2022年11月09日公開
相模湾は深場から浅瀬まで様々な釣りが楽しめる魅惑の海。深い所は水深1000mを超え、開放的な湾の形から沖を流れる黒潮の影響も大きく受ける。そのため、様々な対象魚を1年中楽しめる釣り場だ。今回は、キンメダイ釣り“惨敗”を繰り返している私のために、深場釣り好きな友人がプレジャーボートをレンタルしてくれた。釣り仲間2人も加わり4人で“キンメダイ攻略”を目標に相模湾へ乗り出した。
時期は晩秋。釣行日は初夏を思わせる暑さ
マリーナはJR真鶴駅から車で5分。駅前を左折。下りカーブの先にコンビニが2軒ある。ここは休日になると釣り人のお客が多く、早朝でもおにぎりなどが品薄になるので要注意!マリーナの駐車場に着いて車外に出ると、夏のような日差し。天気予報では、「最高気温22℃で過ごしやすい一日だが、北風が強く吹く」と言っていたが、陸では風があまりなく思ったより暑い。出航前点検と釣りの準備をしているだけで汗が出るほどだ。しかし、海上は風が吹く可能性もあるので、私は上着を持っていくことにした。
仕掛けと餌のチョイスは釣り人の個性が光る
タックルは深場のアカムツ用やオニカサゴ用を用意した。プレジャーボートの場合、レンタルタックルなどは基本的にない。竿が折れるなど不測の事態に備え、少なくとも予備のタックルを1セットは持って行こう。因みに、オモリは180号。
“暑い”とはいっても秋。キンメダイが夏よりも深い水深250~300m超えの深場に落ちている可能性が高いため、ラインはPE3号を500m巻いた。また、近頃、タチウオやミズダコにラインを切られることも多いので、予備のPEラインも持っていくのがベストだ。仕掛けは胴突き。幹糸はフロロカーボン8号を6m。2mごとに6号1m程度の長さで枝スを2本結んだ。ハリはムツバリ。上は17号、下は20号。キンメダイは餌を口に入れても吐き出す習性があり、以前16号を使用したがハリ掛かりしないことが多かった。その対策として号数をアップした。餌はサバとホタルイカの抱き合わせ。基本的にサバだけでよいのだが、あわよくばアカムツも釣れないかと下心満載だ。友人達も自作仕掛けを持参している。胴突き3本バリや天ビン。餌はコノシロ、サンマなど様々だ。
来た~!!待望のキンメダイ!
沖に出ると冷たい北風が吹きつけ、想像以上の強風で白波が立っている。全員脱いだ上着を着込みながら、ハリに餌を付けてポイントに向かう。一般の釣り船よりも軽いプレジャーボートは、風と潮の影響を受けやすい。深場になるほど見た目の潮の流れだけではなく、ラインの流される方向なども見て操船しなくてはならないので、プレジャーボートの釣りは難易度が高い。
目的の水深300mに船が流れていくように、水深280mからスタート。船長の「落としてOK」の声で、全員仕掛けを落としていく。上潮は風の影響もあり、仕掛けがかなり流されたが、仕掛けが底に近づくにつれてラインが真下に落ちる。底潮が動いていない可能性が高い。海底にオモリが着くと、少し泥に埋まる感覚。底から2m程仕掛けを上げ、時折大きく誘いをいれていく。底潮が動かない状況では、誘いを多めに入れてアピールをしていくのが有効だ。
アタリがないまま水深300mを過ぎた頃、私と友人2人の竿に変化…。穂先がかなり力強く引き込まれた。確実に掛けるために大きく合わせを入れ、ゆっくり巻き上げていく。10分程で海面に見えたのは、全身が白く輝く魚…下バリにシロムツ(ワキヤハタ)が1匹のみ。だが、残念がっている場合ではない。プレジャーボートの場合、上乗りさんはいない。仲間で助け合いのタモ係。あと少しで巻き上がる友人の所に向かう。タモを海面に近づけ緊張して待っていると、大きな赤い魚影が見えた。間違いなく“本命”のキンメダイだ。掬い上げると、丸々としたキンメダイがタモの中でも跳ね上がり、輝いていた。
その後、同じポイントを2度ほど流したがアタリなし。試しに水深250mに狙いを変更して流し直したが、釣れたのはカラスザメのみ。2時間程粘ったが「やはり水深300~310m辺りだろう」と再び移動した。
シロムツ連発!!
先程キンメダイを釣り上げたポイントには別のボートが入っていたので、その周辺を狙う。ここは根が多く要注意だ。私は根が陰になり海底が暗くなると予想して、東京湾でアカムツを釣った実績がある“100均ワーム”を使用。仕掛けを落としてゆっくりと誘うとアタリ。しかし、釣れたのはシロムツとスミヤキ。何度か流し直してチャレンジしたが釣れるのはシロムツ。私にはキンメダイが釣れないままタイムアップとなった。
“本命”が釣れず残念だったが、16号バリで感じた吐き出される様子はなく、20号でしっかり掛けられることが分かったことは収穫だった。何が釣れるか分からない深場のワクワク感はやはり最高だ。めげずに再びチャレンジしたい。
頂いたキンメダイを母の好物“煮つけ”に!
釣れた魚は分配。私はキンメダイを頂いた。それで母の好物「煮つけ」を作った。醤油、酒、砂糖、水を沸騰させ、生姜とキンメダイを入れて落し蓋をするだけ。
キンメダイの脂と優しい甘さが際立つ一品。次回こそ「キンメダイを釣るぞ!」と思いながら、母の嬉しそうな顔を見た。
施設等情報
〒259-0201神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1117
TEL:0465-68-0231
HPか電話にて確認(改装工事中にて別箇所にて営業のため)
ユニマットマリンマリーナ真鶴ホームページ
施設等関連情報
電車利用は、JR東海道線・真鶴駅からタクシーで5分。健脚の方は徒歩で約20分。マリーナの先は海岸遊歩道を楽しめる。
マイカーは、東名高速・厚木IC→小田原厚木道路(終点)→石橋IC→国道135号を熱海方面へ→ 真鶴道路(真鶴ブルーライン)へは入らずに料金所の手前を左側(旧道)へ→真鶴駅前の信号を左折して道なりに進行、魚市場(魚座)~貴船神社を過ぎた先のクリーム色の建物。駐車場の茶色い看板が目印。