2023年08月07日公開
もと漁師、もと水産庁勤務という異色の経歴を持つ、魚を知り尽くした男、上田勝彦(愛称ウエカツ)に教わる、魚を”最高に美味しく”食べるシリーズ。前回はアジを最高に美味しく食べる”ウエカツ流”ひと工夫をご紹介したが、今回は、身だけではなく濃厚な肝が魅力のスルメイカのひと工夫についてご紹介する。ウエカツをして「甘すぎない、旨すぎない、影のドンとはそういうもの」と言わしめるスルメイカ。すぐにできる簡単なひと工夫から、少し手間のかかるひと工夫まであるが、ぜひご自身のレベル、バランスに合わせて試してほしい。”最高に美味しく”なることは間違いない。
バケツにシートを被せる
魚と比べて簡単に捌け、釣りのターゲットとして非常に人気の高いイカだが、是非、”最高に美味しく”食べるための船上でのひと工夫を実践してみてほしい。
1)バケツにシートを被せて暗くする
ウエカツ「深い暗いところにいたのに、突然明るいところに来て、しかも人がいれば驚くのは当然」
ウエカツによると、バケツに頭をぶつけたりしてしまうのはそのためだそう。イカは刺激に対して敏感に反応するので、工夫をして落ち着かせてあげることが肝要だ。
2)脳を衝撃で破壊して活け締め
できればゴム製のハンマーを使って、頭を叩いて脳を破壊する。イカがきれいに白くなったら活け締め成功だ。パラっと氷を浮かした程度の冷水(15度)に10分ほど入れ、後は氷に直接当たらないようにしてクーラーボックスへ入れてあげよう。
⇒ 詳しい解説は、”魚の伝道師”上田勝彦氏の動画『オトコの釣りメシ』神奈川県小網代沖のスルメイカをcheck!
ゴロっとするイカ、フニャっとするイカ
ウエカツ「スルメイカの魅力は甘すぎないこと、あと筋肉質を楽しむ、忘れちゃいけないのが味わい深い肝」
そんなスルメイカの下処理。胴、頭とゲソ、肝に分け、吸盤にある硬い角質リングもしっかり落とす。
ウエカツ「これが残っていると口当たりが悪くなる、包丁の背を使って取ってあげるとよい」
ちなみに、ウエカツはサイズと持った感触でどんな料理に使うか考えるという。
ウエカツ「持った時にゴロっとするイカと、フニャっとするイカがある、フニャっとするイカは身が薄い」
ウエカツ「よく聞かれるんだけど、こればっかりは経験、持ってみるしかない」
⇒ 詳しい解説は、”魚の伝道師”上田勝彦氏の動画『オトコの釣りメシ』神奈川県小網代沖のスルメイカをcheck!
熱湯で3秒、氷水でしっかり
イカを捌く時、皮むきだけは苦労すること、ないだろうか。むける時は簡単にむくことができるのだが、たまに頑固にむけない時がある。そんな時のウエカツ流の対処手順がこちらだ。
1)お湯と氷水を用意
2)イカが水を吸わないように氷水には塩を加える
3)約3秒、熱湯にくぐらせ、氷水できっちり冷やす
4)真ん中から左右に向けてキッチンタオルでこする
5)最後にキッチンペーパーに挟んで冷蔵庫で保存
この処理をすることで、簡単に皮をむくことができる。そして約1週間は保存でき、臭みもでないという。皮のむきやすさに関係なく、是非試してほしいひと工夫だ。
⇒ 詳しい解説は、”魚の伝道師”上田勝彦氏の動画『オトコの釣りメシ』神奈川県小網代沖のスルメイカをcheck!
”ウエカツ”流、超絶品のスルメイカ料理!
下処理をしたスルメイカのオススメ料理を、コツと合わせてご紹介!
1)胴、足、軟骨、耳の食感を楽しむ『塩辛』
コツ➀生臭みはむら洗い(醤油)で取る
コツ➁肝は塩と日本酒を入れて一晩置く
2)鰹、昆布、イカ、豚のカルテット『夏のイカ汁』
コツ➀弱火でゆっくり身を柔らかく
コツ➁豚バラを足すことで生臭みゼロ
3)青森県のソウルフード『イガメンチ』
コツ➀割合はイカ1:キャベツ0.5:ニンジン・タマネギ:0.25
コツ➁表面は薄力粉、具材のつなぎは片栗粉
きちんと下処理をして調理することで、1品1品が超絶品へと変貌する。
動画『オトコの釣りメシ』では、スルメイカを”最高に美味しく”食べるための、上記の工夫について、また上記以外のコツについてわかりやすく説明している。
釣り人しか味わえない、超絶品のスルメイカ料理を是非試してほしい。