2022年11月29日公開
毎年恒例となりつつある仲間とのプレジャーボートでの釣り。今年もいつもの神奈川県・葉山港で待ち合わせた。秋晴れのナギ、絶好の釣り日和に恵まれた。遠くには雪化粧した“ザ・富士山”。 プレジャーボートの釣りだからこそのゆったりとした楽しい時間が始まった。今年のターゲットは“肝パン”のカワハギにアオリイカだ!
自由度の高いプレジャーボートの釣りは最高!
昨今のアウトドアブーム。勿論、釣りも大ブームだ。休日には河川に、防波堤に、乗合船にと、釣り場はどこも混雑必至。そんな中、今日は仲間だけの贅沢なプライベート釣り時間。出港時間も、釣り物も自由。これこそがプレジャーボートの最大のメリットではないだろうか?
ゆっくりと午前7時に港集合。今年も葉山港の『sea-style』に。前日の雨や寒さが嘘のような穏やかな陽気で迎えた朝だった。勿論、皆防寒バッチリの姿で現れたが、出船の準備をしていると汗ばむ程に気温が上昇。しかもほぼ無風。これ以上ないほどの釣り日和である。
この日狙うは、この時期になったら1度は食べたい“肝パン”のカワハギ!そして、私が追っても追っても未だ釣り上げる事の出来ないアオリイカをティップランで!友人はテンヤも準備し、状況に応じて臨機応変にターゲットを変えて狙って行く作戦だ。これもプレジャーボートの釣りだからこそ出来る事。タックルの準備も済み、今年も元気一杯の仲良し釣り具屋さんの操船で出港した。
“ゲストフィッシュ”に翻弄されて、カワハギGETは船長だけ
最近、アオリイカが中々厳しめとの事。そこで、まずは皆でお土産を確実に…とカワハギ釣りからのスタートとなった。釣り具店に勤める友人の船長は、毎週プレジャーボートに乗っている強者。操船は勿論の事、ポイントの選択も完璧だ。そんな船長がまず選んだポイントは港から10分程走った所。
餌のアサリを用意して貰い、いよいよスタートだ。ここで船長から「滅茶苦茶魚探に反応あるよ~。チャーンスだよー!」と元気な声が。期待は高まるばかりだ。
基本に忠実に餌のアサリを水管、ベロ、肝の順に丁寧にハリに刺していく。私は“赤金”のオモリに集魚スナップ花火を装着。それぞれが好みの集魚板やオモリを装着してスタート。
水深は13m。オモリが着底した途端、全員の竿に反応。これは“餌盗り”?“肝パン”カワハギなのか?「乗った~!」。一番乗りは船長。リールを巻く船長に皆の視線が集まる。何やら茶色い魚体が。「はい、来たー、カワハギ!」。ちょっと型は小さめだったものの間違いなくカワハギである。
そうこうしていると、高知県から参戦の友人にもヒット!リールを巻いてくると何やら赤い魚体が。ベラちゃんである。全ての餌が綺麗に取られている。「こりゃ~、大量の“餌盗り”がいそうだ」。な~んて思っていると、私にも友人達にも次々とヒット!しかし、上がってくるのはやはり“餌盗り”のベラやフグばかりで、餌ばかりが取られてしまう。
知らぬ間に餌は取られ、釣っている時間よりも餌付けの時間が永くなる。あちらこちらで竿を上げるたびにグーグーとフグの鳴き声が聞こえた。(笑)
そんな中、「乗った~!」との声、連チャンしたのは船長。“ゲストフィッシュ”も掛けるが確実にカワハギも掛けてゆく。同じ海の中に同じ餌を落としているのに、船長にだけカワハギが掛かって来る。実に不思議だ!小さなカワハギのアタリを見逃さない船長の腕であろう。さすがである!カワハギ釣りは腕の差が出るゲーム性の高い釣りだ。だからこそ嵌まってしまう人が多いのだろう。
“ゲストフィッシュ”祭りの私達を見かねた優しき船長は、“ゲストフィッシュ”が少なく、大型カワハギの出る取っておきのポイントへ船を走らせてくれた。
“全員安打”達成。大型の“肝パン”カワハギが登場!
さあ、気を取り直して再開だ。着いたポイントは根が激しいポイント。先程までとは打って変わって“ゲストフィッシュ”の反応はない。根掛かりに気をつけながら小まめに底取りをしつつ竿を操作してカワハギを誘う。
沈黙の時間の中、ついにカツカツ、ギュンギュン!「こ、これは!」。カワハギの叩くようなアタリだ~。ついに私の竿が曲がった。「来た~!」と叫ぶ私。しかし、ここまでまるでカワハギのようなアタリをする“ゲストフィッシュ”の猛攻にあっていたので、正直これが本当にカワハギのアタリなのか自信がなかったのが本音。しかし、私の声に「これはハギだ~、大きいぞ~」と船長が鼓舞してくれる。水深25mから上がってきた魚体は…「よし!茶色いぞ」。しっかりカワハギだと目視できた途端に、下にギューンと潜って大きく竿が撓った。一気に引き抜き、遂に来たカワハギは、この時期らしいお腹が大きく膨らんだ良型の“肝パン”だった。
この1匹を皮切りに友人達も大きく竿を曲げ始めた。大型カワハギが次々にHIT。“全員安打”で、皆の「来た~!」の声が船を賑やかにした。
今宵のおつまみGETである。私は今年も無事“肝パン”カワハギで日本酒を頂くという贅沢な時間を確保し、ニンマリである。
いよいよティップラン。数少ないアタリを感知せよ!
良型カワハギの“全員安打”達成で、いよいよアオリイカとの時間がやって来た。ティップランでやるか?中オモリを付けての釣りにするか?まずは船長お勧めの中オモリ装着の釣りから開始する。
この釣りのキモはしっかり底を取る事、しっかりシャくる事、しっかり止める事。何度もYouTubeを見て予習してきた。日中なのでまだ深場にいるだろうと、深めのポイントから。通称ダイコンポイントへ。ここは去年も来て実績のあるポイントだ。
アオリイカ釣り初心者の私には、明確なアタリを取ることが難しい。「怪しいと思ったら合わせてね!」と、船長からアドバイスを貰った。しかし、この「怪しい」というのがまた難しい。集中すればするほど船の揺れさえも全て怪しく感じてしまう。無駄に合わせては空振っていた。
すると、高知県の友人から「来たっ!」の声が。リールを巻く姿に皆釘付けである。最初にアタリがあった友人には大型のフグが掛かっていたからだ。「イカであってくれ!」と皆で祈る。いよいよ姿が見えてきた。「イカだ~!」。皆で大盛り上がりである。無事にネットインしたイカは大きなモンゴウイカだった。
プライベート感満載のプレジャーボート釣り
その後もティップランに変えたりしながらエギをしゃくりまくった。私にも多分…そう多分…アタリがあったのだが、ワンテンポ合わせが遅れてしまい、エギを抱かせる事が出来なかった。
陽も傾き始めタイムアップ。残念ながらイカは船中モンゴウイカ1杯で終了となった。ティップラン初挑戦の友人も釣ることは出来なかったが、また新たな釣りとの出会いを楽しんでくれていた。
気心知れた仲間とのプライベート感満載のプレジャーボート釣りは、ドラマ多き一日となった。自由度が高く、人数にもよるがプレジャーボートでの釣りは費用も抑えられる。そして何より時間の束縛がないのがよい。仲間とのプライベート釣行、いつもの釣りとはまた一味違った釣り時間を過ごせた。
そして、イカを追い続けることになった私は…またイカ探しの旅へと出ることとする。(笑)