2022年05月16日公開
食通でなくともその名を知られている高級魚“ノドグロ”。標準和名は“アカムツ”だが、その食味は絶品だ。茨城県・波崎港の老舗船宿『仁徳丸』が、現在狙っている犬吠埼沖は、釣り場開拓が進んで釣果安定。40cmオーバーの良型も多いと聞き出掛けてみた。
午前4時までに港に集合、準備出来次第出船
波崎港は、利根川河口の茨城県側に位置する漁港で、東関東自動車道(東関道)・潮来IC利用が便利だ。駐車場は港に停泊する「仁徳丸」前で、目印の看板(写真)の手前と奥の2カ所にある。予約乗り合い制で午前4時までに集合(準備出来次第出船)だが、釣り座は早い順、軽トラで受け付け、手指の消毒等、乗船名簿記入、支払いを済ませ、餌の冷凍ホタルイカを貰って船に乗り込む(氷は船に用意)。この日は集合が早かった為3時30分に出船。出船後は貴重品等を持ってキャビン等で過ごし、6時過ぎに釣り場に到着した。
ハリ数は2本まで、オモリは鉛200号に統一
出船前の準備は、竿に道糸を通し、キーパーを船縁に取り付けるところまで。移動中は破損防止のため、写真のように竿をキーパーに縛っておく。仕掛けのハリ数は2本まで。『仁徳丸』特製仕掛けを船で購入可(セットは釣り場到着後で間に合う)。オモリは鉛製200号(鉄製等はNG)に統一。餌は支給のホタルイカの他、ほぼ全員がサバの切り身などを持参。まずサバをハリにチョン掛けし、更に筒を取り去ったホタルイカのワタ付きゲソの頭部の硬い所をハリに刺す(写真参照)。ハリのチモトにボール等を付ける人も多い。
いきなり丸々太った45cm級のアカムツが上がった!
釣り場に到着すると、三橋正幸船長から「準備を始めてください」とアナウンス。魚探で群れを探索し6時20分にスタート。「ハイ、どうぞ。投入は竿先の方にオモリを投げてください。水深250m。サバが掛かったらすぐ上げて、次の投入まで待っていてください」。このポイントは前日絶好調だった場所とのこと。だが、この日は“二枚潮”で尚かつ流れが速いという悪条件に見舞われた。サバが掛かるとオマツリ多発、“本命”のアタリは遠いという悔しい時間が流れた。が、左舷胴の間(中央)で上がった船中1匹目のアカムツは丸々太った45cm級の立派な魚体!船内に再び活気が戻った。
良型多発で取り込むまで気が抜けない!
この大型を皮切りにポツリポツリとアカムツが釣れるようになり、型も35~40cmの良型ばかり。後半はポイントを大きく移動し、水深150m前後の“浅場”狙いとなった。一般に深場は大型が多く浅場は型が小さいとされているようだ。が、このところは水深に関係なく、35~40cm級中心に40~45cm級の大型も交じっているとのこと。潮がトロリと流れる時間帯(時合い)には船中あちらこちらでアカムツが浮上。掛かれば型が良いので巻き上げから取り込みまで気が抜けない。上乗りの女性スタッフのタモに無事納まると歓声が上がった。
【動画】仁徳丸・茨城県波崎港・アカムツ
いい日には制限匹数8匹達成!!
この日の釣果は26~45cmのアカムツがちょっと控えめに0~3匹。竿頭2人、左舷ミヨシ(船首)の宇都宮市の渡辺さんと同市山中さん。どちらも10年以上のキャリアの持ち主で、常に竿頭を競う腕前。釣り方のコツを聞いてみると、「オモリを底に着けて道糸を張る“ゼロテンション”で狙うが、捨て糸の長さを変えるなどして、アカムツが釣れるタナを常に探しながら釣るのがコツ」と言う。今期のアカムツについて船長に聞いてみると、「“二枚潮”が直れば、良型中心に制限匹数8匹が複数人出たり、全員型を見る日もあり-と好調が続くでしょう。7月から始まる波崎沖のカンネコ根のアカムツも期待十分。今後が益々楽しみです」。好調の波崎港発のアカムツ釣り、是非、挑戦して頂きたい。
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。