2021年12月27日公開
ヒラマサ釣りの世界記録(IGFA認定)をご存じだろうか?なんと今回取材した千葉県・大原港『山正丸』で釣れた49.5kg(全長170cm)だそうだ。さぞかし“硬派”な船宿だろうと思われるかもしれないが、実は“ビギナーにも優しい船宿”として定評がある。外房・大原の海へロマンを求めて出掛けた。
午前船は船着場に5時集合
出掛けたのは12月中旬。首都圏から大原港へは、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)利用が便利だ。「市原鶴舞IC」で降りて、夜間などの空いている時間帯なら一般道を約1時間程で着くはずだ。駐車エリアは記事末の「山正丸 ホームページ」の「道路案内図」を参照。集合は午前5時、余裕を持って着いて船着場のコンテナに貼られた「座席ボード」で釣り座を確保し、山口徹船長の到着を待つ。折しもふたご座流星群がピークを迎え、港内に気嵐が立ちこめるほど冷え込みの厳しい朝だった。
浅場では100g前後、深場では150g前後のジグ
上乗りの松原さんに使用タックルを教えて貰った。「今のところキャスティングよりジギングが好調です。ラインはPE3号でいいと思います。狙う水深は30〜40mが多く150g前後のジグを多用しますが、潮流によってはもっと重いジグも使います。キャスティングもできる水深20m前後のポイントでは100g前後のジグが使いやすいですね。キャスティングはラインがPE4〜6号。もし大物が掛かったら潜られて根ズレで切られないように頑張ってください!」。
朝一番の時合でいきなりヒラマサがヒット!
この日は5時40分出船。空には霧がかかっていた。見上げていると、時折ふたご座流星群の閃光が霧に滲んだ。急いでこの日の“大漁”を願った。航程40分程で釣り場に到着。船長の「始めてください。真下の水深は25、26m、浅くなって、40mくらいまで深くなります」というアナウンスで開始。水深が変化すると、「22m、根の上を流れています」、暫くして、「根掛かりに注意して、25m」という具合に船長が教えてくれる。「深くなります」というアナウンスの直後だった。左舷大ドモ(船尾)の小野さんの竿が曲がった!上乗りの松原さんが飛んできて、「煽らないでただ巻くだけでいいですよ」とアドバイス。無事に取り込まれたヒラマサは、全長58cm、叉長(さちょう:尻尾の股までの長さ)53cm、背ビレの付け根にタグを埋め込み、記念撮影後にリリースした。
ミヨシ!大ドモ!ダブルヒット!で、ヒラマサ乱舞!
そうこうしている内に船中2匹目が左舷ミヨシ(船首)の高田さんにヒット!ファイトシーンは撮れなかったが、このヒラマサがこの日最大の全長82cm、叉長74cmの良型だった。更に福島県いわき市から『釣具店トビヌケ』の石山さんと一緒に遠征して来られた豆さんがヒラマサをゲットしてタグ&リリース!先程の高田さんが2匹目のヒラマサを掛けて無事ランディング。船長から「後ろでダブルヒット!」と呼ばれて、慌てて右舷トモに駆け付けた。大ドモの三科さんとトモ2番の廣神さんがファイト中。「どっちを撮ったら良いんだ!?」と迷いながらも、まずは朝陽バックの廣神さんにカメラを向けた。魚が上がったのは三科さんが先。どちらもヒラマサだった。
右舷大ドモの三科さんの竿が再び曲がった。「今回久し振りの釣りです」とのことだったが、ルアーや釣り方が魚に気に入られると立て続けにヒットするようだ。ルアーの種類や釣り方の引き出しのバリエーションが多い人ほどチャンスも多いと言えそうだ。最後は左舷胴の間(中央)のベテランの菊池さんに。全長71cm、叉長64cmだったが、体高がある立派なヒラマサで長さ以上に大きく見えた。終盤に浅場を攻め、キャスティングで大物を狙うも不発。諦めずにジグをシャクり続けた左舷ミヨシ2番の人にイナダがヒットしたところで納竿時間となった。
ベイトが回遊し始め、今後は大型の“寒ブリ”も有望!
結果、ヒラマサは0〜2匹。頭は2人、船中9人で8匹。ワラサ・サンパク・イナダ、スマガツオ交じり。この日釣れたヒラマサは全てタグ&リリースされた。イナダなどの持ち帰った魚は上乗りの松原さんが血抜きと神経締めの完璧な処理をしてから氷とともにクーラーに。山口徹船長に今後の展望を聞くと、「サンマやイワシの群れが見られるようになって来ています。これを追って毎年大型のヒラマサやブリも回遊します。時期的にはそろそろ“寒ブリ”の季節なので、これからが楽しみです」とのこと。外房・大原のルアー・ヒラマサは良型が好調!今後はブリ・ワラサも有望!ぜひチャレンジして頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
午前船
料金=11,000円(氷付き)
集合=午前5時
出船=集まり次第
午後船
料金=10,000円(氷付き)
集合=11時30分
出船=12時頃
レンタル=ジギングロッド(リール・メインライン付、2,000円)
※詳細は問い合わせ
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。