。荷物が多い人はカートがあった方が絶対に楽。釣り桟橋に降りるまでに食堂(現在は弁当販売のみ)や釣り具の売店、トイレなども完備した建物もある。

釣り桟橋に降りると両サイドに分かれ、ひとり分ずつ、細かくスペース分けされている。とりあえず、適当に釣り座を決めて、いよいよカワハギ釣り開始!

 

用意したアサリの状態が微妙…エサは重要だ

まずは桟橋のわりと先端の方、大阪側に釣り座を構えた。釣具屋さんで買った仕掛けにアサリをセット・・・しようと思ったのだが、どうもこのエサのアサリの状態がイマイチ。先月遊漁船で使ったアサリは粒がしっかりとして硬さがあったのだが、今回、現地付近で買ったエサは最初から水管やワタが崩れてバラバラだったりで・・・エサ付けからして難しい。なんとかハリにセットして投入するのだが、アサリが柔らか過ぎて投入時に水面でハリから外れてしまうという事態も頻発した。

それでも序盤からアタリはある。しかし、釣れるのはフグやベラ・・・。それも、開始から30分ほどだけで、その後はアタリすらまばらというありさま。ちなみに、とっとパーク小島のwebページの「月別楽しめる魚種」を確認したところ、カワハギは7~11月は○だが、12月は▲だった・・・。

例のアサリは釣っていても極めてエサ持ちが悪く、もしかしたら一度解凍されて傷んだエサかもしれない・・・という疑念を持ちながら釣りをしていた。

あまりにも釣れないので、11時になったころに場所を和歌山側に変え、周りの人の釣果を偵察することにした。すると・・・ふたりだけカワハギを釣っている人がいて、いずれもエサはアオイソメだという。それぞれ2尾と1尾だけだが・・・ゼロとの差は計り知れないほど大きい。

迷わず、売店でアオイソメとカツカレーを買ったこの哀れな語り部。この後、逆襲が始まる・・・のだろうか?

アオイソメに変えた瞬間、本命がヒット!

潮風に吹かれながらカツカレーを完食し、仕掛けにアオイソメをセットした語り部。水深25mまで落としてから、少しポーズ。オモリを少し持ち上げてからラインを一瞬フケさせ、また少し持ち上げる・・・を繰り返してアタリを待つ。

すると・・・なんとアオイソメに変えた1投目にあの独特のアタリ! すぐにアワセをくれて巻き始める。おお、これは・・・カワハギの引きに間違いない! 30回ほどリールのハンドルを巻いて上がってきたのは・・・やっぱりカワハギだった。

やったぜ!やっと記事が書ける・・・(最近はエギング、アジングとセルフ取材に行ってもオデコになってしまい、記事にできない釣行が続いていたので、これはうれしかった)。さらに、次の1投ではサンバソウ(イシダイの幼魚)も釣れた。

やっぱりエサは大事だ。正直、さっきまで使っていたあのアサリでは釣りになっていなかったよな…。

と思ったが、釣りはそんなに甘くはない。それからまた釣れない時間が続く。

14時半ごろ、ついにアオイソメが底をついた。

さて、どうするか…?

新しい釣り方を見つけた!と思ったら・・・

この時期のとっとパーク小島は18時まで営業しているのだが、暗くなっても釣りができる準備はしていない。片付けも考えるとせいぜい16時半までといったとこだろう。

できて、あと2時間。ここで納竿とするか、500円で追加のアオイソメを買うか悩んだが・・・他の諸経費を考えれば500円で2時間釣りができるなら安いもの。握りしめた500円玉をはらたいらさんに全額ベットする思いで(古い)アオイソメを買った。

そして、先ほどのエサ切れ前に、とある方法でアタリが出やすいことに気がついていた。それを試してみよう。すると、満潮上げ止まりの15時すぎ、待望のカワハギっぽいあのアタリと引き! ようやく2尾目を追加することができた。

さて、どんな方法でアタリが出たのかこっそり教えよう。仕掛けが着底したら、いつものように持ち上げて落とすを3~5回ほど繰り返す。そのあとに、ラインをまっすぐにして、なおかつ、テンションを張っていない状態をしばらくキープする。すると、ブルブルブルとかコンコンとか明確なアタリが出るのである。

カメラマンにも同じようにやってもらったら、1尾釣ってくれた。よし、どんどん行こう。また、カワハギっぽいアタリと引きの魚が語り部に掛かったが、今度はバレてしまった。

ああ、もう時間がない。日没とともにまったくエサが喰われなくなり、ここでギブアップ。まあ、初めての海釣り公園で初めて岸(?)からカワハギを狙ったことを思えば悪くないだろう。

家に帰って、カワハギ釣りについて少し調べると・・・自分で考案したと思ったあの釣り方は「ゼロテン釣法」と呼ばれていて有名だそうな・・・。まあ、40年も釣りをしていればよくあることだ。こういうのを個人的には「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ現象」と呼んでいるが・・・それはまあ、いいか。

施設等情報

海釣り公園とっとパーク小島
〒599-0314 大阪府泉南郡岬町多奈川小島455-1
TEL:072-447-5126 海釣り公園とっとパーク小島ホームページ

施設等関連情報

営業時間:6:00~20:00(3~11月)、7:00~18:00(12~2月)
休園日:金曜日(祝日は開園)、12月31日~1月2日
利用料金(終日):大人1,500円、障がい者手帳をお持ちの方900円、小中学生750円、障がい者手帳をお持ちの小中学生450円
イブニング料金(15時以降の入場):大人1,000円、障がい者手帳をお持ちの方600円、小中学生500円、障がい者手帳をお持ちの小中学生300円
公共交通機関:南海多奈川線多奈川駅下車、岬町コミュニティバスで10分、「海釣り公園とっとパーク小島」下車
車:阪和道泉南インターから約36分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。
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