2022年07月25日公開
オニカサゴという魚、スーパーや鮮魚店では滅多に見かけないが、高級料理店や釣り人にとっては言わずと知れた高級魚だ。釣って楽しく食べて美味しい!オニカサゴを通年狙い、大型を良く釣らせると評判の千葉県・外房、大原港『力漁丸』に出掛けた。
2kg級2匹を含む船中30匹の大漁も!
取材日は6月30日。集合は船着場に午前3時30分。船長と若船長、大女将も同時刻に軽トラで到着して受け付け開始。中井聡船長に、オニカサゴにとって今はどんな時期なのか聞いてみた。「オニカサゴは通年釣れる魚ですが、夏だから季節外れと言うわけではなく、むしろ産卵前で大きい個体が釣れる傾向にあります。実際、先週6月23日には“赤ゴジラ”2匹を含む1kg絡み主体に船中30匹、トップ4匹が2人、全員型見る、という“完璧”とも言える釣果がありました!(※2kg以上のオニカサゴは、そのド迫力の風貌から『力漁丸』では“赤ゴジラ”と呼ばれる)」。出船準備完了次第出船、この日は4時10分頃舫を解いた。
オモリ200号の片テン2、3本バリ仕掛け
仕掛けは、オモリ200号の片テン2、3本バリ。枝バリには親子サルカンを使い、目立つように夜光玉を付ける。竿は胴の強い7:3調子などが良く、専用ロッドがなければ“泳がせ”やイカ用などを流用可。リールは中型の電動(貸し竿あり)。船長は、「テンビンは大きくて硬いのが良いよ。小さいと手前マツリしやすいから」とのこと。また、ベテラン釣り人の方からは、「この所、サメが多くて切られたり、危ないから海面で切ったり、ハリの消耗が激しい。そう言う時は枝バリの予備を多めに用意してハリスごと交換するのがラク」と教わった。
餌のサバを釣ってから本番オニカサゴに切り替える
「力漁丸」は、朝焼けの海へと滑り出した。まずは餌のサバを釣る。「上から75m」というアナウンスで、フラッシャーサビキ(ハリス8~10号7、8本バリ、釣り人持参)投入。竿とオモリはオニカサゴと共用。しかし、サバのご機嫌が悪い。船長は、「潮が濁っている」と言う。自然相手だ。時にはこんなこともある。だから、船には餌が常備されているし、釣り人も自前の餌(後述参照)を持参。「オニカサゴに切り替えましょう。水深170m」。本番開始も濁り潮&流れがほぼなく、“サメ時々ユメカサゴ”状態。しかし、本番開始から1時間半、ついに1.5kg級のオニカサゴが右舷大ドモ(船尾)で浮上!「やったーっ!」と思わず声がでた。
好調の餌はコレ!船長直伝のコツを紹介!
船には定番のサバとイイダコの2種類の餌が用意されている(イイダコは有料)。釣り人もサバはもちろん各自思い思いの餌を持参していた。冒頭に書いた6月23日はアナゴが“特餌”だったとのこと。このところ、サバ、イイダコ、アナゴが好調。サバは写真のように切り、回転しないようにちょん掛けに。大型狙いなので大きな餌を使用(小型はリリース)。船長に釣り方のコツを聞くと、「着底したらオモリを50cm程持ち上げ、頻繁に底を取り直し、アタリがあったら強く合わせる。バレても落とし直せばまた食って来ます。巻き上げ途中暴れを慎重かつ大胆にいなして、取り込みはタモで掬ってください」とのこと。
【動画】力漁丸・千葉県大原港・オニカサゴ
実は夏が好機!大型が釣れる季節!
「水深120m!」と船長。右舷ミヨシ(船首)で1kgオーバーのオニカサゴが上がった。難しい条件での貴重な1匹!素晴らしい。左舷大ドモにカメラを向けると竿が曲がっている。こちらも1kgオーバーのオニカサゴだった。調子が上がって来たと思われたが、残念ながら沖上がり時刻の11時となった。
船長に夏のオニカサゴについて尋ねると、「これから産卵期なので実は今が一番大型が釣れる季節なんです。魚の活性は海次第だし運もありますが、ヒラメ解禁まではオニカサゴ中心に出船しますので、暫くはチャンスです。初挑戦でも大物ゲットもあり得ますよ。是非遊びに来てください」とのこと。チャンスはまだまだこれからだ。
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。