釣りビジョン

2015.3.15号

新修丸・神奈川県金沢八景
東京湾の“春カサゴ”良型交じりで好調!

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カサゴは、晩秋から早春に掛けて産卵をする。今は体力回復のため活発に餌を追う時期。釣り場の水深は今のところ30m前後が中心だか、これからドンドン浅場に移動してくる。カサゴは食べて美味しい魚で、根掛かりさえ恐れなければ手軽でポピュラーな釣り物。虫も這い出すと言う啓蟄を過ぎた3月8日、周年カサゴを釣らせる金沢八景・夕照橋際の『新修丸』に出掛けた。

根強い人気のカサゴ釣り

船宿『新修丸』はここ
春先特有の荒れ模様の天候が続いているが、「東京湾内なら大丈夫だろう」と、京浜急行・金沢八景駅前から車で5分程の所にある『新修丸』に向かった。カサゴは、唐揚げ、煮つけ、味噌汁にもよしと、食い意地の張った釣り人には、格好のターゲットだ。曇り空、北風が強く、寒い。いつ雨が降り出すかわからない空模様。新明正義店長と女将さん、そして“看板犬”のマルが迎えてくれた。出船時間の7時30分、女性2人を含む10人の釣り人が桟橋に舫われた船に乗り込んだ。餌の入った容器が配られた、中にサバの短冊と小さなハゼの塩漬けが入っている。

夕照橋の袂、船宿『新修丸』の前の灯明燈
桟橋にはカサゴ船が横付け
待合室は和やか、看板犬のマル君もお出迎え

これから出船です
「行ってらっしゃい」と新明正義店主
カサゴの餌、サバの短冊と小型ハゼの塩漬け

“ヒツジの跳ぶ白波”の中、釣りを開始

船は目の前の夕照橋、帰帆橋とロマンチックな名の付いた橋を潜り、左には『八景島シーパラダイス』を、右には野島公園を見ながら平潟湾を出た。強い北風に押されて15分ほどで猿島沖へ。船首を風上に向けると船は波に煽られる。「餌はサバでもハゼでもいいですよ。餌は丁寧に付けてね。準備出来たらやって下さい。水深は30m、根がありますからオモリが底に着いたら直ぐ30cm位巻き上げて、オモリがトントンと底を叩く位で待ってください」と石田和也船長から丁寧なアナウンス。釣り師たちが“ヒツジが跳ぶ”と表現する幾重もの波頭が船を揺り、30号のオモリでもタナ取りが難しい。スタートして暫くは沈黙が続き、ポイントも風と波で直ぐ外れてしまう。船長が移動の合図。

夕照橋、天気が良ければ美しく見えるのですが
こちらの橋は帰帆橋、どちらもロマンチックな名称でしょう
『八景島シーパラダイス』の遊具施設を左手に

野島公園が右手に
アタリがないね
船が揺れてタナが取れないね

潮温が下がって喰い渋り

寒さと強風の中、17cmと小振りだが船中初獲物を釣り上げたのは、左舷4番目の宮地貴志さん(川崎市)、2番の福永信治さん(府中市)に誘われて釣り仲間になったと言う。福永信治さんは奥さんが高校時代の同級生3人で楽しんでいた釣りに誘われ、会社の仲間も引き込んだ5人組で釣行していると言う。ミヨシ(船首)で、揺れるからと長い軟調竿を出していた奥さんの福永美賀子さんが、24cm級を釣り上げてニッコリ。右舷では「いつもは5人組なんだが、今日は寒いせいか3人の仲間で来た」と言う胴の間(中央)の鎌田さん(大田区)が、レギュラーサイズ(20cm弱)を釣り上げた。その右隣で船長の甥っ子さんが同サイズの鬼カサゴを取り込んだ。喰いの渋さに「一昨日より潮温が下がっちゃった。10度やっとだね」と船長が困惑顔。

