釣りビジョン

茨城県・波崎発!“スロジギ”で狙うヒラメ!

2015年11月15日公開

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スローピッチジャークジギング(“スロジギ”)をご存知だろうか。ここ数年、関東のオフショアルアーで脚光を浴びている注目の新釣法である。この釣りの魅力を探ろうと2日と6日、2度に渡って茨城県・波崎港『征海丸』に出掛けた。

【この記事を書いたライター】牛島 誠

『征海丸』は通年“ルアー船”で出船

利根川河口左岸側の波崎港を拠点とし、遊漁船4隻を擁する『征海丸』は、ヒラマサ、ワラサといった“青物”からヒラメ等の根魚、黒潮が接岸する季節にはキハダといったマグロ類まで「今、釣れている魚をルアーで狙う」をコンセプトに、通年ルアー船で出船するオフショアルアーアングラーには知られた船宿である。

初回は大雨、シケ模様
まず1回目に乗船したのは2日。折しも鹿島、波崎地区の活きイワシ餌を使用したヒラメ釣り解禁の翌日。しかし、週間天気予報はこの日だけが雨。予報は外れることなく当日は波も高く、キャビンから出るのも臆するような大粒の雨が降りしきる状況。そんな中、私も竿を出し、小1時間でヒラメとホウボウをキャッチ。同船者もイナダをキャッチしたものの海況は悪くなる一方で、無念の10時過ぎに早上がりとなってしまった。

仕切り直しはベタナギ状態

「ひどい日に来ちゃいましたね…」と苦笑する須之内船長にリベンジを約束し、仕切り直しで釣行したのが6日。この日は前回とは打って変わって快晴ベタナギ。自然に期待(ほんの少しナギ倒れの不安…)が膨んだ。私を含め“生粋”のルアーマン4人を乗せて午前5時半に河岸払いになった。

スロージギングとは?
ここでスロージギングについて簡単に説明すると、従来の“青物”を狙ったロッドを激しく動かして速いストロークでリールを巻く、体力勝負のジギングと違い、ロッドの弾性を利用し、リールを小刻みに巻き、ジグをゆっくり動かして多彩な魚を誘う。船竿(ライト系の先調子)に船用両軸リールで流用でき、体力に自信の無い方や女性にも気軽に挑戦しやすい釣法である。
※『征海丸』では、不定期ながら有名アングラーをゲストに迎え、スローピッチジャークジギングのセミナーを開催している。ビギナーは勿論、ステップアップを目指す方にもお薦めだ。ジギングに抵抗のある餌釣り師もこの機会に是非チャレンジして頂きたい。(セミナーについての詳細は要確認)

 

まずは根周りでヒラメ狙い

「どうぞ!水深25m。根掛かりに注意して下さい!」。まずは航程30分程の浅場の根周りでスタート。ここで須之内船長に近況を聞いてみた。「スローピッチの場合、ジグは130~180gを潮具合と水深によって使い分けます。ジグカラーはヒラメには赤金、グリーンゴールド系に実績がありますが、状況によってはシルバー、ブルーピンクも有効です。また、最近はスロージグでも比較的ロングでスリムなシルエットのジグが良いようですよ!」との事。周りを見てもゴールド系のジグを使用する人がやはり多い。暫くするとソゲ級(1kg未満の小型)中心にヒラメが取り込まれ出した。

“餌釣り船”が見えるポイントに移動
船長は、より良型を求めて移動を開始。到着したポイントは「水深32m!」とのアナウンス。ここではヒラメの餌釣り船もちらほらと見られる。先程のポイントに比べ、ヒラメのアタリはやや少ないものの2kg前後の良型交じりで、ボツボツと取り込まれていった。

人それぞれの「スロースタイル」

このポイントで連発していた左舷トモ(船尾)の八王子市の竹田和之さんは、「ジグを軽くキャストして幅広く探っています。シャクり上げた後のフォールにアタリが出ることが多いですね」と言う。また、右舷ミヨシ(船首)の土浦市の三上賢さんは、タイラバロッドを駆使して慣れた手つきで器用にジグにアクションを加えている。従来のスロージギングとはまた違ったスタイルだが、上手にヒラメをキャッチしていた。いつもは外房で“青物”ジギングを楽しんでいるものの、今回が“スロジギ”初挑戦という小山市の青柳輝樹さんは、使い慣れたスピニングタックルでヒラメをキャッチしていた。
人それぞれ、思い思いの釣り方で楽しめるのがジギングの魅力である。この3人は、普段の釣りもジギング一辺倒だそうで、「数を釣るなら餌釣りには適わないけど、“釣った”という価値が高いんですよ」と声を揃える。釣れた1匹の価値を高めてくれるジギングに魅せられた気持ちは痛いほど分かります、私にも。

食べ頃サイズのカンパチも上がる
暫くこのポイントで流したものの、時合を過ぎたのかアタリが遠くなってきた。ここで船長は移動を決断。航程45分程かけて“青物”の一級ポイント“波崎沖・大根”へ移動した。「どうぞ!水深は20m!ベイトの反応が底から10mまで出ているので、その範囲を探って下さい」と船長からアナウンス。間もなく竹田さんと青柳さんにダブルヒット!“青物”独特の引き込みでロッドが絞り込まれ、オマツリしながら上がってきたのは食べ頃サイズのカンパチだった。

今後は“青物”も有望!!

その後、アタリが遠のき沖上がり。時計を見るとすでに午後3時。9時間以上沖にいた計算になる。「征海丸では当たり前ですよ。船長はお客さんが満足するまで釣らせてくれるんですよ」と常連さん。
この日のヒラメの竿頭は竹田さんの4匹、三上さんと青柳さんが3匹ずつの釣果。解禁直後の餌釣り船の釣果には及ばなかったもののスロジギの“価値”を見出したアングラーは満足げな表情だった。
船長は、今後の展望について、「今後もヒラメ狙いを中心としたスローピッチジャークジギングで出船する予定です。また宮城沖で停滞している“青物”が南下してくればワラサ・ブリも有望ですね!」と言う。季節はこれから冬に向かうが、ルアーマンにとっての“熱い”季節はまだまだ続きそうだ。

12月6日に大会開催!
『征海丸』では、12月6日に釣り大会「2015 テイルウォークカップチャーマスフェスティバル」を開催する。魚の大きさを競い、総合1~3位までを表彰。他にジュニア賞、レディース賞、大物賞やジャンケン大会、マグロ解体ショー又は魚のつかみ取りといった盛り沢山の内容。詳細は船宿HPで。

今回利用した釣り船

茨城県 波崎港「釣楽園 征海丸」
〒314-0408 茨城県神栖市波崎9532
(カーナビの場合:茨城県神栖市波崎8386-1)
TEL:090-3100-6991
定休日:毎月第三月曜日、祝日の場合は振替 釣果・施設情報 釣楽園 征海丸

出船データ

ルアー船※予約乗合の為、電話予約
出船時間:5時00分集合、揃い次第出船
沖上がり:状況により変動(午後2~3時頃)
基本料金:大人1万1,000円(氷付き)、女性・子供要電話確認
※レンタルタックル有り、駐車場無料
     
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