2022年10月03日公開
例年9月になるとカワハギ釣りは夏から秋の釣りへと移行する。難しい季節だが、今なら数・型とも狙えると聞き、神奈川県・三浦半島、久比里『巳之助丸』から出船、テクニカルな“カワハギ・ゲーム”を楽しんだ。
絶品“肝ダレ”で頂くカワハギの薄造りに誘われて
カワハギ釣りと言えば“肝ダレ”で頂く薄造りが楽しみというグルメな釣り人も多いはず。「大丈夫、もうだいぶ大きくなっている」。“カワハギの聖地”とも言われる久比里、その中でも『巳之助丸』は熱烈なファンが多い船宿の一つ。交通の便が良く、マイカー利用(無料駐車場あり)は横浜横須賀道路・佐原ICが最寄り、電車ならJR、京急どちらの「久里浜駅」からも同じ位近い。まずは、午前7時までに受け付け。船宿で乗船名簿を記入、料金を支払い(記事末料金表を参考に)、餌と氷を貰い、入口の座席表で釣り座を決める。橋を渡って大型船の「第二十一巳之助丸」に乗り込んだ。
定番の胴突き3本バリ仕掛けで狙う
取材日は狙う水深が10~20mと浅かったため、使用オモリは25号だった(これからは30号も用意)。仕掛けは、定番の胴突き3本バリで、枝バリをフック等で止められる物だとハリの交換が楽で良い。集魚板を付けるのであれば潮の抵抗の少ない旗型を。『巳之助丸』のアサリの剥き身はほとんどヌメリがないので塩をまぶす必要はない。殻アサリ希望者はもう少し涼しくなるまでは前もって問い合わせを。写真のようなハリ外しがあると、手返しが早くなりそう。
良型カワハギの肝は膨らみ、小型が数釣れる季節
「第二十一巳之助丸」は、臼井浩喜船長の操船で7時30分に出船。平作川をゆっくりと下って外海に出ると、少し北上して鴨居沖でスローダウン。開始のブザーが響き、「水深13mです」という船長アナウンスでスタートした。船長に今の時期のカワハギ釣りについて聞いてみた。「9月に入るといわゆる“夏ハギ”と言われる大型は少なくなってきましたが、その代わりに肝が入り始め、この時期の特徴である小型のカワハギの数釣りが始まっています。しかし、この“ちびっ子”は手が合えばポンポン釣れるのですが、合わないとフグやベラばかりになってしまいます」。これは正にいつも私が悶絶するパターンだ(笑)。
鴨居沖で良型を狙い、竹岡沖で数を楽しむ!
鴨居沖は思いの外濁りがキツかったとので、この日は早めに竹岡沖に移動した。水深は10m前後、海底に点在する根周りには“ちびっ子カワハギ”が広く散らばっていて、落ちてくる餌のアサリを目ざとく見つけては、巧みなヒレ捌きで自在に泳ぎ回り、おちょぼ口を駆使して餌を盗って行く。右舷ミヨシ(船首)でかなりの集中力を保って釣り続けている釣り人がいた。見ているとどんどん数を伸ばしている。「オモリを着底させ、1度誘い上げてからフワリと落とし込むとアタリが出ますよ」とのこと。暫くして、潮が止まったタイミングでまた大きく移動。そして、ついに大型が!
【動画】巳之助丸・神奈川県久比里・カワハギ
“肝パン”シーズン到来!
移動先は同じ竹岡沖だが、先程までの場所より根がキツい。「ここは大型が多い場所です。頑張ってください」と船長。トロリと潮が流れるとカワハギの活性が上がり、女性アングラーがまず“尺ハギ(30cm級)”を釣り上げた!これを皮切りに、良型がポツリポツリと釣れた。船長の決断で終盤大きく盛り上がった。沖上がりまで良型が釣れ続け、結果、カワハギ16~30cmが4~50匹!竿頭は神奈川県・葉山町の菅原さん。2番40匹(川崎市の冨永さん)、3番20匹と続いた。船長に今後の動向について尋ねると、「今は浅瀬に散らばっていますが、海水温が下がるともう少し深い場所で大きな群れを作るようになります。10~12月、肝はパンパンに膨らみ(いわゆる“肝パン”)、カワハギ釣りはハイ・シーズンを迎えます」。食べては美味しさ最上級、初心者にも釣りやすい季節到来!是非、チャレンジして頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
受付=7時まで
出船=7時30分
料金=8,000円(餌なし)、9,200円(殻アサリ付き ※要問い合わせ)、1万円(アサリ剥き身付き)
※全て氷付き(追加氷 100円)
割引=小学生 2,500円引、中高生 2,000円引、女性 1,000円引
レンタル=貸し竿 300円
※詳細はお問い合わせ
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。