2024年10月26日公開
今年は10月5日からスタートした『こなや丸』のルアー青物五目。メインターゲットはブレードジグで狙うサワラだ。投げて巻くシンプルな釣りでありながら奥が深く、近年爆発的な人気でリピーターも多数!今期の東京湾サワラの釣況をレポートすべく、アクアラインを渡って千葉県長浦港を目指した。
店舗でチェックイン、5時半までには港へ!
『こなや丸』の受付は店舗で行う。到着後、店先にある「乗船順位プレート」の番号札を手に取り、4時30分にオープンする店内で受付票に必要事項を記入。ちなみにこの受付表、船宿HPでもダウンロードできるので、あらかじめ記入して持参するとスムーズだ。
カウンターで番号札と受付表を提出して、乗船料と駐車料金を支払う。引き換えに乗船時に必要となる番号札と、港に車を停める際にダッシュボードへ掲げる駐車証を受け取る。
港までの道順が分からない場合は、その旨を伝えれば案内図を渡してくれるので初めてでも安心。入口脇の冷凍庫にあるペットボトルの氷を受け取り、港へ向かう。途中、港へ右折する目印にもなるコンビニエンスストアがあるのも有り難い。店の駐車場を出たらすぐが右折レーンなのでご注意を。
岸壁に出たら船の前に車を停め、荷物を降ろす。船長から船のマイクで案内があるので、番号順に乗船となる。クーラーなどの大きな荷物は、釣り座が決まった後、バケツリレー形式で積み込むため、最初の乗船時は竿とタックルボックスのみで乗り込めば良い。
かくして滞りなく出船準備は整い『第十七こなや丸』は定刻6時に出船した。
港前の一流し目からヒット!
解纜まもなく、船長からのアナウンスが入り、「ジグは40gからスタート」「ドラグはフルロックせず、少しきつめで」「アタリがあったら巻きアワセでどんどん巻く」「竿を煽ったり、追いアワセをしない」といった基本的な釣り方の解説が行われた。その説明が終わる頃、船はまだ長浦港を出る前だったが、船長が「ベイト(ターゲットの魚が捕食する小魚)の反応があるので、ちょっとやってみましょう」と、急遽釣りを開始することに。
すると間もなく、右舷胴の間にいた村上さんの竿が大きく絞り込まれ、75cmクラスのサワラが取り込まれた。船内のボルテージは一気に上昇。続いて、左舷胴の間にいた田島さんにもヒットし、90cmの良型サワラが危なげなく取り込まれ、幸先の良いスタートとなった。
その後もサゴシサイズのサワラやワラサ、イナダといったブリの若魚が混じりつつ釣果を重ね、さらに船は袖ケ浦沖へ移動。ここでは指5本サイズの良型タチウオも追加された。アタリは散発的だったが、辛抱強くキャストしては底を取り、全力で巻き上げてくるとサワラたちが次々にタモ網に収まっていった。安定感のある釣果で、結果的に船全体に満足のいく釣果が広がった。
ひたすら投げて全力で巻く、ブレードジグが熱い!
ここ数年、サワラのキャスティングゲームが急速に身近なものとなったが、その大きな要因は「ブレードジグ」の登場だろう。比重の高いタングステン素材を採用したものが多く、30~50gの小さなジグの後部に、回転するブレード(金属片)とシングルフックを装備したこのルアーは、シンプルな操作で驚くべき威力を発揮する。投げて、着底させ、全速力で巻くだけでサワラを惹き付けるという手軽さが魅力だ。
『こなや丸』では、これまで通りヘビーシンキングミノーや鉄板バイブレーションを使った釣りも可能だが、最近ではこの「ブレードジグ」を使った釣りが主流となっている。単に「投げて巻く」という一見シンプルな操作でありながら、その奥深さゆえ、多くのアングラーに支持されるようになった。もちろん、食味の良いサワラが手軽に狙えるところも大きい。
船長に訊く「サワラのブレードジギング」のコツ
今シーズンのサワラについて『こなや丸』進藤通孝船長に訊いた。
──これから始める方々にブレードジグのアドバイスやコツは?
進藤船長「もう、速く巻く。それしかないですね。リールはハイギアで」
──リーダーの長さはどのくらいを推奨していますか?
進藤船長「40~50cmです。短くないとライントラブルが多いんですよ。アンダーで投げると、瞬間こう戻るんですよね、ティップが。その時にガイドにくるっと引っ掛かって、ルアーだけ飛んで行っちゃう。トラブルが少なければ、それだけ投げる回数が増えるんで」
──ブレードジグのカラー、迷ったら何色から結べば?
進藤船長「シルバー。あとは明るいピンク系とか赤金とか。その時の潮の色で変えて貰ったら良いと思います。シルバーは基本として、潮がクリアならチャートリュース(蛍光黄色)とかが良いかな。こればっかりはね、同じルアーを使って、同じスピードで、同じタックルでもアタる人とアタらない人がいるんで。アタる人は何度もアタって、同じようにやってもアタらないとか。今日もそうだけど、午前中良かった人が午後まったくアタらないとか、そういったのがあるんで。基本的には早く投げて、落として、で速巻き。なんだけど、同じことやっても、違うんですよね……」
──サワラを釣る人、サゴシを釣る人、その他の魚を釣る人の違いとは?
進藤船長「タチウオを釣る人は(リールの巻きが)若干遅いです。イナダもそうですね。それらが追いつけないスピードで、巻かないといけない。『ハイ、上げてくださ~い』っていうルアーを回収する時にガンッて来ることがやっぱりあるんですよ。追っては来てるんだけど、喰うとこまでいってないってのが結構あります。一日の釣りなんで、間に休んで、速く巻けるように」
確かに疲れてくると漫然と投げて“その時の全力”で巻いている時があり、そうしている間はアタリが出ない。疲れを感じたら思いきって休んで、その日に釣れているアングラーの釣りを見学するのも一策。ひとたびルアーを投げたら、とにかく限界突破の“バーニング・リトリーブ”を心掛けたい。
船中16本、取材翌日には31本の絶好釣!
かくしてこの日の竿頭はサワラを2本上げた左舷ミヨシ3番目の中村さんと4番目の深田さん。そして朝イチに船中2番目の良型を上げた田島さんの3名。次点のサワラ1本は乗船した半数の方々という、何とも平和なランキングに。惜しくもサワラを手にできなかったアングラーも、サゴシサイズやワラサやタチウオを釣ってお土産はしっかり確保。
最終的な船中の釣果は、サワラ16本、タチウオ10本、ワラサ1本、イナダ2本と、充分満足のいく結果に。ところがさらに翌日にはサワラが船中で31本と、ダブルスコアの絶好釣となった。こういった好釣果の日に当たるには、やはり通い詰めることが最短距離と言えるだろう。
魚を掛けるまでの全力巻き、そしてドラグが鳴り響き、竿が引き絞られる猛烈なファイト。さらに、帰宅後に味わう豊かな食味と、何度も楽しめる秋の東京湾サワラ。スポーツの秋と食欲の秋を一度に満喫できるこの釣り、ぜひ一度チャレンジしてほしい。
今回利用した釣り船
出船データ
集合時間:午前5時30分までに受け付け
出船時間:午前6時
乗合船料金:10,000円(氷付き/ポイントカードあり)
駐車料金:500円(1台につき)
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他