2024年04月04日公開
今年一番の暖かさ!関東には21度の予報が出ていた。ノーマルタイヤで釣行の私にとっては、待ちに待った山々の雪解けの時がやってきた!そこで解禁当初から釣行したいと思っていた、群馬県神流川の最上流部である上野村へ向かう事に。深夜の関越道を走り抜け、上野村へと向かう道では明けやらぬ空に星が瞬いていた。きっと抜けるような春の青空を見ることが出来るだろう、と心踊る道中となった。今シーズン、解禁から大苦戦中の私に神流川のヤマメたちは春をもたらしてくれるだろうか?
気温1度!早朝の渓は震える寒さ・・・
甘くは無かった・・・。上着を着ずとも寒さを感じぬ出発であったが、上野村に近づくにつれ気温はどんどん下がりだした。高速道路を降り、山に差し掛かると路肩には多くの雪が残っていた。念のためにと持ってきたチェーンの登場がない事を祈るばかりである。幸い路面は乾燥していたので凍結は無く、無事到着する事ができた。
「川の駅」でしばし休憩。吐く息は白く、ダウン無しではいられない。ここ「川の駅」裏には、予約制のC&Rの特設釣り場がある。川を覗けば、相変わらず透明度が高く美しい川であった。が、木々はまだ緑が少なく、実に寒々しい景色が広がっていた。
乙父大橋から役場前のC&R区間(神流川はポイント毎に番号がふられており、3・4・5・6番辺りとなる)をみて廻った。この辺りは、昨年訪れた時に大爆釣した思い出のポイントである。C&R区間を除くと、どこも餌釣りの釣り人が多く見られた。
とりあえず、都合平橋上流の河原に駐車する。凍える寒さだが、大苦戦中の私に暖かくなるのを待っている余裕などない!何としても今日こそ春を手にしたい!(笑)準備万端の私は相方を置き、そそくさと先に下流へと向かった。
午前中、ルアーは撃沈も、極細ラインと川虫で餌釣り大漁!
下流に向かい歩いていると、トロ場が餌釣り師たちで賑わっていた。幸いルアー釣りの方はいないようで、餌釣りの方たちの邪魔にならぬよう、陽当たりの良い浅場を中心に釣行を開始した。
使用ルアーは、朝イチから私が絶大な信頼をおくスミスのDコンタクト。トゥイッチを入れアピールを多めに。また、1ヶ所で必ず2色以上のルアーチェンジをするようにした。しかし魚の姿は見えない。それどころかキャストする度に針が沈んだ落ち葉を拾ってしまう。ルアーを失うほどの根掛かりではないが、川底には落ち葉や枝が多くあり、なんとも釣りづらい。
途中、お会いする餌釣りの方々とお話しすると「アタリはあるんだけど、なかなか針掛かりしなくて」と、皆同じ事を口にしていた。
「釣れてますよ~」の返答にやる気UP!
下流へ進むにつれ、釣り人の姿は無くなり私1人となった。右岸に左岸にと、川を切りつつどんどん進む。ポイントを余す事なく攻めていく。ダウンでキャストし、ゆっくりアピールする作戦だ。しかし今日も反応は無い・・・。
ここ最近こんな時間ばかりだ・・・。魚が釣りたい・・・。
「きっとチャンスはあるはず!」と折れそうな心を奮い立たせ歩を進めた。すると、遠くに釣り人が見えた。またまた餌釣りの方たち。「釣れますか~?」と声を掛けるとなんとなんと!「釣れますよ~」と。今日初の「釣れます!」との返答が!釣果を見せてもらうと、10時前の段階で15尾ほどの釣果があった。しかも、釣れた魚はどれも美しいパーマークのヤマメばかり。
釣れていた場所は、比較的浅場で流れのあるポイントだった。ヘチにちょっとした深みがあるそうで、そこからヤマメが出てくるのだと。しかし、動きが鈍いので工夫は必要とのこと。この大漁の釣り師たちは極力細いラインを使い、餌は川で川虫を取り、それを使用するとのこと。そんな話をしている間にもヤマメを釣り上げて見せてくれた。
朝日を背にしヤマメを手にするおじさまが眩しかったぜ~!俄然、やる気になった私はおじさまと別れを告げ、下流へと向かった。
午後から活性アップ!魚の姿も見え始め、ライズが始まる
お昼に近づくにつれて魚の姿を目にするようになった。僅かながらチェイスも増えた。今日の正解は何なのかを探りつつキャストを繰り返す。遡行できる限界まで進み、折り返す。それにしても遠くまで来すぎてしまった。
行きに気になった場所にもう1度トライすると気温や水温が上がったことで状況が変わっていた。ミノーまであと数ミリというところまでヤマメが追ってきた!「これは行ける!」。息をころしミノーチェンジし、もう1度!チェイス!く~後少しなのに針に枯れ葉が~!
粘っていると着水と同時にバイト!キタ~!叫びそうなところ、グッと我慢!タモを差し出す先には・・・ん?オレンジ・・・。ハヤ~!私のファーストHITはハヤであった。先週に引き続き、お手あげしてしまいそうになった(泣)しかし、川は多くのライズが見られ、魚の気配ムンムンとなっていた。
放流で天然ヤマメの活性も爆発!一気に川が賑わう!
14時を過ぎ、汗ばむほどの気温に。この頃下流から始まった放流が私のいるポイントにもやってきた。バケツであちらこちらに放流が始まった。これで釣れなかったら「引退か・・・」(笑)。放流場所は餌釣りの方で満員御礼だったので少し離れた場所でキャストを続けていると餌釣りの方達に一斉に釣果が出始めた。
ルアーには反応が無い。と、どこからともなく大きな魚影がミノー向かってすっ飛んできた!ダウンで大きめのアピールを続けるとバイト!遂にきたーーー!上流から、はぐれてきた放流魚であろう銀がかった魚体の良型のヤマメであった!私にもやっと春がキタ~!引退回避(笑)。嬉しさのあまり午前中、場所を譲ってくれたおじさまたちに報告に廻った。「私にもやっと春が来ました~」。皆良かったな~と一緒に喜んでくれた!「写真いっぱい撮ったか~?」と(笑)。
その後もキャストを続けると連続HIT!中には放流ものではないヤマメも釣り上がった。そのヤマメは勇ましい顔をし、美しいパーマークを携えていた。放流によって、元々いた魚たちの活性も上がり、放流場所以外でも釣果が上がるようになっていた。
しかし、今日の魚たちはスプーンやスピナーには見向きもせずミノーにだけ反応を示した。カラーチェンジもそれなりにしないと見切られてしまう。ダウンで喰わせの間を取りながらも、派手なアクションが最も効果的であった。
深場では、ドリフトでミノーを送り、リアクションバイトを狙うのも反応が良かった。バレも多かったが陽が暮れるまで夢中でキャストし続け、終わってみれば14匹の大漁!上流で竿を出していた相方も美しいイワナを手にしていた。今日は「放流日」というラッキーではあったものの、無事2024年も春を迎えることができ胸を撫で下ろした私であった。
神流川の渓はまだ目覚めたばかり。木々が芽吹き、花々が河原を彩る頃、多くのヤマメやイワナたちとのファイトを楽しめることだろう。