2022年12月05日公開
海水温が下がると、カワハギは深場の根(岩礁)周りに集まる。その為、拾い釣りとは違ってまとまって釣れる。しかも大きな肝を持つ“肝パン”ばかり!極上の釣趣と食味に誘われて神奈川県・久比里『山下丸』に出掛けた。
カワハギ最盛期、ワクワク感が半端ない!
マイカーで6時頃船宿に到着。“アマダイ名人”としても知られる『山下丸』の坂本勉船長の誘導で車を停めたが、駐車場は思いの外混んでいた。この時期のカワハギは釣趣、食味ともに素晴らしい!最盛期の賑わいにワクワク感が止まらない。受け付け手前のテーブルで「乗船カード」を記入。受け付けでは山下克範船長が対応してくれる。足りないオモリや仕掛けの購入も出来る。受け付けは出船30分前には済ませてほしいとの事。女将から餌のアサリの剥き身を貰い、氷は冷凍庫前でスタッフに声を掛けて購入(1個200円)。乗船場所では坂本司郎船長の案内で「第三十一山下丸」に乗り込んだ。
『山下丸』特製剝きアサリ餌は新鮮さに自信あり
タックルボックスには、数釣りの効率を追求した無駄のない仕掛けと遊び心満載の“集器”等のカラフルなアイテムが同居していて楽しい。『山下丸』の特製手剝きアサリ餌1袋の量はかなり大盛りで写真の通り。「アサリ剝きはカワハギ釣りの一部です」と、自ら“殻アサリ”を剥くカワハギファンの姿も見られた(アサリ剥きの希望は受け付け時に申し出る)。アサリ餌のハリへの付け方は人によって様々と思うが、簡単な方法としては、まずハリを水管に刺し、次にハリ先を黄色いベロから刺し入れてワタに抜く方法で、出来る限りきれいに丸く仕上げる。
朝一からアタリが連鎖し船全体が活気付く!
7時30分、「第三十一山下丸」は、山下克範船長の操船で出船。平作川を下り、名物の“3つの橋潜り”で頭を低くして、開けた海(久里浜湾)に出た。朝一番の釣り場は航程10分程の近場だった。「はい、どうぞ」との船長アナウンスでスタート。水深は20m前後だ。右舷ミヨシ(船首)で船中1匹目のカワハギが釣れたのを皮切りに、トモ(船尾)や胴の間(中央)にもアタリが連鎖し船全体が一気に活気付いた。釣れるカワハギは22、23cm級がアベレージサイズで時折30cm前後の大型も!この浅場での中・大型とのスリリングなやり取りはとても楽しそうだ。
移動先にはちょっとしたカワハギ船団が!
中盤以降は、鴨居沖の水深30m前後に移動。ここはカワハギ狙いの釣り船でちょっとした船団が出来ていた。私も竿を出してみた。やや水深があることから、吸い込みも掛かりも良さそうな細身のハリで挑戦。潮の流れはまあまあ速い。“餌盗り”は多くない。コツッ!という硬いアタリ。叩く感じにアピールしながら誘い上げ、少し落とし込むと微かに竿先が振るえた。聞き合わせして22、23cmの中型のカワハギをゲット!この方法で何匹か釣ったが、次第に“宙”ではアタリを出せなくなり、ベタ底を小突く釣り方に切り替えてまた何匹か追加。こんな状況変化と試行錯誤がまた楽しい!
【動画】山下丸・神奈川県久比里・カワハギ
今が絶好のチャンス!数型好調!肝旨し!
終盤、丁度潮が弛んだタイミングで船長が良いポイントを見つけてくれて絶好のチャンスタイムが訪れた。流し替える度に右舷も左舷も関係なく連鎖反応のようにバタバタ釣れて、ダブルヒットもあり大型も交じった。結果、カワハギ17~30cmが5~34匹!竿頭は川崎市の大里さん。船中9割の人が“ツ抜け(10匹以上)”!!ワッペンサイズはほぼ交じらず、中型主体に時々大型が竿を絞り込んだ。肝は真っ白で大きく、食味も抜群!
山下克範船長に、今後について尋ねると、「この日の海水温は21度、終盤潮が緩くなって好調に喰いましたね。海水温はもう少し低い方が良く、今後もこの日のような釣れっぷりが続くでしょう。今は、水深はそれ程深くなく、カワハギの活性も高い、とても釣りやすい状況です。入門は勿論、初級・中級者のステップアップ、上級者の“技磨き”も“今”です!」との事。東京湾口のカワハギ釣りは好機到来!是非チャレンジして頂きたい。
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。