2022年12月14日公開
ハギ、ハゲ、バクチ…など様々な呼び名を持つカワハギ!釣り人の間では「餌盗り名人」とも呼ばれる。カワハギ釣りの旬(一年中釣れるが…)は、何と言っても「海のフォアグラ」と呼ばれる“肝”が大きくなる秋から冬にかけて。絶品カワハギを求めて神奈川県・金沢八景『新修丸』に出掛け、冬の海でカワハギとの繊細な駆け引きを楽しんだ!
この時期、桟橋凍結にはくれぐれも気をつけよう!
朝5時、車に乗り込み、エンジンを掛けると外気温4℃の表示!フロントガラスが凍りついている。ワイパーを掛けるとシャリシャリと寒い音。この時期は路面が凍結している事があるので、時間に余裕を持っての出発を心掛けたい。やっとフロントガラスの氷も溶け、ホットコーヒーで体を温めながら出発だ。
今回は初めての船宿ということもあって少し早めに出発した。お世話になったのは金沢八景『新修丸』。集合時間40分前に到着。まだ外は薄暗く、「早過ぎたかな…」と思っていたが、すでに数人の釣り人が準備をしている。さすが気合が違うな~。上には上がいるものだ。
スタッフに声を掛けると、駐車場は少し離れた所にあるとの事で、まずは荷物を降ろす。本来なら船宿外にある座席表から希望する場所の札を取っておくのだが、今日は平日で人も少なくそのまま船に乗り込み、荷物を置いて場所を押さえるとの事。
この日はカワハギ船1隻、もう1隻はカサゴ船。荷物をまとめて船に積み込むべく桟橋へと向かった。すると桟橋に一歩踏み入れた瞬間、足が…足が滑り続けて止まらな~い。足が開き切り…限界…尻餅をついてしまった。と、同時に背中から大声が!「そこ凍っていて滑るから気をつけて~」と。残念、一歩私の足が早かった~。そりゃ~、そうだよな~。4℃だもんね。桟橋は勿論の事、船の足場も全て凍ってしまっていた。これが想像以上に滑るのだ。これからの時期、桟橋の凍結には本当に注意してほしい。私は朝からお尻びしょびしょ。
何とか一緒に釣りをする仲間の分も席を確保した。そうこうしている内に仲間も到着。準備が済むと船長自らバイクに跨り、駐車場まで我々の車を先導。案内してくれた。少し分かり難い場所にある駐車場なのでありがたい。船長ありがとう~。
そして受け付けへ。女性は7000円に駐車料金500円。リーズナブルである。そして何よりこの船宿は実にアットホーム。何に対しても丁寧で優しい対応をしてくれる。釣りが初めての人にも安心してお勧め出来る船宿だ。
朝一から食い活発。カワハギのアタリ多数!
この日はカワハギ釣り初心者2人を連れての釣行だ。どんな感じになるのか船長に聞いた。まずは東京湾を横断、50分程走って竹岡沖へ向かうとの事。それほど深くないポイントを狙うとの事だ。
7時10分に出船。快晴、無風、ナギ。言うことなしの釣り日和だ。気温も上がる予報だったので、期待せずにはいられない。船長の言う通りピッタリ50分でポイントに到着した。さてさて準備開始。ハリはどんな感じがよいだろうか?仲間も様々なハリを持参しているようだ。しかし、話を聞くと、どこの釣り具店もカワハギの仕掛けが品薄で、あまりハリの種類を揃えられなかったとの事。私は家中から搔き集めた仕掛けが多数あったので、それをシェアしながらのスタートとなった。船長によると、ハリは小さめがよいとの事なので、まずは5.0号から様子を見ることにした。
「13mです。ど~ぞ」と、船長の声。一斉に仕掛けが投入された。開始3分程で、右舷ミヨシ(船首)のおじちゃんHIT!皆の注目を浴びる。上がって来たのは“本命”、良型のカワハギだ!「おお、これはいい感じ~」な~んて思っていると、初心者のおじさまの竿先が叩かれる引き。これは間違いない!カワハギだと確信。「やった~」。記念すべき1匹目を持って記念撮影。
