2025年01月30日公開
年末に千葉の実家に帰省していたこの哀れな語り部(←筆者のことです)。何年か前にマイワシが爆釣したのを思い出し、今回も狙ってみたところ・・・意外な大物たちが連発!
5年前の思い出を当てにしてクーラー満タンのイワシを狙う
前編集長「年末に里帰りするんだろ? 千葉でなんか釣りの記事できないか?」
語り部「うーん・・・何年か前ですけど、12月末にイワシが爆釣れして1~2時間でクーラーボックスがパンパンになったことがあるので、それはどうですか?」
前編集長「クーラーパンパンはいいね! でも、そんなに釣れるのか?」
語り部「釣りなんで絶対はありませんが、可能性はあると思います」
・・・ということで、年末のイワシ爆釣をテーマということで決定。さらに、釣ったイワシを泳がせてヒラメでも狙ってみよう・・・という算段だ。滋賀で仕掛けを買い揃え、車で千葉へと帰省した。
そして、12月29日。何年か前に爆釣したフィッシャリーナ鴨川へと行ってみた。あのときは夕方だったので、昼過ぎには現場に到着。堤防にはずらりと人が並んでいるが・・・どうも釣れている様子はない。これはまだ魚が回ってきていないのかも・・・と自分に言い聞かせながら道具を準備、サビキ釣りを開始した。
よさげな港を見つけたが・・・駐車場がない!?
フィッシャリーナ鴨川で2時間近くサビキ釣りをしたが、まるでアタリがない。一度だけ小魚の群れが入ってきたのだが、サビキに反応しなかったのできっとイワシでもアジでもないだろう。ずっと撒き餌を打ち続けている延べ竿軍団もひとりとして釣れていない。さすがにこれはダメだろうと移動を決意した。ちなみに、その後立ち寄った近所の釣具店で話を聞くと・・・。
釣具店「ああ、5年前の12月にイワシの爆釣、そんなこともあったね!でもあれ以来そんな話は聞いたことがないね」
なんと、あのときはたまたま奇跡に当たっただけだったようだ。とはいえ、このまま手ぶらで帰る語り部ではない。実家のある九十九里までの帰り道、よさげな堤防をネットと目視の両方で探しながら走った。すると・・・なんとなく釣れそうな雰囲気(根拠はない)の、とある港が目に入った。堤防で釣りをしている人が何人かいたので見に行ってみると・・・なんか釣れているぞ。
釣り人A「キスが少し釣れてますね。港の内側の堤防なら夕方からアジが入ってくるんじゃないかな?」
おお、爆釣には程遠いが、悪くない感触だ。今日はここで心中することにしよう!・・・しかしながら、どこを探しても一般の釣り人が駐車できる場所が見当たらないのだけど・・・釣りをしている人はどこに停めているんだろう?
釣り人A「僕は有料の駐車場に停めているんです。ここから山へ続く細い道を行ったところに500円で停められるところがあるんです。でも遠いですよ。あ、あの家なら1,000円で停められますよ」
空港や競馬場の近くの民家が庭を駐車場として貸すかのように、ここでは釣り人向けに一般家庭が駐車場を有料で貸しているようだ。お金がかかるのか・・・とも思ったが、駐車場代金を払ってまで釣りをしている人が何人もいるということはそれだけの価値がある釣り場だということ。私は都合よく解釈し、1,000円を支払って止めさせてもらうことにした。なお、外にある流し台を貸してもらえて、釣った魚を捌くこともできるようだ。
さあ、今度こそ釣るぞ!
生き餌に喰いついたモンスターの正体とは?
