2023年08月04日公開
つるの剛士が、釣りビジョンのスタジオ番組『つりステーション』MCに就任したのが、2001年4月。以降、2008年9月に番組を卒業するまで、ほぼ毎週のように顔を合わせてきた。出会った当初の第一印象は“どこにでもいる普通の若者”。当時は『ウルトラマンダイナ』(つるのは、ウルトラマンダイナに変身するアスカ隊員役)が放送終了して間もないことから、子どもたちから主婦層まで大人気だったにもかかわらず、気取った部分はなく、収録後にこんなエピソードを聞いたことを覚えている。「昨日、タワレコで某有名プロダクションのマネージャーにスカウトされたんだよね(笑)」。当時のつるのは、いい意味でどこにでもいるような話しかけやすい気さくな好青年だった。今回、彼を十数年ぶりに取材することとなったのだが、相変わらずの好青年だった。
釣り番組に出るのはもはや運命だった!?
”つるの”剛士という名前。もし、釣りをやっていなくても、いずれはどこかのプロデューサーかディレクターが声をかけていたのではないかと思うくらい、裏方の人間として使いやすい名前だ。安易に思われるかもしれないが、釣りビジョンでの最初の番組が『つるの剛士の何釣るの!?』(1999年)。そして、今回取材した番組名も『つるの剛士 今日、ナニつるの?』。
芸名ではなく、漢字で書くと「鶴野剛士」、偽りのない本名なのだ。つるのが釣り番組と出逢ったのは必然だったんじゃなかろうか。
海が近いってイイネ!
釣りはもちろん、ツーリングやサーフィンなどで通い詰めた藤沢の海に惚れ込み、藤沢市に移り住んだつるの。まずは「遊び道具」だらけのガレージを撮影させてもらった。某バイク店のCMをやっているだけあって、6台ものバイクが並べられている。何にでものめり込む性格の彼らしく、釣り用のバイクはスーパーカブを自らカスタムしたという自慢の1台(残念ながら取材時は、チェーンが不調とのことで、江の島への移動手段は別のスクーターになってしまった)。
そんな中、目を引いたのが、見覚えのある1台のバイク。『つりステーション』の収録スタジオへ通う際にもたびたび使っていたというイタリアの名車“ドゥカティ”だ。この真っ赤なマシンは、後に結婚することになる『つりステーション』のスタイリストさんとのデートでも活躍していた。プロポーズした竹芝桟橋へ乗せて行ったのも、このバイクだったという。さらに、乗っているときに長女を授かったことが発覚。
つるの「実質、3ケツ(3人乗り)してたんだよね(笑)」
とネタにもしていた。この思い出のドゥカティは手放すことが出きず、将来は長男に乗ってほしいと願っているらしい。
そして、ガレージ奥にはたくさんの釣り道具が!気が向いたときにいつでも行けるようにと、携行性に優れたパックロッドがほとんどだった。これも彼のこだわり。さらに、釣り場で少しでも長く竿を振っていたいと考えるつるのは、準備も早い。道具を最小限に収めて、手早くウエーダーを履いて、キャップとヘルメットをかぶり、バイクにまたがると
つるの「海が近いってイイネ!」
と江の島に向かって走り出したのだった。
正義の味方は今、海を守る!
藤沢の海をこよなく愛するつるののまわりには、同じように藤沢の海を愛する仲間が集まってくる。つるのと同様に藤沢に移り住んだ芸能界の先輩、元ポカスカジャンのSHOGO(中山省吾)さんも、実は釣り仲間の一人である。
また、タツノオトシゴを江の島に戻すために湘南の海を綺麗にする活動を続けるNPO法人『海さくら』の理事長、古澤純一郎さんの考えに賛同し、オブジェ“海の叫び魚”をデザイン。魚の口からゴミを入れるとそれが可視化される透明なボディを採用しており、魚がれだけゴミを食べてしまっているかが一目瞭然。「魚たちが危機的な状況にある」というメッセージが込められているのだ。さらに、『海さくら』主催のゴミ拾いイベントにも積極的に参加している。
かつてブラウン管の中で地球を守っていたヒーローは現在、子供たちにきれいな海を残すために戦っているのであった。
家族との大切な時間
釣りビジョンの仕事で出会った妻との間に授かった5人の子供もまた、釣りが大好きだ。今回の番組ロケには、次男の綾斗(あやと)君も参加してくれた。この日も通い慣れた江の島の堤防に向かった2人。
綾斗「今日はマグロを釣る!」
と、開始早々元気いっぱいに宣言する綾斗くん。アオイソメを付けた胴突き仕掛けには、なんと1投目からベラがヒット!マグロではなかったが綾斗君は大喜び!そんな息子を見つめるつるの剛士の表情は、完全にお父さんだった。5人の子供を育てるつるの曰く「いくじ(育児)の“じ”は自分の“自”」。子供を育てることで自分も育てられてきたと語った。
夢は“つるちゃんまんランド”!?
様々な活動を続けるつるの剛士だが、幼稚園教諭の二種免許および、保育士の資格を取得している。現在は、時間があれば近くの保育園でボランティア活動もしているそうだ。
つるの「昔、自分の本にも書いたんだけど、将来は“つるちゃんまんランド”を作りたいっていう夢があって。漠然とだったんだけど、今こうやっていろいろと自分の人生を辿ってみると、幼稚園の先生とか保育士の資格を取ったりとかしていて…“つるちゃんまんランド”ってこういうことなのかなって。で、実はある場所に土地を買っていて、なんとなく将来子供たちの園とかできたらいいな、みたいな青写真は描いてるんですよ。もうちょっと子供中心の社会になればいいのにな、なんていつも思いながら勉強しています」
藤沢の海を愛し、釣りを愛し、仲間を愛し、家族を愛する【つるの剛士】の“今”がわかる『つるの剛士 今日、ナニつるの?』是非、ご覧ください!
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