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静岡県沼津市:西浦、晩秋の平沢堤防でファミリーフィッシング

2022年11月18日公開

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この時期、楽しみにしていることがある。同僚親子らとのファミリーフィッシングだ。毎年2回、春~晩秋に楽しんでいる。今年6月にも静岡県沼津市・西浦の平沢堤防でメジナ、サバ、タカベを沢山釣って、よい思い出を作ることが出来た。そこで、今回も“好釣”を期待して、再び平沢堤防に出掛けた。

【この記事を書いたライター】磯部 哲

平沢堤防は、早朝から満員!!

今回のメンバーは、前回と同じく同僚の中野親子、元同僚の麗ちゃん(長野県から参戦)、そしてクラブメンバーの杉崎さん。前回は、午前7時過ぎに現地に到着したが、堤防は満員だった。そこで今回は少し早めの午前6時に到着したが、堤防は多くの“ヤエン師”と“エギンガー”で既に満員状態。幸いアオリイカ狙いの釣り人は外海狙いであり、湾内狙いの釣り人はフカセ釣りの2人のみ(おじいさんとお孫さん)だった。
2人に挨拶を済ませて隣で準備を始めていると、堤防の先端でヤエンをしていた人が、「先端の半分を使ってもいいよ」と優しく声をかけてくれた。夜中から釣りをしているという常連さんで、毎週末アオリイカを狙って平沢港に来ているそうだ。
準備中にも、他の“ヤエン師”がアオリイカを掛けて、ドラグをジージーと鳴らしている。早朝から堤防が満員になるのも頷ける。かくして我々一行は、堤防の先端と中間位置の2ヵ所で釣りを始めた。

コマセを撒くと小魚たちが雲霞のように…

先ずは、中野兄弟の仕掛けを準備。仕掛けは3m程度の振り出し竿に小型スピニングリール。G3のアタリウキ(固定ウキ)にG3のオモリをセットして、1.5号のハリスに4号のグレバリ。タナを1尋(約1.5m)にセットしてスタートした。
コマセはオキアミ6㎏、パン粉2㎏、ヌカ3kgを準備してあり、これを全員で使う。付け餌は生オキアミ(コマセと共用)。コマセを撒くと、まず姿を現したのはネンブツダイ、スズメダイ、タカベ。ネンブツダイとスズメダイは堤防のすぐ近く、タカベはやや遠目に群れを成している。そこで先ずは美味しいタカベを狙う事にした。他の魚に比べて、タカベは泳ぐスピードが速いので、特にコマセの打ち分けは不要だと判断。やや遠目にコマセを撒いて、そこに仕掛けを入れるように中野兄弟に伝えた。開始数投目で中野兄のウキがスッ!と入った。ウキ釣りは手慣れたもので、軽く合わせて、最初に釣り上げたのは狙い通りのタカベ。「兄に負けてはいられない」と、弟も同じ場所でタカベを追加した。
コマセが効き始めると、徐々にタカベが湧いてくるようになったので、タナを半尋に変更すると、面白いようにタカベが釣れてくる。暫くタカベ釣りを楽しんでいると、やや深い場所に茶色い魚が交じるようになって来た。「小アジかな?」と思い、再びタナを1尋に変更すると、中野兄がすぐにその正体を暴いてくれた。イサキだ。これまた美味しい魚の登場に活気づく堤防。中野弟もすかさずイサキを追加。この時点で兄弟での数釣り対決が開始された。
一方、麗ちゃんは、杉崎さんから借りた延べ竿で楽しげに竿を曲げている。麗ちゃんもイサキを中心に順調に数を伸ばしていった。

 

メジナは活性が低いのか、先端のポイントに移動したが大苦戦!!

先端にいた杉崎さんは、大量の“餌盗り”と、速い当て潮の影響で苦戦を強いられていた。メジナの数はそれほど多くないが、中層で泳いでいるのは確認出来る。コマセを撒くと四方八方から“餌盗り”が押し寄せてくる。“超遠投&コマセなし”など色々と試しているが、それでも付け餌を取られてしまう。
00のウキにG5のオモリをセットして、強制的に沈めて中層から深ダナを狙っているが、当て潮のためにアタリが取りにくい。メジナの活性が高ければ他の魚を蹴散らして、道糸を引ったくっていくはずだが、どうも活性も低いようだ。
「今日は難しいなぁ~」と、ため息をついていた杉崎さんだったが、暫くして「やったー!!」と声が上がった。皆で堤防の先端を振り返る。縞々のカラフルな魚を見て「何この魚?」と、不思議そうな中野兄弟。初めて見た綺麗なオヤビッチャに麗ちゃんも興味津々。
堤防先端でメジナが見えるので、中野兄弟も狙ってみたいと先端に移動した。相変わらずの当て潮と“餌盗り”の多さなので、コマセを大量に撒いて堤防の際に沿って仕掛けを流すと、ウキを消し込むアタリ。中野兄の竿にこれまでにない強い引き。慌てずにリールを巻いて上がって来たのはこの日初のメジナだった。
堤防の際はスズメダイが多いものの、タカベはあまり寄って来ないので、スズメダイの群れの間をうまく付け餌が通ったようだ。ほんの数mの投入点の違いで、魚が釣れたり釣れなかったりと、魚釣りは実に面白い。
兄に数釣りで負けたくない中野弟も、すぐに兄に追いつくメジナをゲット。中野兄弟に先を越された大ベテランの杉崎さんも、その後ようやくメジナを釣り上げて一安心。

色々な仕掛けで楽しめるのが堤防釣りの魅力!