鈴木さん宅に車を停めて、名も知れぬ港で早速釣りをすることにしたこの哀れな語り部。狙いはズバリ、アジだ。港の出入り口に近い、堤防の先端方向へと歩いていく。駐車場の問題のせいか、あまり釣り人は多くない。釣り座を構えて、いざ、サビキ釣りを開始した。
しかし、ここでもすぐにはアタリが出ない。やはりアジは暗くなってからだろうなと思っていたら、突然、グングンッという感触!これは…アジか!?上がってきたのは…なんだこれ?マダイのような色だけど、タイではないし、メバルでもない。これは卵胎生で知られる魚、ウミタナゴだ。アジではないが、せっかくなので泳がせてヒラメを狙うことにした。アジもそのうち釣れるだろう。
と思ったが、アジのアタリが全然ないまま暗くなってしまった。今日はダメか、と思いかけたそのとき!忘れかけていたウミタナゴの泳がせ釣りのサオがグングンと深くお辞儀をしているではないか!特大のヒラメが来たか!?サオを持って、巻き合わせをすると・・・乗った!そして、めっちゃ重い。大きなヒラメが底に張り付いたかのような抵抗を感じる。やっぱりヒラメなのか。そう思ったのも束の間。グングンと大きく首を振り始めた。これは残念ながらヒラメの引きではない。ということは・・・。走られては寄せてを繰り返し、ドラグを使いながら時間をかけて謎の大物とファイトすること数分。ついに、水面まで浮上させることに成功!
現れたのは・・・うぉ、でっかいサメだ!
しかし、ランディングネットは鈴木さん宅に停めた車に忘れていることに気づくこの哀れな語り部。道糸はPE1.5号、リーダーはフロロ4号、ハリは本流トラウト用のルアー用マスバリなので・・・抜き上げるのは絶対に無理。近くで釣りをされていた方にお願いして、ネットを借りることにした。しかし、そのネットが残念なことに小さく、しかも少し壊れていた。全壊させてしまう恐れが高いと判断し、泣く泣くお返しすることに。すると、その親切な釣り人がランディングを手伝ってくれるという。
釣り人B「頭が入ればたぶん上げられると思います。やってみましょう!」
お言葉に甘え、サメの上半身(?)をネットに入れて、まっすぐ抜きあげてもらう。よっしゃ、なんとか上がった!測ってみると130cm、おそらくドチザメだろう。堤防に上げられたサメはまだ暴れる力を残していた。語り部が尻尾を掴むと、もんどり打つように腕を噛みつこうとしてきたではないか。危ねえ!尻ビレと胸ビレのあたりを持ってなんとか撮影を終え、リリースした。
さて、サメとのファイト中、無数の小魚がサメに群がってきていたのだ。アジだとは思えないが、最後にその魚を釣ってみよう。ヒイカか、と期待しつつサビキで引っ掛けると、大阪の「とっとパーク小島」でもたくさん釣った馴染みのコモンフグだった。チッ・・・。
大晦日、2024年最後の釣行! 釣れたのは・・・最長の魚
サメを釣った翌日の12月30日。実家近くに住まわれている有名ルアーデザイナーの二宮正樹さんのところへ遊びに行ったこの哀れな語り部。その際にカマス狙いのルアー、キー・パプースをもらったので、また鴨川へ行くことにした。
今度は、カマスが釣れているという情報のあった鴨川漁港の方である。朝から堤防にはズラリとカマス狙いのルアーマンが並んでいるが、釣れているのは堤防の先端にいる2人くらいで、どうも他の場所では難しい状況っぽい。ここで懲りもせずアジ狙いのサビキをやってみたこの哀れな語り部。すると、すぐにゴン!というアタリが。今度こそアジだ!とりあえず、この1尾を泳がせてみることにした。
その後サビキにも全然アタリがないし、カマスも釣れないので、そろそろ帰ろうかと泳がせ仕掛けを回収することに。あれ、根掛かったかな?・・・と思ったそれがグネグネと動き出したではないか。魚だ。しかし、どう考えてもこれはヒラメの引きではない。嫌な予感しかしなかったが、寄せてみると・・・お前か・・・。これまたでっかいダイナンウミヘビだった。測ってはいないが、まあ間違いなく130cm以上あっただろう。
この2日間、2024年に釣った魚の最重量記録と最長記録を、いずれも狙ってない魚で更新することになった。どうも語り部自身が「怪」なる魚を呼び寄せてしまっているような気がしてならない。