2022年11月16日公開
初心者からベテランまで幅広い層に人気の静岡県・木負堤防。全長310mの堤防である。大型“青物”、カサゴにメジナ、クロダイ、アオリイカなど1年を通して様々な釣りが楽しめ、県内外から多くの釣り人が訪れる。釣り場が豊富な静岡県でもトップクラスの人気釣り場である。心地よい秋の天候の中、今日も今日とてお魚求めて出陣じゃ~!
コマセが溶けるまでの“カサゴ祭り”からのスタート!
さあさあ!まずは餌の買い出しへ。「今日もお世話になります!釣り具のタイシさん」。1日ガッツリ釣る予定なので4kgのコマセを購入。今日はコマセで魚をたんまり寄せる作戦である。
釣り場はどこがよいか。沼津周辺には実に多くの釣り場が点在するので迷ってしまう。決めかねていると、釣り具店スタッフさんの「木負堤防なんていいんじゃない?」の一言で即決。そのお薦めポイント“木負堤防”に向かうことにした。
堤防に到着すると既に多くの釣り人の姿があった。さすが釣り人、朝が早いね~。木負堤防は長~い堤防で、堤防の幅も5、6mと広いのでポイントは沢山ある。広いが故に駐車場から堤防までは距離があるので、キャリーカートなどがあると荷物の移動が楽だ。私達も早速キャリーに荷物を積み込んでポイント定めへ。「さ~どこにしようかな?」。鉄板ポイントの堤防先端は混雑気味なので、手前のポイントを探して歩いていると、黒いシミ発見!「これはイカちゃんが釣れた証拠。ここにしよう」。私の足はピタッと止まった。私はとっても単純なのである(笑)。
なんとカサゴ8連チャン
コマセを海水で溶かしている間に、胴突き仕掛けにエビをつけて調査開始である。透明度が高く、底石までクッキリ目視できる。底付近には小魚も見え隠れしている。「これは期待できそうだ」。スルスル~と仕掛けを落としていくとすぐに反応あり!ブル、ブルッ!グーンと底に引き込まれた。グッと竿をあおって合わせると赤い魚体が見えてきた。カサゴちゃんGET!
ここからが凄かった。なんとカサゴ8連チャン。ダブルヒットも。ここはカサゴの巣なのだろうかと思ってしまうほど、釣っても釣ってもカサゴが釣れてくる。カサゴパラダイスの時間は暫し続いた。
暫くすると海底近くに新たな魚影が見え始めた。しかもかなり大きな魚のようだ!「なんだろう正体が気になる…」。そんなこんなしているうちに、コマセもすっかり溶けて準備万端。コマセを投入すると、今まで見えなかった小魚があちらこちらから寄ってきて、あっという間に足元は魚だらけになった。
祭りじゃ~、祭りじゃ~、タカベ祭りじゃ~!
コマセパワー恐るべし。私たちの目の前は魚だらけ。群れをなして次から次へと違う種類の魚が回遊してくる。まずはイワシの群れが入って来た。程なくしてこのイワシの群れに向かって勢いよく突進してきたのはサバ。この下の層には大型の魚が悠々と泳いでいる。あまりの透明度の高さに魚が丸見えである。この光景飽きない!一日中見ていられる。竿を出し忘れてしまうほどだ。
さあ、仕掛けをサビキに替えてこの群れを釣り上げていこう。3号の小さめのハリから様子見である。仕掛けを落とそうとした瞬間、“今日イチ”の大きな群れがやって来た。何やら青い魚体である。新たにコマセを投入して仕掛けを降ろすと、一瞬でその青い魚体が釣れた。釣れた魚の正体はタカべだった。あの塩焼きでも刺し身でも美味しいタカベである。嬉しい。この釣り、堪らなく楽しい~。仕掛けを降ろすと一瞬。いくらでも釣れる状態だ。群れが離れてもコマセを撒くと一瞬で戻ってくる。その群れは戻ってくる度に大きくなっていった。狂ったようにコマセに群がる。
食べる分と後で泳がせ釣りに使う分のタカベは充分確保できたところで、ターゲットを変更。底の近くいる大きな魚の正体を知るべく仕掛けを落とした。これがうんともすんとも言わない。餌に見向きもしないのである。見えているのでもどかしい…。暫く粘ったが姿を現すことはなかった。
その後、堤防先端付近を偵察に行くと、この大きな魚体の魚を釣り上げた人に会った。見せてもらうと40cm位あるメジナとタカノハダイだった。「かなり引きましたよ~」とニコニコ顔だった。
泳がせ釣りでアオリイカを狙ったが…
いよいよ大事にとっておいたタカベを使って泳がせ釣り開始だ!相変わらず足元には凄い数のタカべが乱舞しているが、その沖を狙う。ウキをセットして振りかぶり遠投する。あとはウキが沈むのを待つばかり。
希望はアオリイカだが…。なんでもよいので、ウキをガツーンと沈めてくれることを祈った。ウキを眺めながらまったりとした時間を過ごしていると、隣の釣り人の竿に異変が!彼は小魚には見向きもせず、朝から泳がせ釣りをしていた。よく見るとヒットしたラインに何やら引っ掛けている。ヤエンであった。そう、彼は朝からずっとイカを狙っていたのだ。グングンと竿先が引き込まれている。いよいよヤエン投入!しかし、風が強く吹いていたので、ヤエンがバウンドしてしまい途中で止まってしまった。仲間と協力して再びヤエン投入を試みたが、どうやらイカは餌を離してしまったようだ。クウウ~惜しい!これが最後の餌だったそうで、残念そうに堤防を後にしていった。
これを見ていた私達は「イカはいる!」と確信したのだった。しかし、いくら経ってもウキに異常なし。少しでも元気な餌をと、予備のタカべに付け替えて再度遠投!しかし、いくら待っても異変はなかった。またしてもイカを手中にすることは出来なかった。こりゃ~、暫くイカに取り憑かれてしまいそうだ。
様々な魚がターゲット。木負堤防は魅力いっぱいだ
釣れないというのも、釣りを面白くさせてくれるものである。釣れないからまた私は海へと向かうだろう。これだから釣りはやめられない。これこそ「釣りのロマン」か~。
納得の釣りも終わり、片付けをして帰ろうとしていたら、駐車場の方から見た顔が…。あ!隣にいた釣り人だ!ニコニコ顔で向かって来る。「アジ仕入れてきちゃった」。なんと戻って来たのである。ここからまた彼とイカとの格闘が始まるのだ。ロマンだね~。夜釣りに向け、ヘルメットにヘッドライトを装着し、海に向かうその後ろ姿は正に戦いに向かう男の姿であった(笑)。
多種多様な魚が楽しい時間を過ごさせてくれる木負堤防。入れ喰いに歓喜し、空振りにもロマンを感じ、それぞれの釣り時間を大いに楽しんでほしい!
※釣り人のマナーの悪さが問題となり、釣り禁止になる事例が各地で増えています。
木負堤防も例外ではありません。
出たゴミは持ち帰る、コマセは釣りが終わったら洗い流すなど、1人ひとりがマナーを守ることで釣り場の環境は守られます。
いつまでも釣りが楽しめるように我々釣りビジョンマガジン編集チームも釣り場のマナー啓蒙活動を続けてまいります。
施設等情報
〒410-0822 静岡県沼津市香貫下障子3145
TEL:055-932-8848
365日24時間 年中無休
※コマセ解凍予約可
※活アジあり 釣具・釣餌 タイシ ホームページ
施設等関連情報
東名高速 沼津ICからR414を南下し、県道17号沼津土肥線に入ってさらに南下。道なりに進むと木負堤防へ。