2022年08月15日公開
7月下旬、ブラウントラウトとの出会いを求めて、北海道・十勝地方の士幌(しほろ)川へ。この川は規模が小さめで、流域全体を歩き回りながら釣りを楽しむことが出来る。数日前に土砂降りがあり、その影響が残っているだろうか?若干の不安を抱えながら車を走らせた。
士幌川と言えば、何と言ってもブラウントラウト!
士幌川は河東郡上士幌町を水源に、十勝平野を南に流れて、十勝川温泉付近で本流の十勝川に合流する1級河川だ。帯広市から車で30分程度。近郊のお手軽釣り場と言えるかもしれない。この士幌川と言えば、やはりブラウントラウトなのだ。士幌川の支流、伊忽保(いこっぽ)川と併せて、“ブランド化”されているといっても過言ではない。地元ではかなり有名なエリアである。
流域全体に言えることだが、よい悪いは別にして、流域は深みが少なく、全体的にフラットな印象がある。落差工が何ヵ所かあるのだがそこまでの規模ではない。そのため、ウェーディングしやすく、あらゆるポイントを探れる楽しさがある。ボサや倒木も豊富なので、技術を磨きたい上級者は勿論、落差工を巡りながら、のんびり釣りを楽しみたいビギナーにもお勧めだ。
エントリーは橋がお勧め!“藪漕ぎ”はちょっと無謀?
コンパクトで釣りやすそうな川とは言うものの、小さいが故に中々エントリーし難い。ボサの中に川があるという感じで、いわゆる河原的なものがない。そのため、覚悟を決めて、自分より背の高い草木をかき分けて、よいポイントを探し出すしかないのだが…。そこにはダニやヒグマがいる事もあるので要注意だ。そのため、よいエントリーポイントになっているのが、士幌川に架かる“橋”だ。橋の周りはたいていコンクリートで固められているので、草木が生えない。そのコンクリートがそのまま川に面しているので、夏でも安全に、すぐにエントリーすることが出来るというわけだ。
今回は、音更帯広ICと十勝温泉を結ぶ町道、音更メロディーラインの昭和橋周辺から釣りを始めた。未舗装だが土手の狭いスペースに車が停められる。北海道の渓流釣りで、舗装道路のみを走ってエントリー出来ることなど、夢のようだ。未舗装の道を走り、草が倒れた獣道を見つけて、そこからエントリーすれば、釣り人未踏でフレッシュな魚が泳いでいるポイントを見つけられるかもしれない。勇気をお持ち方には、このかなりの“冒険”も。言うまでもないが、ヒグマを始め野生動物には十二分な注意をお忘れなく!!
2投目で、主役のブラウントラウトがHIT!
タックルは2000番のリールにナイロンライン1号、ロッドは5.8ftを使用。川幅的にもこれ位で充分だ。ルアーはいつも好釣果を出してくれるシルバー系のスピナー。3gと5gがあるのだが、ブロックで流れが1点に集中したり、カーブ付近で流れが速いポイントもあるので、流れに負けず、ボトムも狙える5gをチョイスした。
釣行の目的は何といってもブラウントラウト。今シーズンはまだ出会っていないので、必ず釣りたい。ブラウンは湿原河川や湖のイメージが強いので、今回は倒木やブロックで流れが緩んでいるところをねらうことにした。倒木で流れが緩くなったポイントにキャストすること2投目。ミドルレンジでHIT!アタリは鈍い感じでブンブンと頭を振る。ゴツッと喰い、シャープな泳ぎを見せるニジマスとは少し違う。無事にランディングすると、その魚体には懐かしい朱点が。主役のブラウンがいきなり釣れたのでちょっと驚きだ。さすがは士幌川である。
続けて少し上流のボサ付近にルアーを流してみると…元気なニジマスに出会うことが出来た。ポイントの水深はそんなになく、いわゆるチャラ瀬といったところだ。決してビッグサイズとは言えないものの、目標のブラウントラウトが釣れ、さらにニジマスも遊んでくれるとは。とても幸運な一日だ。
士幌川でブラウンを釣るのなら…
士幌川でブラウントラウトを狙うなら、今回釣果のあった倒木、そして、ブロックなどの障害物が生み出す緩やかな流れがお勧めだ。念願の朱点に出会えるはずだ。流れの速い流心やチャラ瀬にも何度もキャストしたが、ブラウンの反応はなかった。また、今回の釣行では、陸生昆虫が非常に多いということを感じた。フライマンはドライを使い、トラウトたちのライズの瞬間を楽しむのもよいかもしれない。因みに、虫が多く、アブに刺されたのでご注意を!