少しすると私の竿にも反応が…。少しずつ竿を引き上げる。が、うまく乗らない。もう1人、初心者の彼女も同じ感じだ。そうこうしていると、またまた来ました。ミヨシのおじさまHIT!続けざまに初心者おじさまにもHIT!これまた良型である。開始10分程での2匹とは「ブラボ~!」。
私が今までカワハギ釣りで心掛けて来た事は釣れている人の誘い方をよく観察する事。釣れている2人の誘いを見ていると大きく竿を煽って誘い、待ちの時間が長いように感じた。早速真似して誘ってみるとコツコツ、ギュンギュン!「来ました、来ました、乗ったよ~!」。竿は大きくしなり、カワハギ独特の叩くような引き。これが堪らんのよ~。良型のカワハギが来ました。
少しすると初心者の彼女の竿もしなった。穂先を見ると叩くような引き。「来たぞ~カワハギ!」。私は思わず叫ぶ!彼女はカワハギ釣りに関しては初心者だが、毎週釣りに行くような生粋の“釣りガール”。さすがに手際がよい。スマートに取り込み、ハリを外し、投入までの所作は素晴らしい。
コツを掴むのも早く、2匹目を釣り上げる頃には「何となくわかって来た!」と。そんなこんなでハリに掛けるのはそう簡単ではないものの、11時頃までアタリが続き、“ゲスト”のフグの攻撃に合いながらも楽しい時間が続いた。
数を伸ばしたいなら、釣れない時間こそ工夫が必要
気温も上がって日焼けしそうな日差しが降り注ぐ時間になった。するとアタリがピタリと止まり、“ゲスト”のアタリさえ遠のいた。同じ釣りをしていても釣れないと思い、3本のハリを全て付け替えて、それぞれ違う号数のハリにしてみた。吸わせ系のハリを付け、オモリで底を叩くような釣り方にしたり、キャストして小まめに根を探していく。するとキャストの釣りに反応あり。コツコツ!竿で引き上げて来ても中々ハリ掛かりしないので、早めの合わせを入れると小気味よい引き。合わせが遅れないことが肝のようだ。ポツリポツリと拾い釣りをして、潮止まりの時間をやり過ごした。
1時間30分程が過ぎた頃、船長がナイスポイントへ。突然のアタリラッシュ。“ゲスト”も多いものの“本命”のアタリも激増!初心者のおじさまは初のダブルHITも。仕掛けが絡んだり、餌付けが上手くいかなかったりと色々あったが、素晴らしいペースだ。
コツを掴んだ先程の彼女もしっかり合わせを入れて掛けている。船中全員が良型カワハギを掛ける時合の到来だ。フグの猛攻も収まり、“ゲスト”もカサゴという嬉しい魚へと変わった。
終了の時間まで本命のHITは続いた。この日は、大半が20cmオーバーの良型揃いで“ワッペンサイズ”は殆ど交じらなかった。船長のポイントチョイスが素晴らしかったのだろう。
14時過ぎ、船長から終了の合図。船釣りでいつも思うことだが、本当に時間が過ぎるのが早い。気づけばお昼になり、気づけば残り時間僅かとなり終了。「あと一流しです」の合図から終了を迎える時のあの後ろ髪を引かれる感じ。
港に戻る間、遠くに見える富士山を見ながら、今日一日のカワハギの引きを思い出していた。コツコツギューン!これが癖になる。これが“カワハギ中毒”へ道なのだろう。
簡単な仕掛けで初心者でも始めやすいカワハギ釣り!「釣って凄く楽しい!食べて凄く旨し!」。お勧めの釣りである。そして気付かぬうちに嵌まってしまい、“カワハギ街道”まっしぐら!となる。今冬は良型のカワハギが釣れているぞ~!!一緒に“カワハギ街道”を歩いてみませんか?
今回利用した釣り船
出船データ
・首都高速 幸浦出口から約4.6km 約10分 夕照橋たもと
・横浜横須賀道路 朝比奈ICから約10分 夕照橋たもと
※混雑することが多いのでご注意を(特に平日)
・電車の場合:金沢八景駅下車※無料送迎あり(045-784-2636)