陽が高くなって来た午前10時過ぎ。魚の活性もやや落ちて来た。そこで、気分転換も兼ねて新たな仕掛けを作った。
まずは、ブラクリ仕掛けで堤防の基礎石の穴を狙ってみる。餌はサンマの切り身。しっかりと穴を狙って仕掛けを落とし込み、着底して仕掛けが緩んだところで、少しテンションを掛けて待ってみた。コツコツ!と魚が突くようなアタリはあるものの、暫くするとこのアタリがなくなる。どうやらここにも“餌盗り”がいるようだ。別の穴に狙いを変えてみると、仕掛けが思いのほか深くまで入った。すると間もなくゴゴッ!とやや激しいアタリの後、竿先がギューンと絞り込まれた。上がって来たのは可愛いカサゴだった。やはり深い穴の方がカサゴはいるらしい。ここでブラクリ仕掛けは中野兄にバトンタッチ、次はサビキ仕掛けを作ってみた。
一般的な下カゴ式仕掛けに、ハリはピンクスキンの4号をチョイス。アミエビが海中に散らばると、タカベとイサキが息を吹き返したように群がって来た。これはチャンスと中野弟にバトンタッチするが、全くハリ掛かりしない。完全にハリを見切っているようだ。この仕掛けでは全く釣れる気がしないので、次は改良トリックサビキの3号に変更。先にアミエビを少し撒き、群れが集まって来たところに仕掛けを合わせると、狙い通りタカベがヒット。ただし、少しでもアミエビと仕掛けがズレると、全く喰って来ない。堤防の小魚も侮れない。ブラクリ仕掛けで頑張っていた中野兄にはノーバイト。投げ釣り仕掛けも作ってあげたがこれも結果が出なかった。しかし、多種多様な釣り方が楽しめるのも堤防釣りのよいところである。

最大魚到来!! 気になる最終釣果は!?

午前11時を過ぎた頃、のんびりと皆の釣りを眺めていると一際大きな歓声。堤防の先端に駆け寄ると、中野弟の竿が大きく曲がり必死にリールを巻いていた。「デカいぞ、頑張れ!」。杉崎さんの声援を受けて姿を現したのは、この日最大の30cmに迫るイスズミだった。前回の釣行でも30cm超えのタカノハダイを釣り上げた中野弟。
その後、麗ちゃんがメジナを釣り上げた場所で昼食休憩。正午になったので、私がゆっくりと道具の片づけを始めていると、昼食後も粘り強く釣りを続けていた中野父に、ようやく手応えのある魚がヒットした。外海で投げ釣りをしていたが、慎重にリールを巻き上げて釣り上げたのはオオモンハタ。父の活躍に息子たちも大喜び。
中野兄弟のこの日の釣果は、兄が30匹で弟が35匹。兄弟そろって自己ベスト釣果を達成した。メンバー全体ではタカベ、イサキ、メジナ、イスズミ、カサゴ、オオモンハタ、オヤビッチャ、スズメダイ、ネンブツダイの“九目釣り”を達成。数も100匹を超えたが、食べる分だけ持ち帰り、残りはリリースした。
今回は天候にも釣果にも恵まれて、最高のファミリーフィッシングになった。来春もこのメンバーで釣りに出掛けるのが、今から待ち遠しい!!

施設等情報

■平沢港
〒410-0234 静岡県沼津市西浦平沢
車:伊豆中央道「伊豆長岡IC」から県道130号へ。県道17号に入って海沿いに南下し「らららサンビーチ」から50m進んで平沢港内へ進入。堤防基部に有料駐車場あり
駐車料金:1回700円
トイレ:隣接する「らららサンビーチ」のトイレを利用可能(8:30~17:00)

施設等関連情報

どんな釣り場でも同じですが、平沢堤防でも、しっかりとした安全対策と、釣り人としてのマナーを守って、釣りを楽しんでください。係留してある船の周りに仕掛けを投げたりするのはやめましょう。
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

磯部 哲
伊豆半島・真鶴半島をメインに活動する磯釣りクラブ「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の斬り込み隊長 兼 小物釣り師 兼 週末アングラー。磯釣り歴は約15年で絶賛修行中。釣った魚を料理するのも大好き。クラブメンバーで釣行を共にする杉崎さん、竹中さん、高橋名人、磯部の「釣れないカルテット」が繰り出す珍釣行に、乞うご期待!!
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