やりました、小さいけど船中第1号です
こっちも釣れたけどキープしてもいいのかなあ

良型が女性に微笑む

右舷ミヨシの斉藤眞さん(大田区)と2番の五十嵐大地さん(大田区)は「アタリがないね」と苦戦の様子。特にミヨシの斉藤さんは「船のアップダウンでタナが取れないよ」と嘆きながらも懸命にタナ取りを繰り返している。左舷のトモ(船尾)は平野淳子さん(調布市)、「前回は5人でヤリイカ釣りに行って来た」と言い、船の揺れに踏ん張ってタナ取りしていた。ミヨシとトモの女性が頑張っている。福永美賀子さんの竿が立ち、「大きい!」と26cmオーバーをかざして顔が綻んだ。胴の間の野沢武志さん(府中市)と宮地さんのオマツリした仕掛けに20cm級がぶら下がった。どちらの獲物だ?強風と波の中、アタリはポツリポツリと続いた。

まあまあサイズ、やっと釣れました
ミヨシで揺れが激しいから軟調で長めの竿にしました
バケツには大中小のカサゴ

良型が釣れましたよ
仕掛け図

潮が動きだして活性が上がる

右舷で鎌田さんが「少し活性が上がったのかな。アタリが出て来たよ」とリーリングする。バケツには20cm級が7、 8匹泳いでいた。左舷の野沢さんも「来ました、来ました。アタリが続くようになりました。ハゼの餌が良いみたいです」と笑顔と弾んだ声でリーリング。「おー、ダブル、ダブル」と興奮気味。平野さんも「まあ、今日のレギュラーサイズね」と20cm級を連チャン。福永さんご夫婦も仲良く良型をクーラーに収めた。右舷では寒さと揺れで竿を出しているのは鎌田さんだけとなった。

さっき釣ったのより大きいのを釣ったわよ!
連チャンだ!
また釣れました、俺って上手いのかな?

私にもやっと少し大きいのが釣れたわ
「うれしいね、ダブル、ダブルできましたよ」
これがダブルの成果です

“特大”はなしも27cm、“ゲスト”の良型メバルも

宮地さんが、気分が悪くなってきたとキャビンヘ。左舷の4人は連チャンとは言わないまでも「メバルだ」、「ドンコだ」と賑やかに釣り続け、25cmオーバーもゲットした。福永信治さんの竿が引き込まれ、グングンやっている。波間に上がって来たのは27cmの良型。「やっと妻を超えるサイズを釣った」と笑顔。奥さんも「私も大きな2匹目を釣りましたよ」とクーラーボックスを開けて見せてくれた。午後になって好調な野沢さんが「おー、いい引きだ。デカイかも」。上がってきたのは銀色のメバル、それも良い型、嬉しい“ゲスト”だ。
「2時15分過ぎたので上がります」と船長。鎌田さんは「15匹を超えたら止まっちゃった。1匹追加するのが大変だった」と言いながら竿を畳んだ。

まあまあサイズ、11匹目よ
レギュラーサイズね、大きいのが釣りたいわ!
良型のメバル釣っちゃいました、カサゴよりでっかいよ!

良型のメバル
こちらはドンコだわ
良い引きだったけどシログチ

これから浅場で釣れ始め、ポイントも広範囲に

海が悪く潮温も下がった最悪の条件だったが、それでもトップは18匹、2番手が16匹、女性2人がツ抜け(10匹を超え)とまずまずの成績。
仕立船で出船した新明正義店主は「今日はベテランでも28匹。こう海が悪くては良いポイントにも入れないし、潮温も適温18度から20度の半分の10度では魚も口を使わないよ。早く海況が安定してほしいね。潮がよくなれば、魚もドンドン浅場に上がってきてポイントも広がっていろんなポイントで釣れ出しますよ」と見通しを語ってくれた。因みに2月下旬は60匹台が続いていた。

これから浅場で釣れ出すよ
石田和也船長も今日のシケ模様に苦戦
今日の道具立て、仕掛けは図を参照

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
神奈川県金沢八景『新修丸』
〒236-0025
神奈川県横浜市金沢区野島町10
TEL:045-784-2636(定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
新修丸ホームページ
出船データ
乗船料金:土日祝日8,700円、平日8,200円(餌、氷付き)
貸し道具:500円(竿&手巻きリール)
駐車場1日:500円
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